▲「2019年は皇成がくる!」トップジョッキーが認めた進化に迫る (C)netkeiba.com
平成と令和をまたいでの掲載となる今回の『with 佑』。平成元年生まれの三浦皇成騎手をゲストにお迎えしてお届けしています。現在、熾烈な関東リーディング争い真っ只中の三浦騎手。今年のこの活躍を関西のトップジョッキーたちは予言していたと言います。今の三浦騎手は何が違うのか…C.ルメール騎手が認めた三浦騎手の変化とは。
(取材・文=不破由妃子)
ルメール騎手から学んだレース中の柔軟さ
──昨年、佑介さんがデビュー15年目にしてGI初制覇。皇成さんも触発されたところがあるのでは?
佑介 ウルッときたって言ってたよな(笑)。
三浦 ウルッとどころか…。涙しましたよ、ホントに。自分のことのようにうれしかったです。GIを勝っていないことについては僕も散々言われていますけど、同じように佑介さんが言われているのもわかっていましたから。そのつらさは本当にわかるし、かといって焦ったところでどうにもならない。まるで迷路ですよね。
佑介 正直、コンプレックス以外のなにものでもなかったよ。だって自分が一番思ってるんだもん、「なんで勝てないのかな」って。何がいけないのか、本当にわからなかったし。
▲2018年のNHKマイルCをケイアイノ―テックで勝利した佑介騎手 (撮影:下野雄規)
三浦 わかります。どうしたらいいのかわからないし、どうやったら勝てる馬に巡り合えるのかもわからない。でも、そういう迷路のなかで、佑介さんはちゃんと出口を見つけた。ものすごく感動したし、なんか自分にも光が見えた気がしたんです。もしかしたら、僕にもできるんじゃないかって。
佑介さん、一昨年の年末くらいからガラッと競馬のスタイルが変わりましたよね。勝ちにこだわる競馬の組み立て方というか、勝利への嗅覚が前とは全然違うなと思って見ていたんです。自信を持って乗っているのがすごく伝わってきて、なにかきっかけがあったのかなって。
佑介 それまでは、普段の人間関係の延長で乗せてもらおうみたいな、どこか甘い考えがあったような気がする。でも、外国人ジョッキーが勝つようになって、そのあたりがすごくドライになってきたでしょ? このままでは通用しないなと思ったし、勝負の世界である以上、ドライに選択されて当然というか、それがジョッキーとして本来あるべき姿なんだなと思った。
もちろん、人格も伴っているのがベストだとして、「アイツ嫌いだけど、乗せれば勝つから乗せよう」と思われるのが究極だなって。
三浦 それは究極ですね。