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超ハイレベル戦に紛れはない!/チャンピオンズC

  • 2018年11月25日(日) 18時00分

■チャンピオンズC(G1・中京ダ1800m)フルゲート16頭/登録20頭


【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口


 現在の開催条件となってから今年で5回目と、まだデータが出揃っていないチャンピオンズC。とはいえ、好走に「何」が必要なのかは、コースデータやレースデータがけっこう教えてくれる。詳しくは後述するが、内枠有利で先行勢優勢なコース&レースであるのは間違いなし。このレースで好走するための必要条件も、意外なほどハッキリしている。

 まずは前走JRA出走組だが、こちらはトータル[0-3-2-28]と劣勢。昨年は1番人気のテイエムジンソクが2着に粘ったが、それ以外の6頭は掲示板にも載れていない。この組を狙うならば、「前走3着以内」であるのが必要条件だが、それでも勝ち負けに持ち込むのはけっこう難しそう。素直に、前走が交流重賞だった組を狙ったほうがいいだろう。

 そして、前走でJBCなど地方交流戦に出走していた馬は、そこで「5番人気以内かつ5着以内」という結果を残しているのが必要条件。かなり低いハードルだが、今年の登録馬でこの条件をクリアするのはオメガパフューム、ケイティブレイブ、ゴールドドリーム、サンライズソア、ノンコノユメ、ルヴァンスレーヴと、6頭しかいない。

 ここから絞り込む上で有効に機能しそうなのが「前走マイナス体重だった馬が強い」という小ネタだ。肌寒くなり絞るのが難しい時期のせいか、この条件を満たす登録馬はたったの6頭だけ。前述の必要条件と両方をクリアするとなると、ゴールドドリームとルヴァンスレーヴの2頭だけとなってしまう。人気のこの2頭でキッチリ決まる──というケースも、今年は十分に考えられそうだ。




【コース総論】中京ダ1800m

・コースの要所!

★人気薄の激走もけっこう期待できるコース。10〜12番人気は要チェック!
★少しだけ内枠有利だが基本的にはフラット。外枠でも割り引く必要なし。
★瞬発力の要求度は高いが先行有利。先行力と瞬発力の両立が求められる。





 正面スタンド前、坂の途中からスタートしてコーナーを4つ回る中京のダ1800m。最初のコーナーまでの距離も十分にあるが、そこはダート戦。序盤〜中盤のラップが極端に緩むことはなく、終始一貫してそれなりの速さで流れることが多い。それでいて、最後の直線が長く急坂も設定されているという、かなりタフなコースである。

 まずは人気別。1番人気は勝率32.4%、連対率53.8%という高い信頼度を誇っており、回収率ベースの数値も優秀だ。それ以外では、4〜6番人気や10〜12番人気も優秀な内容。13番人気以下になるとさすがに手がでないが、人気から穴まで大きな偏りがなく、どこからでも買えるコース。ならば、ある程度は穴を狙ったほうが面白そうだ。

 次に枠番。内枠である馬番1〜4番の信頼度が少しだけ高いのが目立つ程度で、基本的にはかなりフラットなコースである。驚いたのがギャップ値で、内から外まで0.0〜0.1でほぼ横並び。つまり、どの枠番でも人気通りに走れているということだ。G1レースを開催するにふさわしい公平さで、大外に入った馬でも評価を割り引く必要はない。

 脚質は、ダートの中距離戦らしく先行勢優勢。最後の直線が長く急坂があるとはいえ、さすがに芝のようにはいかない。ただし、先行力や持久力だけでは押し切れないのがこのコースで、勝ち負けに瞬発力が求められているのは、上がり上位馬の好成績からも明らか。前々で流れに乗って、さらに最後の直線でもいい脚を使うという「総合力の高さ」が要求される。なるほど、チャンピオン選定レースにふさわしい舞台である。

【レース総論】チャンピオンズC(G1)

※参考レースは、中京リニューアル後に行われた「中京ダ1800m×16頭立て×オープン」という条件を満たす11レースです。

・レースの要所!

★1番人気から人気薄までまんべんなく好走。狙ってオイシイのは7〜9人気。
★ハッキリと内枠有利。真ん中より内の馬番を引けるかどうかが非常に重要。
★脚質はコース同様の傾向。差せなくはないが、先行勢から入るのがベター。
★5〜6歳馬が強いレースで次点は3〜4歳。7歳以上の高齢馬は割引が必要か。







 過去4年分のデータではさすがに心もとないので、人気や枠番、脚質については名鉄杯や東海Sなど、チャンピオンズC以外のレースも含む「参考データ」を元に分析を行った。G1とオープン特別を同列に扱った雑な分析結果だが、意外にアテになりそうな分析結果となった気がするので、ご覧いただくとしよう。

