■ホープフルS(G1・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録17頭
【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口 現在の施行条件となって5年目、G1に昇格してからは2年目となるホープフルS。なにぶんデータ不足で言い切るのが難しい側面はあるが、2歳戦のこの距離だと折り合い重視で、その結果スローでのキレ味勝負となりやすいのは間違いない。前残り決着となったのは2014年だけで、以降は差し〜追い込み勢が好成績を残している。
今回「特注」扱いとしたのは、前走での上がり3F順位別成績である。過去4年の連対馬は、1頭(2014年2着のコメート)をのぞき、すべてが前走での上がり3F順位が「2位以内」だった。とくに優秀なのが前走最速上がりの馬で、連対率31.6、複勝率42.1%という高信頼度。回収率ベースの数値も優秀で、狙ってみる価値が十分にある。
前走での上がり3F順位が2位以内だった馬が3番人気以内に推された場合には、トータル[4-1-2-3]で複勝率70.0%をマーク。また、7〜9番人気でも3回の馬券絡みがあるように、極端な人気薄でもないかぎりは期待できる。今年のホープフルSでもおそらく、前走上がり順位が優秀だった馬が好成績を残すことだろう。
登録馬で「前走最速上がり」という条件を満たすのは、キングリスティア、コスモカレンドゥラ、ジャストアジゴロ、ハギノアップロードの4頭だけ。上位人気が確実なアドマイヤジャスタ、ニシノデイジー、サートゥルナーリアの3頭は、いずれも「2位」と不安を残す。今年に関しては、ちょっとした番狂わせがあっても不思議でないはずだ。
【コース総論】中山芝2000m Aコース使用
・コースの要所!
★1番人気が飛び抜けて強いコース。ヒモ荒れ傾向の強さが目立つ点にも注意。
★イメージと異なり外枠のほうが好成績なほど。枠番はフラットと考えたい。
★差せるが後方からでは届かないコース。基本的には先行勢のほうが買える。
皐月賞の舞台でもある中山芝2000m。スタート地点はホームストレッチの4コーナー寄り地点で、スタート直後に急坂を上るのもあって、序盤から速い流れにはなりにくい。また、最初のコーナー進入まで十分に距離があるというのも、そうなりやすい理由のひとつ。2歳戦だとなおさら、スローで流れる可能性が高くなる。
素晴らしい成績を残しているのが1番人気で、[17-10-3-17]で勝率36.2%、連対率57.4%という高信頼度。2番人気や3番人気も好内容で、上位人気の信頼度は総じて高い。相手には人気薄を連れてくるケースが多く、7〜9番人気や10〜12番人気も十分に買える内容。ただし、13番人気以下の超人気薄は複勝率0.7%とまったく期待できない。人気サイドから「適度に人気薄」の馬に流すのが、効率よく儲けるコツだ。
次に枠番。中山芝といえば真っ先に思い浮かぶのが「内枠有利」だが、芝2000mはまったくもってフラットで、枠番の内外による有利・不利が非常に小さい。それを証明しているのが大外に入った馬の好成績で、[6-3-2-36]で複勝率23.4%、単勝適正回収値132.2、複勝回収値146という素晴らしい内容なのだ。有馬記念がイン優勢の結果で決まったとしても、そのイメージを引きずらないように注意したい。
最後に脚質面だが、4コーナーを13番手以下で回った後方待機組は、トータル[0-1-1-59]と壊滅状態。中団からの差しはソコソコ決まるが、基本的には先行勢が優勢のコースといえるだろう。上がり3F順位が3位だった馬が、最速上がり馬と互角以上に張り合えているのも、それを裏付けるデータ。よほど極端な外差し馬場にでもならないかぎり、後方に置かれそうな馬は手出し無用といえる。
【レース総論】ホープフルS(G1) 過去4年
・レースの要所!
