▲3月1日付けでいよいよ「長谷川浩大厩舎」が誕生
明日28日をもって師匠の中村均調教師が引退。中村厩舎を引き継ぎ、翌1日付けで長谷川厩舎が誕生します。まさに開業目前の長谷川浩大調教師のインタビューも最終回。最後のテーマは、調教師としてのビジョンです。自身が師匠にしてもらったように、自分も「弟子を育てたい」と長谷川調教師。調教師としての熱い決意を語ります。
(取材・文=不破由妃子)
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【定年引退】師匠・中村均調教師のインタビューも好評掲載中調教助手として働いて、人間としてすごく成長できた
佑介 いよいよ調教師としてのキャリアが始まるわけですけど、中村先生の背中を見てきただけに、いつかはジョッキーを育てたいという思いがあるんじゃないですか?
長谷川 うん、育てたいね。後悔がたくさんあるぶん、教えられることも多いと思うから。ジョッキーを目指す子自体が減ってきているわけやけど、やっぱり佑介たちのあとに続いてね、競馬界を盛り上げていけるジョッキーをサークル全体で育てていかないといけないと思ってる。
もちろん、自分が一人前の調教師になってからだけどね。ジョッキーだけではなく、今は競馬界全体の労働者が減ってきているから、スタッフも大事にせんと。
佑介 最近は牧場の乗り手も外国人が多いですもんね。厩舎スタッフも、中村厩舎のスタッフをそのまま引き継ぐんですよね?
長谷川 馬房数に合わせて人数は減るけど、基本的にはそのまま。まったく知らない人と一から始める人もいるなか、本当にありがたいよね。
佑介 長谷川先輩がデビューした頃からずっと働いている厩務員さんとかいるんですか?
長谷川 いるよ。60代の厩務員さんが4人いるからね。
佑介 ということは、その人たちにしてみれば、かつての「アンちゃん」が「先生」になるわけだ(笑)。
▲「ということは、かつての“アンちゃん”が“先生”になるわけだ」
長谷川 まぁそうだけど、俺の性格上、調教助手としてもけっこうガンガン言ってきたから、スタッフのほうが切り替えてくれていると思う。中村先生よりキツイやろうなって思っているはずやし。そのぶん、スタッフが頑張れる環境を作らないとね。雰囲気がいい厩舎が一番やし、俺自身、自然と人に感謝できるようになれたから、そういう気持ちを忘れずに。