■エプソムC(G3・東京芝1800m)
【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口 詳しくは後述するが、とにかく「堅い」のがエプソムC。人気サイドは強いというのは、レースだけではなくコースの特徴でもあり、なかなか穴党泣かせな条件といえるだろう。極端な穴狙いは禁物のレースで、手堅くしっかり的中させるのがここは大事。あとは、この時期特有の「前有利」と「内有利」が継続している印象が強いのも、しっかり意識しておきたいポイントだ。
そして特注データとしては、関西所属騎手のアホみたいな強さを取りあげる。関東のレースでもあり騎乗数は少ないのだが、過去10年のトータル[7-5-3-17]で連対率37.5%、複勝率46.9%、単勝適正回収値168.8、複勝回収値100という成績は、まさに圧倒的。外国人騎手も強いが、このレースにおける活躍はそれ以上といえる。関東馬であろうが関西馬であろうが、関西のジョッキーが騎乗している馬は高評価すべきである。
現時点で動向が把握できているのは、ソウルスターリングに継続騎乗予定の武豊騎手と、ソーグリッタリングに乗り替わり騎乗予定の浜中騎手。それ以外の馬でも関西所属騎手は騎乗すると思われるので、これは必ずチェックしておきたい。このレースの大きな割引材料である「斤量減」に該当しない馬で、さらに前に行けるタイプであれば、なおさら期待できるはずだ。
【コース総論】東京芝1800m Cコース使用
★1番人気など、人気サイドが強いコース。7〜9番人気の中穴ゾーンも狙い目。
★基本的にはフラットだが、「やや内」である馬番5〜8番は好内容で要注意。
★ハッキリと差し優勢のコース。中団待機組は信頼度だけでなく回収値も高い。
1〜2コーナーの間にあるポケットから出走して、バックストレッチへ向けて「ナナメ」に進入する東京芝1800m。やや特殊なコース形態ではあるが、東京芝2000mとは異なり、内枠有利というイメージはそれほどない。「府中の千八展開いらず」という古い競馬格言があるほどで、非常にフラットな特性をもつ東京芝1600mに近いイメージである。
実際に人気別成績を見ても、強いのは明らかに人気サイド。高信頼度かつ高回収値である1番人気を筆頭に、上位人気の強さが目立っている。7〜9番人気の中穴ゾーンもなかなかの内容だが、ふたケタ人気になると期待値は大幅低下。極端な穴狙いは避けたほうがいいコースといえるだろう。
枠番もおおむねフラットで、枠番の内外による極端な成績差は見受けられない。ただ、「やや内」である馬番5〜8番は間違いなく好内容で、勝率・連対率・複勝率のいずれも頭ひとつ抜けている。回収値ベースの数値も高いことから、ここに入った馬だけは少しプラスに評価したいところである。
最後に脚質だが、こちらはハッキリと差し優勢。先行勢よりも中団待機組のほうが高信頼度で、上がり上位馬の成績も優秀だ。単勝適正回収値や複勝回収値が「中団待機組>先行勢」となるコースは非常に少なく、中団からキレのある末脚を繰り出せる馬はかなり有利なはず。ただし、後方一気となるとさすがに難しい。
【レース総論】エプソムC(G3) 過去10年
・レースの要所!
