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セラピーホースのエース・プレストシンボリ(2)ヒポトピアで暮らす仲間たち

  • 2019年07月02日(火) 18時00分
第二のストーリー

▲茨城にあるヒポトピアで暮らすプレストシンボリ(撮影:佐々木祥恵)


コンビニで馬とコーヒーブレイク?


 千葉の乗馬クラブ時代のプレストシンボリ(セン27)と小泉さんが散歩がてらよく立ち寄っていたのが、コンビニエンスストアだった。

「昔、日本縦断馬の旅というのをしたことがあって、馬でどこかに行くというのがすごく好きなんです。行く先々で皆が見てくれたり、馬のことを知ってくれるきっかけになるのかなと思うんですね。しかもそれがぷーちゃん(プレストシンボリの愛称)だったら、もしかすると競馬好きのおじさまが、あのプレストシンボリかい?ということもなきにしもあらずですし、そういう出会いを楽しんでいます」

 実際コンビニでプレストシンボリを知っている競馬ファンに出会ったこともあるという。

「私のお父さん世代くらいの方に競走馬だよね? と聞かれたんですよ。元競走馬で意外と有名だったんですよと答えたら、おじちゃんは詳しいんだよという話になって、ぷーちゃんの名前を明かしたら、知ってる、馬券買ったことある、すごい! って仰っていました」

 コンビニでは人との出会い以外にも、コーヒーブレイクという楽しみがあった。

「初めはぷーちゃんをポールに繋いで店内に入ってコーヒーを買っていたのですが、そのうち店員のお姉さんも面白がってくれて、私がぷーちゃんに乗って店の前まで行くと、お姉さんが代金をもらいに来てくれて、コーヒーを入れて持ってきてくれるようになりました。その時に触ったり、写真を撮ったり、コンビニの宣伝にも使っていたみたいですよ」

 その馬の持って生まれた性格もあるのだろうが、敏感と言われる元競走馬が普段暮らしている敷地内から出て、車や物音などに動じず闊歩できるのだと話を聞いていて新鮮だった。茨城へと拠点を移してからも、たびたび小泉さんとともに外乗に出かけているプレストシンボリだが、近くにコンビニがなく、コーヒーブレイクを楽しめなくなったのは残念なことの1つのようだ。ただ今後も馬たちとどんどん外に出て行きたいとは考えているようだ。

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北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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