■朝日杯フューチュリティS(GI・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録16頭
【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口 舞台が阪神競馬場へと移って、今年で5年目となる朝日杯フューチュリティS。中山芝1600mで開催されていた頃とはまったく異なる性質のレースとなっているのが、データからもハッキリと見てとれる。とくに顕著なのが「速い上がり」の要求度で、過去4年の連対馬はすべて上がり3F順位が2位以内だった。この傾向は今後も続くはずだ。
そして、今回の特注データにあげるのが、二番目にあげた「早生まれ」の強さである。ノーザンFなどは以前よりも生まれが早くなるように取り組んでいるが、2歳戦や春クラシックにおいて、生まれの差はかなり大きいはず。実際にレースデータを見ても、1〜2月生まれの馬とそれ以外とでは、想像以上に大きな成績差が出ている。
あとは、勝ち負けに「ある程度の馬格」が求められているのも、覚えておきたいポイント。前走馬体重が460キロ以上であるのが必要条件で、480キロ以上であればモアベター。さらに、前走での馬体重増減が「プラス体重」であればパーフェクトだ。小柄な馬体で、前走でも馬体重を減らしていたような馬は、人気でも信頼できない。
以上のような条件から今回のデータ特注馬としたのが、1月生まれのグランアレグリアと2月生まれのケイデンスコール。この後で解説する評価項目においても、多くのプラス評価を集めている。ここは人気でも、しっかり押さえておくべきだろう。
【コース総論】阪神芝1600m外 Aコース使用
・コースの要所!
★基本的には人気サイドが強いが大穴の激走率も高め。高配当も十分狙える。
★厳密にいえば内枠ベターだが大きな差はない。フラットと考えてオッケイ。
★ハッキリと差し優勢のコース。中団から速い上がりを使える馬を高く評価。
先週の阪神ジュベナイルFに続いて、またしてもGIの舞台となる阪神芝1600m外。フルゲート18頭でのレースが行われていないので、掲載しているデータは前回とまったく同じである。同じ内容を繰り返すのも芸がないが、ヘンにひねって実用性のないデータを掲載しては本末転倒なので、そこはどうかご容赦を。先週しっかり読んでいただいたという方は、飛ばしていただいて何の問題もない。
スタート地点は、バックストレッチの2コーナー寄り地点。そこからしばらくは坂を上り、3コーナーから直線のなかばまでは下り坂。そしてそこから一気に急坂を上るという、かなり起伏が大きいコースである。人気サイドの信頼度はソコソコ高いが、4〜6番人気や7〜9番人気の中穴や、10〜12番人気の大穴の激走率もけっこう高め。人気については、どこからでも入れるコースという印象だ。
枠番は基本的にフラット。内枠の信頼度がほんの少し高くなっており、ギャップ値もプラス0.3と良好ではあるが、飛び抜けて優秀というわけではない。外枠からでも、能力や展開次第では問題なく上位に食い込めるコース。差し優勢の傾向が強いので、ここでは枠番よりも「脚質」を重視したほうがいいだろう。最速上がりの馬が素晴らしい結果を残しているように、末脚のキレ味がここでは大きな武器となる。
【レース総論】朝日杯フューチュリティS(GI) 過去4年
・レースの要所!
★3番人気以内[3-2-2-5]と人気馬が好成績だがヒモ荒れ傾向はかなり強い。
★枠番はおそらくフラット。ハッキリと差し優勢で上がり上位馬が好成績。
★距離延長組は成績不振。前走でも芝1600m戦を使われていた組を高評価。
★前走クラスは不問のレース。キャリア5戦以上馬は大幅な割引が必要か。
今回はあえて、現在の施行条件になって以降の4年分のデータだけを集計対象とした。データ母数は明らかに足りないのだが、別のレースを混ぜた「参考データ」で分析すると、導き出される結論が大幅にズレることが判明。さすがにそれはマズイということで、データを出し直して集計もやり直した次第である。集計期間が短すぎて、これはこれでアテにできない面もあるが、こっちのほうが「まだマシ」と判断した。
レースの平均配当は、単勝675円、馬連5275円、3連複1万8060円と平均的な水準。1番人気馬が[2-1-0-1]、3番人気以内馬がトータル[3-2-2-5]と好成績を残しているように、人気サイドは高信頼度だ。では順当決着傾向が強いかといえば、さにあらず。過去4年のうち3年でふたケタ人気馬が激走しているように、ヒモ荒れ傾向が強く見られるレースとなっている。人気サイドから穴馬に流すような買い方が面白い。
