■フィリーズレビュー(G2・阪神芝1400m内)
【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口 フィリーズレビューの面白い特徴が、牝馬クラシックのトライアルでありながら、鞍上が乗り替わったほうが好成績という点だ。継続騎乗がトータル[3-4-3-60]で連対率10.0%、複勝率14.3%であるのに対して、乗り替わりでは[7-6-7-78]で連対率13.3%、複勝率20.4%と、単純な比較でも明らかに後者のほうが好成績である。
そして強調したいのが、鞍上が乗り替わる馬を狙ったほうが儲かるということ。鞍上が乗り替わる馬は単勝適正回収値112.2、複勝回収値139と、大台である100をゆうに超えている。7番人気以下で馬券に絡んだ馬は過去10年で9頭いるが、そのうち6頭までが乗り替わり。昨年8番人気で1着に激走したリバティハイツも、M.デムーロ騎手から北村友騎手への乗り替わり騎乗だった。
それ以外では、かなり波乱傾向が強いレースであることや、芝1600mからの距離短縮組が強いこと、前走500万下からの昇級でも問題なく好走できるレースであること、ノーザンファーム生産馬が弱く社台ファーム生産馬が好成績であることなども、押さえておきたいポイント。混戦模様とみて、データからの特注出走予定馬はココフィーユ、ホウオウカトリーヌなど4頭をあげている。
【コース総論】阪神芝1400m内 Aコース使用
・コースの要所!
★上位人気馬の強さが目立つコース。人気薄はヒモで狙うのが効率がいいか。
★ハッキリと内枠有利かつ外枠不利。馬番1〜6番に入った馬はプラスに評価。
★中団待機組が先行勢以上の勝率&連対率を記録。内回りでも意外に差せる。
つい先日に阪急杯が行われている阪神芝1400m内。似たような内容の繰り返しになってしまうので、内容を覚えているという方はサクッと飛ばしていただいて問題ない。内回りで最後の直線が短いのもあって、序盤から中盤まで速い流れとなりやすいコースであること。そうなると道中で息を入れづらい上に急坂コースでもあるので、最後の直線が短くとも差し届きやすいというのが、おおまかな特徴だ。
人気別成績ではトータルでみると人気サイドが強いのだが、7〜9番人気や10〜12番人気が激走するケースもかなり多く、13番人気以下が2〜3着に突っ込んで来た例もそれなりに見受けられる。次に枠番だが、こちらは内枠有利&外枠不利の傾向。阪急杯は大外に入ったスマートオーディンが一気の脚で制したが、2着のレッツゴードンキと3着のロジクライはいずれも内枠だった。
脚質については、先行勢と中団待機組の成績が拮抗。しかし、道中の流れが厳しくなるオープンでは、差し優勢と考えたほうがいいだろう。4コーナー13番手以下から突き抜けた馬も意外なほど多く、単勝適正回収値の高さはハッキリと「差し>先行」。やはり軸馬は、中団から差せる組から選んだほうがベターだと思われる。
【レース総論】フィリーズレビュー(G2) 過去10年
・レースの要所!
★4〜6番人気や7〜9番人気が絶好調。積極的に穴馬を狙っていきたいレース。
★勝率や単勝適正回収値は内枠が、複勝回収値やギャップ値では外枠が優秀。
★コースデータよりも前々で粘れる印象だが差しも決まる。組み合わせ次第。
★芝1600mからの距離短縮組が好成績。社台F生産馬の強さにも注目したい。
レースの平均配当は、単勝1228円、馬連1万663円、3連複4万3690円という「超」高水準。それなりに順当な決着となった年もあるにはあるが、人気薄が上位に食い込んで高配当が出た年のほうが圧倒的に多い。人気別成績を見ても、1番人気が勝ったのは過去10年でたったの2回で、4〜6番人気や7〜9番人気が絶好調。ふたケタ人気の超穴馬も、けっして侮れない面がある。
枠番については判断が難しいが、勝率が8.3%と高く単勝適正回収値も優秀なのが、内枠である馬番1〜6番。ギャップ値もプラス圏で、コースデータと同様に内枠有利の傾向にあると考えていい。ただし、外枠である馬番13〜18番も侮れず、複勝率や複勝回収値の高さはこちらのほうが上だ。もっとも成績不振なのは中枠で、これは阪急杯とほとんど同じ傾向。揉まれやすいことや、この時期の馬場が大きく影響しているのだろう。
脚質もコースデータ同様の傾向で、先行勢と中団待機組の成績が拮抗している。複勝回収値は先行勢が186と非常に高いのだが、単勝適正回収値が108.7と高いのは中団待機組のほう。後方待機から伸びてきた馬もそれなりに馬券に絡んでおり、脚質による有利・不利があまり感じられない結果となった。このデータからは「差し→先行」での決着がもっともイメージしやすい。