★1着馬はすべて3番人気以内でふたケタ人気馬は全滅。極端な穴狙いは禁物。
★外枠の成績不振は人気のなさが理由。実際はコースデータ通りフラットか。
★コースデータより差し優勢。勝ち負けに末脚のキレ味が要求されるレース。
★勝ち馬はすべて前走芝2000m戦組。外国人騎手の鬼のような強さも目立つ。
レースの平均配当は、単勝440円、馬連3592円、3連複2万3005円。単勝平均や馬連平均はかなりの低さで、それでいて3連複平均がけっこう高いというのは、ぜひ覚えておきたいポイントである。過去4年の勝ち馬はすべて3番人気以内と、1着が紛れたケースは一度もない。おそらく今年も、1着馬に関しては堅く決まる可能性が高いだろう。
7〜9番人気は[0-2-2-8]で複勝率33.3%と絶好調。成績イマイチな4〜6番人気と比べると、信頼度も回収率もはるかに高い。ふたケタ人気馬は1頭も馬券に絡めていないが、コースにおける傾向から考えると、10〜12番人気が今後に穴をあける可能性はけっこうあるはず。極端な穴狙いは避けるべきだが、人気サイドの相手に「適度な」人気薄を狙う戦略は、有効に機能するはずだ。
枠番データでは外枠である馬番13〜18番の信頼度が低くなっているが、これは上位人気馬が入っていないだけの話。平均人気が10.2と極端に低いのだから、信頼度も低くなって当然である。それどころか、人気のわりにはよく走っているというべきで、やはりコースデータ通りに「枠番の内外による有利・不利なし」と考えるべき。狙っていた穴馬が大外に入っても、なんら悲観する必要はない。
脚質面は、コースデータよりも差し優勢。冒頭の「特注データ」でも解説したようにスローの瞬発力勝負となりやすく、末脚のキレ味が要求される傾向が強まっているようだ。4コーナーを6番手以内で回った先行勢が、トータル[1-2-1-22]で勝率3.8%、連対率11.5%、複勝率15.4%という結果に終わるというのは、かなり珍しいケース。上がり上位馬の好成績からも、かなり差し優勢のレースと考えたほうがいい。
前走距離別では、前走芝2000m組の好成績が目立つ。過去4年の勝ち馬はすべて前走芝2000m組であり、ここ3年はこの組が2頭も3着以内に食い込んでいる。芝1600mや芝1800mからの距離延長組よりも、前走から同距離組を狙うのがベターだろう。そして、データは掲載していないが、前走での「クラス」は不問。未勝利を勝ち上がったばかりの馬でも、平気で上位に突っ込んでくるレースである。
前走クラスが不問であるのは、新馬戦を勝ったばかりの1戦1勝馬が好成績を残していることからも明らか。デビュー戦を強い内容で勝ち上がった馬であれば、その勢いのままにここでも通用する。昨年8番人気で3着に好走したステイフーリッシュのように、デビュー戦が「最速上がりでの1着」であれば、さらに期待できそうだ。
騎手関連データからは、外国人ジョッキーの「鬼」っぷりが伝わってくる。外国人ジョッキーの騎乗馬は連対率41.7%、複勝率50.0%と圧倒的な強さを見せており、対照的に関東所属騎手は[0-1-1-27]と大不振。関東馬自体は関西馬と互角以上に張り合えているのだが、どうやらジョッキーに関しては話が違うようである。
あとは小ネタだが、前走がマイナス体重だった馬の連対例がゼロであることや、3着以内馬がすべて「前走2着以内」であるのも、覚えておいて損はなさそう。データ母数が少ないので、今後ガラッと傾向が変わる可能性もなくはないが、多少なりともアテにできそうなデータだけを掲載したつもりである。
【血統総論】 血統面では、ディープインパクト産駒とルーラーシップ産駒をプラス評価の対象とした。次点をあげるならば複勝率の高いハービンジャー産駒とダイワメジャー産駒で、コース適性も高めだとは思うが、内容的にちょっと見劣るのも事実だ。混戦模様だけに、プラス評価の対象はできるだけ絞り込みたいところである。
★ホープフルS・総論×各論 17頭の登録があったが、朝日杯FSで2着に激走したクリノガウディーと、同11着のコパノマーティンは回避を発表。ハギノアップロードも自己条件に向かうようで、最高でも14頭立てとなる見込みである。人気を集めるのはおそらく、2戦ともに大楽勝の超良血サートゥルナーリアと、重賞連勝でその力を証明したニシノデイジー、育成段階から非常に評価が高かったアドマイヤジャスタの3頭だろう。
しかし、評価は見事なまでに横並び。データ面から文句なしに「買い」といえる馬は、正直なところ1頭も見当たらない。レース当日の人気がどうなるか現時点ではさすがにわかりかねるが、実際はかなりの混戦模様ではないか──というのが、現時点での印象。「最後の最後でドカン!と荒れた」という結果が出ても、べつに意外ではない。
僅差のトップ評価は、未勝利を勝ったばかりの
ジャストアジゴロ。二番手評価が、東京スポーツ杯2歳Sの3着馬である
ヴァンドギャルド。三番手評価に、黄菊賞で2勝目をあげた
コスモカレンドゥラ。四番手に、京都芝2000mの未勝利を好内容で勝ち上がってきた
ヒルノダカール。もうこの時点で、データ的にはいかに混戦模様であるか、わかっていただけることだろう。
その次の五番手評価がニシノデイジーで、以下サートゥルナーリア、ブレイキングドーン、アドマイヤジャスタ、キングリスティアという評価の序列。これで人気通りの順当決着にでもなったら大恥だが、その場合はその場合で致し方なし。データ的な買い材料の少ない馬を、人気になりそうだからといって上位には推せない。筆者はこのレース、場外ホームラン狙いのブンブン丸と化して、大穴を狙いまくる所存である。
■総論×各論・先週の馬券回顧
リスクヘッジできてねえ(#^ω^)ビキビキ なんとな〜く嫌な予感がして、珍しく上位評価馬の3連複ボックスなんぞを買ってみたら……しっかりクリノさんが抜けるという(放心)。グランアレグリア過剰評価の波に乗ってしまったことも含めて、反省材料の多いレースでございました。有馬記念はドリームレースらしく、華々しく散る覚悟で臨む所存。目指すぜ、一撃での復活!
※コース&血統データは2014年以降、レースデータも2014年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!