 チャンピオンズCの平均配当は単勝2530円、馬連5510円、3連複1万9395円と、単勝平均だけが突出して高くなっている。その理由が人気サイドの弱さで、5番人気以内馬はトータル[1-3-2-14]で勝率5.0%、連対率20.0%と、信頼度の低さはかなりのものだ。しかし、参考レースでは人気サイドが相応に強く、人気馬から人気薄までまんべんなく馬券絡みしている印象。となると、7〜9番人気あたりを狙うのがもっともオイシイ印象だ。

 次に枠番だが、参考データではハッキリと「内有利」という結果に。コースデータとは大きく異なり、ギャップ値にも内外で大差が出ている。チャンピオンズCに限定したデータでも、馬番1〜8番がトータル[3-3-3-23]で連対率18.8%、複勝率28.1%であるのに対して、馬番9〜16番は[1-1-1-27]で連対率6.7%、複勝率10.0%と明暗ハッキリ。ハイレベル戦になって、内枠の利が大きくなっているのかもしれない。

 脚質については「差せなくはないが先行勢を狙ったほうがベター」という結論に。チャンピオンズCでは差しや追い込みがガンガン決まっているが、中京ダ1800mが東京ダ1600mや2100mほど差し優勢とは思えない。また、今年の登録メンバーに徹底先行型が少なく、例年とは違って落ち着いた流れとなる可能性が高い──というのも、予想する上で意識しておきたい。

 あとは、チャンピオンズCが「5〜6歳が強いレース」であることや、外国人ジョッキーが好成績を残していること、乗り替わりが割引材料にはならないことなども、押さえておくべきポイント。対照的に性別や厩舎の東西による成績差は小さく、こちらは軽視してもとくに問題ないと思われる。

【血統総論】



 血統面でプラスに評価したのは、アグネスデジタル産駒のみ。理由は単純明快で、他とは比較にならないほど高いコース適性を見せているからである。連対率28.8%、複勝率40.4%と信頼度の高さは驚異的なレベルで、単勝適正回収値110.2、複勝回収値104、ギャップ値プラス0.7と爆発力も文句なし。該当馬は、人気薄となりそうなアスカノロマンだ。

 ここで、海外馬の血統にも少しだけ触れておこう。アメリカから参戦するパヴェルは、今年のドバイWCやBCクラシックにも出走している実力馬。父のCreative Causeは、立夏Sなど4勝をあげているマジカルスペルを出している。とはいえ、マジカルスペルの母プラウドスペルと比較すると、本馬の母が持つ血は異系色が強く、かなり「重い」部類。日本の軽いダートだと、スピード負けしそうな気がしてならない。

★チャンピオンズC・総論×各論

 昨年の覇者であるゴールドドリームに、そのゴールドドリームを南部杯で降した3歳王者ルヴァンスレーヴ、京都のJBCクラシックを制してさらに勢いに乗るケイティブレイブなど、ダート中距離路線のトップクラスが一堂に会する一戦となった今年のチャンピオンズC。上位拮抗で、馬券的にもかなり面白いレースとなりそうである。

 枠番や人気といったファクターを除外しての評価となるが、現時点でのトップ評価はゴールドドリームだ。南部杯ではルヴァンスレーヴに後れを取ったが、休み明けをひと叩きしての中京替わりで、今度は本領発揮とみる。臨戦過程やルメール騎手の継続騎乗、5歳という年齢など、プラス評価となった項目の多さも文句なし。「前走マイナス体重」という小ネタもクリアしているなど、まさに順風満帆である。

 二番手評価にケイティブレイブ。実績や能力の高さについては言うまでもないが、大きな追い風となるのが「展開」だ。ダートの中距離重賞とは思えないほどの先行勢の少なさで、かなりの展開利を見込めるはず。差す競馬もできる馬だが、このコースと組み合わせであれば、自然と前に行くことになりそうである。積極的なレースをすれば、ゴールドドリームを逆転できる可能性も十分ある。

 三番手評価にルヴァンスレーヴ。ハイレベルな3歳世代ダート馬のトップで、既に古馬のトップを撃破しているのだから末恐ろしい。この相手でまたも勝利をおさめるならば、ダート界のトップに長く君臨する、史上最強レベルのバケモノになるかもしれない。好走条件も楽々とクリアしており、勢いは間違いなくナンバーワン。ここでどのような走りを見せるのか、本当に楽しみな1頭だ。

 以下はサンライズソア、オメガパフューム、アスカノロマン、インカンテーション、ヒラボクラターシュという評価の序列。かなり堅めのラインナップだが、ダートの頂上対決で結果が大きく紛れるケースというのは考えづらい。これだけレベルの高いメンバー構成になると、なおさらだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧




奮起せよ日本人!(#^ω^)ビキビキ

「中枠の大幅割引」は大正解でしたが、オッズに目がくらんで外枠を買ったのは大失敗。日本人ジョッキーを応援したい気持ちもあり、なおさら人気の内枠に手を出しづらかったという話デスヨ(反省)。まあ、14エアスピネルはあの競馬で負けたんだから致し方なし。やっぱり、中間に熱発した影響もあったんじゃないかなあ。

※コース&血統データは2014年以降、参考レースデータは2013年以降、レースデータは2014年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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