★5番人気以内[10-9-4-27]と順当決着傾向が非常に強いレース。大振り禁止。
★コースデータよりも格段に内枠有利。馬番1〜4番はそれだけで買えるほど。
★先行勢が好成績で逃げた馬も半数が馬券絡み。前残り決着に注意すべきか。
★年齢別では4歳馬が絶好調。前走から斤量減となる馬は人気でも過信は禁物。
レースの平均配当は、単勝469円、馬連1347円、3連複9422円という目を疑いたくなるほどの低さ。5番人気以内馬がトータル[10-9-4-27]と非常に強く、対照的に7番人気以下は[0-0-4-104]と、3着にくるのが精一杯という、かなり極端な結果となっている。中穴すらも狙いづらいので、高配当を狙ってブンブン振り回すのは愚の骨頂。手堅く攻めるべきレースである。
あとは、日本ダービー週からの「内&前有利の馬場」が、この週になっても継続しているのも大きな特徴。Cコース替わりから3週目で、さすがにそろそろ是正されそうなものだが、まだまだ影響が色濃く感じられる。枠番別成績もハッキリと「内>外」で、馬番1〜4番は単勝適正回収値136.5、複勝回収値106、ギャップ値プラス1.2という「超」好内容をマーク。できれば馬番は「真ん中よりも内」を引き当てたいところだ。
そして脚質も、コースデータよりも格段に先行勢優勢。逃げた馬の半数が馬券に絡んでいるという、東京芝とは思えない結果が出ている。少頭数で行われた年が含まれているとはいえ、先行勢と中団待機組で信頼度に2倍以上の大差が出ており、上がり上位馬の信頼度もイマイチ。このあたりは当日の馬場バイアスにもよるが、安田記念でも前が残るようであれば、ここも前残りとなる可能性が高いはずだ。
年齢別では、4歳馬が[7-5-2-18]で連対率37.5%、複勝率43.8%という素晴らしい成績を残している。3歳馬の出走が少ないので断言まではできないが、基本的には「若い馬のほうが強いレース」であるはず。イキのいい4〜5歳を中心に考えたい。前走クラス別では前走G2組が好成績だが、この組が少なそうな今年は、前走の「格」が問われないレースとなりそう。おそらく、前走が3勝クラス(1600万下)だった馬でも通用する。
最後に、前走からの斤量増減別でのデータを紹介しよう。だいたいのレースでは「人気馬が強い=実績馬が強い」ものだが、どうやらエプソムCは例外の様子。前走から斤量増となる馬はトータル[1-3-1-52]で連対率7.0%、複勝率8.8%と、低調な成績に終わっている。別定戦なので斤量を気にする人は少ないだろうが、じつはここは斤量増減なしの馬や斤量減となる馬を狙ったほうがいいレースなのである。
【血統総論】 プラス評価の対象としたのは、キングカメハメハ、ヴィクトワールピサ、ルーラーシップの産駒。ディープインパクト産駒も強いのだが、メチャクチャ強いというほどではないので、あえてプラス評価の対象からは外した。ステイゴールド産駒が多く出走してきそうだが、信頼度や回収値の高さは「並」程度。もし登録があるならば、回収値ベースの数値が高い、ヴィクトワールピサ産駒やルーラーシップ産駒を狙ったほうが面白そうだ。
★出走予定馬 総論×各論 レイエンダやブレスジャーニーなど、前走で東京のメイSに出走していた組が多数出走してきそうな、今年のエプソムC。それ以外の組では、前走新潟大賞典で2着に好走しているミッキースワローあたりが注目となるが、どの馬も一長一短で、かなりの混戦模様となりそうな雰囲気である。
出走予定馬、鞍上想定がしっかり把握できていない段階の話ではあるが、いかにもスローペースとなりそうな組み合わせ。しかも、内枠有利&前有利の傾向が強いレースであるのは、前述した通りだ。ある程度は前のポジションが欲しいところで、枠番も「真ん中よりも内」を引けるかどうかが超重要。上位人気が非常に強いレースであるのも、しっかり意識しておきたい。
現時点でのトップ評価は
ソーグリッタリングだ。六甲S、都大路Sとリステッドを連勝中で、勢いはピカイチ。前走も完勝といえる強い内容だった。今年は4歳馬の出走が少なくなりそうなので、相対的に「まだ若い部類」である5歳馬に追い風が吹きそう。中団よりも前のポジションを取ろうと思えば取れるのも、ここでは大きな強みといえる。
二番手評価に
ダノンキングダム。前走で3勝クラスを勝ち上がってオープン入りと、実績面では見劣るが勢いがある。逃げた馬が高確率で残っているのを考えると、ハナに行くことも可能な本馬の脚質は大きな魅力。関西のジョッキーが騎乗するようならば、さらに期待できるはずだ。相手は一気に強化されるが、それでも買いたい1頭である。
三番手評価に牝馬の
ソウルスターリング。2歳〜3歳春に見せていた輝きを考えると不思議なほどの現状だが、前走のヴィクトリアマイルは久々で、そこを叩かれての上積みは確実にあるはず。気分よく好位を追走するようなレースができそうな組み合わせであるのも、復活が期待できそうな理由のひとつだ。
■総論×各論・先々週の馬券回顧
3連複なら大儲けやないかーい(#^ω^)ビキビキウマい馬券での予想も07ダノンキングリーを1着に決め打っていたので、そりゃあもう叫びまくりでしたが……01ロジャーバローズを差せそうで差せないんだもんなあ(絶句)。展開も読み切っていたのに、それでもなかなか「1着」では買えないヨネ。あともう少し、ホントにもうちょっとだけ足りなかった、そんな今年ダービーでございました。
※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。