▲なんせ“働くオジサン”やから(笑)
今週の『太論』は、直近のレース回顧です。「なかなか勝ち負けまでいかんなぁ」と嘆き節の小牧騎手ですが、「久々に心地いい疲れが残った」という見せ場十分のレースもありました。また、今年は地方交流レースにも積極的に参戦している小牧騎手。その原動力やいかに!?(取材・文:不破由妃子)
働くオジサン、チャンスがあればどこにでも!
──小牧さん、ずいぶん日に焼けていらっしゃいますね!
小牧 そうやろ? ゴルフに行った影響もあるけど、日曜日(5月5日)の競馬でさらに焼けたわ。久しぶりにようけレースに乗ってね。ずっと外にいたようなもんやから。
──確かに一日8鞍は久しぶりでしたよね。しかも、昨日は笠松の交流(若鮎賞)に行かれて(ニホンピロファルコ3着)。お忙しいですね。
小牧 我ながら、よう働いてるわ。最近は地方交流にも積極的に行ってるしね。
──そういえば、「今年は地方交流戦によく行かれていますが、何か心境の変化があったのでしょうか? 小牧騎手は、あまり地方には乗りに行かないイメージがあったので…」という質問がきていました。
小牧 ああ、ほとんど行ってない時期もあったね。最近は普段からお世話になっている服部厩舎の依頼やから、少しでもチャンスがあればどこにでも行こうと思ってる。交流で乗る馬の斤量が軽いと体重調整が難しくなるけど、そんなこと言ってられへんからね。糖質ゼロのエナジードリンクを飲んで頑張ってるよ。なんせ“働くオジサン”やから(笑)。
──ではさっそく、そんな“働くオジサン”の奮闘ぶりを振り返っていきたいと思います(笑)。
小牧 コンスタントに乗れてきているけど、なかなか勝ち負けまでいかんなぁ。
──5月4日のスズカフューラー(京都9R・鴨川特別)は4着でしたが、勝ち馬からコンマ1秒差と際どかったですよね。スローと見るやいなや、自らレースを動かしていって。
小牧 ああ、あのレースは久しぶりに「これは…!」と思ったんやけどねぇ。最後は脚色が一緒になってしまったわ。やっぱりあれくらいの接戦になると、追い応えがあるね。久しぶりにしんどかったわ(苦笑)。
──観ているほうも力が入りました。
小牧 僕もホンマに必死やったで。どんな競馬でも一生懸命に追うのは当たり前やけど、道中から動いていって、なおかつあそこまで接戦になると、おのずと体の使い方が違ってくるんやろうね。久々に心地のいい疲れが残った。そういう競馬をもっと増やしていかないとアカンね。
──スズカフューラーには前走の蓬莱峡特別で初騎乗(8着)。その前走は、2番枠から内々でジッとして…という競馬でしたが、今回は前走で得た感触を生かした形ですか?
小牧 そうそう、ジックリ乗っても思うように伸びなかったからね。だから、構えすぎてもダメやと思って、今回は展開次第で動こうとは思ってた。それに、1、2コーナーで行きたがったでしょう。ペースは遅いし、誰も動く気配がなかったから、ここだと思って動いていきましたわ。馬はよう走ってくれたと思う。僕もそうやっていろいろ考えながら乗ってるんだけどね。
──あとは、ダンサクドゥーロに注目していましたが、後方追走から6着(5月4日・京都12R)。とはいえ、3着馬とはコンマ2秒差ですから、脚は見せてくれましたよね。
小牧 ん〜、ちょっとズブくなっていて、スタートで動いていけないね。厩舎もゲート練習に力を入れてくれているんやけど、なかなか思うように位置を取りにいけん。逆にいうと、乗りやすくはなったんやけどね。今なら外を回っても大丈夫やし。
──そうなんですね。ユーザーからもこんな質問が。「ダンサクドゥーロを応援しています。以前、力はあるけど難しいとおっしゃっていましたが、どういう特徴のある馬なのですか?」。
小牧 少し前までは行きたがる面があったし、左にモタれていたんですわ。でも今は、外に張る癖がだいぶ解消されてきてね。そのあたりはハミを替えた効果が大きいかもしれん。そうやって良くなってきている部分もあるから、あとはゲートを出てくれれば面白い競馬ができると思うんやけどなぁ。前にも話したけど、このクラスを勝ち上がる力は持っているから。
──人気を問わず、引き続き注目ですね。
小牧 うん、楽しみがある馬やね。そういえば、今週の日曜日のメイン(栗東S)では、久しぶりにローズプリンスダムに乗るよ。
──2017年の鳳雛Sを10番人気で勝った馬ですね。
小牧 うん。実績は1800mに集中しているけど、そのあとレパードSを勝っているように力のある馬。2年ぶりの騎乗になるけど、色気を持って一発狙っていきますわ。
一日8鞍に騎乗で日に焼けた小牧騎手