枠番はおそらくフラット。「内・中・外」で比較すると内枠である馬番1〜6番がもっとも優秀な内容ではあるが、「内・外」で比較したデータでは外のほうが好成績なのだ。あえて言うなら「中枠不利」なのだが、これはデータ母数の不足による単なる偏りと考えたほうがいいはず。コースデータ重視で、あまり枠番は気にしないという結論でいい。
脚質もコースデータと同じく、ハッキリと差し優勢。過去4年の連対馬は、そのすべてが上がり最速〜2位と、キレのある末脚を繰り出している。先行勢もそれなりに残せてはいるのだが、瞬発力の要求度が高いレースであるのは間違いなし。中団のインで折り合って脚をタメられるような馬が、ここではもっとも狙い目となる。
前走距離別では、前走でも芝1600m戦を使われていた組の強さが目立つ。それとは対照的にイマイチなのが、前走で芝1400m以下戦を使われていた距離延長組。京王杯2歳Sからのローテで出走する馬は、人気でも過信は禁物だろう。距離短縮組もあまり成績はよくないが、こちらは該当例が少ないので何ともいえないところだ。
前走クラス別成績からは「前走クラス不問」という結論に。リオンディーズのように新馬戦を勝ったばかりの馬や、東京芝1600mのベゴニア賞(500万下)の勝ち馬が2勝もしているように、前走が重賞ではなくとも平気で上位に来るレースである。ついでに述べておくと、鞍上の乗り替わりも評価を割り引く必要はまったくない。
【血統総論】 血統面では、ディープインパクト産駒とロードカナロア産駒、マツリダゴッホ産駒をプラスに評価。ディープインパクト産駒がアホほど強いコースであるのは先週もお伝えしているが、なんとロードカナロア産駒はそれを上回る「鬼強い」結果を残している。マツリダゴッホ産駒の強さは意外だったが、こちらは複回値136、ギャップ値プラス0.8と、爆発力ならトップクラス。今後のためにも覚えておいて損はない。
★朝日杯フューチュリティS・総論×各論 特別登録が16頭にとどまったのは少し寂しいが、牝馬のグランアレグリアとタニノミッションが果敢にエントリー。現2歳世代は牝馬のほうがハイレベルであるのを考えると、もちろん勝算あってのことだろう。牡馬の大将格はデイリー杯2歳Sを制したアドマイヤマーズで、ケイデンスコールやファンタジストといった重賞ウイナーも侮れないところ。阪神ジュベナイルFに負けず劣らず、こちらも激闘となりそうだ。
現時点でのトップ評価は、牝馬の
グランアレグリア。ダノンファンタジーを子供扱いした圧巻のデビュー戦に、牡馬をアッサリ完封したサウジアラビアRCと、その完成度の高さは目を見はるものがある。ルメール騎手が乗れることを最重視してのレース選択も、勝ち負けになるという自信があってこそ。マイナス評価となった項目はひとつもなく、文句なしに「買い」といえる1頭である。
二番手評価に
ケイデンスコール。デビューからすべて最速上がりというキレ味自慢で、コース適性が非常に高いロードカナロア産駒であるのも大きな魅力。プラス項目の多さは、グランアレグリアに負けず劣らずである。末脚のキレが大きな武器となるコース&レースであるのは、前述の通り。鞍上がC.デムーロ騎手に乗り替わる想定だが、それもマイナスではなくプラスに働くことだろう。
一発の魅力があるのが
マイネルサーパスだ。5月生まれと遅生まれなのがマイナスだが、それ以外はことごとくプラス評価。かつては「2歳戦といえばマイネル」などと言われたものだが、久々にこの馬が「らしさ」を見せてくれるかもしれない。プロフィルなどから人気しないと思うが、現時点でデータから穴馬を1頭あげるならば、迷わずこの馬を推す。
以下はアドマイヤマーズ、ドゴール、ファンタジスト、タニノミッションという評価の序列だが、このあたりはかなり僅差。直前の追い切り内容や人気を確認した上での判断となる。ふたケタ人気の超穴馬がけっこう上位に食い込んでいるように、紛れも十分にありうるレース。ちょっとひねった買い方をしてみたほうが面白い。
■総論×各論・先週の馬券回顧
UMACAデビュー戦、敗北(#^ω^)ビキビキ 02ルヴァンスレーヴは、あのポジションが取れた時点で勝ち負け。対照的に1着固定で狙った08ケイティブレイブは、中団からの競馬でまったく伸びずに惨敗Death! う〜む、今度は先行策だと踏んだんだけど……まさか見せ場すらないとは(呆然)。なかなか馬券の買いづらいレースでござったよ、ニンニン。
※コース&血統データは2014年以降、レースデータも2014年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!