次に前走距離別成績だが、こちらは芝1600mからの距離短縮組が[7-7-6-55]で複勝率26.7%、複勝回収値171と明らかに好成績。昨年は前走芝1400m組が上位を独占したが、単純にこの組の出走頭数が多かったという理由もありそう。前走芝1200m組が全滅していることから考えても、やはり前走芝1600m組を重視すべきだ。
そして前走クラス別では、阪神ジュベナイルFからのローテで出走した馬が好成績。2009年のレディルージュ(15番人気3着)や2014年のニホンピロアンバー(13番人気2着)のように、大敗から巻き返したケースも見受けられる。さすがに新馬や未勝利からでは厳しいが、前走が500万下〜G3ならば大きな成績差はなく、前走レースの「格」はそれほど問われないイメージである。
最後に「小ネタ」をひとつ。ノーザンファーム生産馬が「この世の春」を謳歌している状況だが、じつはフィリーズレビューは[1-2-0-25]で複勝率10.7%、複勝回収値23と、思いっきり成績不振。対照的に絶好調なのが社台ファームの生産馬で、昨年1着のリバティハイツ、2017年1着のカラクレナイ、2016年2着のアットザシーサイド、2015年1着のクイーンズリングと、4年連続で勝ち負けしている。今年も注目である。
【血統総論】 血統面は、ダイワメジャーなど5種牡馬の産駒をプラス評価の対象とした。今年の出走予定馬では、ロードカナロア産駒が注目株となりそうだ。勝率の高さは14.6%とトップクラスで、複勝率35.4%と、3回に1回以上の確率で馬券に絡んでいるのだから大したもの。意外なところでは、ハーツクライ産駒やブラックタイド産駒も好成績だ。
★フィリーズレビュー・総論×各論 特別登録が出る前の段階でも、フルゲートをゆうに超える頭数が出走を予定している今年のフィリーズレビュー。収得賞金400万円でエントリーする馬は、けっこう狭き門となりそうな気配だ。人気の中心は、重賞での好走実績のあるアウィルアウェイ、ホウオウカトリーヌあたりだろうが、それでも一本かぶりにはならないはず。今年も波乱の気配がプンプン漂っている。
文句なしに「買い」といえる馬は見当たらず、かなり一長一短あるメンツという印象。そこで少しだけ抜け出しているのが、前走で東京の春菜賞を快勝した
ココフィーユだ。前走芝1600m組でないのが残念だが、2走前のベゴニア賞で芝マイルは既にこなしており、3走前の京王杯2歳Sで重賞も経験済み。ロードカナロア産駒であることや、鞍上が乗り替わり想定であること、社台ファーム生産馬であることなど、買い材料はかなり豊富である。中穴人気になってくれれば、なおさら面白い。
二番手評価に
ホウオウカトリーヌ。前走が芝1600mのフェアリーSであるというのは大きな強みで、中団から差す競馬で結果を残せたのもプラス。芝1200〜1400mを主体で使われている馬で、中山で好成績をあげていることから、阪神の内回りにも適性がありそうだ。安定感はピカイチで、こちらは大野騎手が継続騎乗の予定。乗り替わり組が強いのは承知の上で、それでも買いたくなるだけのモノを備えている1頭である。
三番手評価に
レッドアネモス。阪神ジュベナイルFでは9着、紅梅Sでは4着とオープンに上がってから結果を出せていないが、ここならば巻き返せる可能性が十分にある。社台ファーム生産馬で、今回は岩田康騎手に乗り替わる想定だ。四番手評価に、その紅梅Sで2着だった
プールヴィル。阪神ジュベナイルFが5着で紅梅Sが僅差の2着と、ここでは実績上位である。父Le Havreだが持込馬で、生産はこちらも社台ファーム。初重賞制覇も期待できるプロフィルの持ち主といえる。
以下はキュールエサクラ、アズマヘリテージ、アウィルアウェイ、ラブミーファイン、マジックリアリズム(抽選対象)という評価の序列だが、いかんせん人気が読めない。波乱傾向の強いレースであるのは繰り返しお伝えした通りで、ここは穴馬を狙ってナンボ。また、先行勢が多く外差しが決まる組み合わせになりそうなのも、予想に際して意識しておきたいポイントである。
■総論×各論・先々週の馬券回顧
スマートオーディンは買いづれえぞ(#^ω^)ビキビキいやまあ、京都金杯が「最速上がりで0秒4差」ならば、確かに見直す手はあったかもしんないけれども! ホントに波乱傾向が強いコースだなあ……と再確認した次第。この教訓が、今週のフィリーズレビューで生かせることを祈ろう。じつはそういう理由もあって、金鯱賞ではなくこちらを選んでいたりする(秘密)。
※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!