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▲ユーザーからの質問に小牧騎手がお答えします!
今回は、「展開」と「枠順」にまつわる質問を2つほどピックアップ。「絶対にペースが速くなるなと思うのはどんなケース?」「最後入れの大外枠は有利?」などなど、馬券検討に欠かせない要素について、小牧騎手がジョッキー目線で答えます!(取材・文:不破由妃子)
行く馬が揃っていても、ペースが遅くなるケースとは!?
──今回はファンの予想に役立ちそうな質問を2つほどご紹介します。まずは展開についてのこんな質問から。「この春の小牧騎手は、後方からの競馬で穴をあけていましたね。そういうケースでは、やはり展開を読んだうえで狙っていたのでしょうか? また、レースの作戦を考える際、これは絶対にペースが速くなるなと思うのはどういったケースですか?」。後方からの競馬で馬券に絡んだといえば、5月19日のイチザティアラ(12番人気3着)や5月25日のスズカフューラー(9番人気3着)ですね。
小牧 もちろん狙っている場合もあるけど、イチザティアラのケースでは、ひとつでも上の着順を…と思って乗っていたら、こっちが思っていた以上の脚を使ってくれたっていう感じかな。スズカフューラーは、前にも話したけど、前走(鴨川特別)で掛かったから出していかんかった。あとは流れのなかで判断したことやね。要するに、ケースバイケース。質問にあるように、今回は速くなりそうやな…と思って控える場合ももちろんあるよ。
──ハイペースと判断する際、その材料となるのは、やはり前に行きたい馬の頭数ですか?
小牧 ん〜、そこは難しいところやね。たとえば、「今回は前に行く馬ばっかりやなぁ」と思ったとするでしょう。でも、最初のコーナーまでにそのうちの2頭でガッチリ隊列が決まれば、逆に遅くなる場合がある。一度隊列が決まったら、みんななかなか行かれへんからね。前に行きたい馬たちが揃って五分のスタートを切ったらダーッと速くなるんやけど、そのうちの1頭が好スタートを決めた場合も、逆に落ち着いた流れになったりするしね。だから、ペースを読み切るのは本当に難しい。
──たしかに、ハナを巡っていつまでも競り合うこと自体、あまりないですものね。
小牧 ないない。隊列が決まったらもうお互い様やから、普通は競り合わんからね。
──逃げたい馬の枠順などもペースの予想に関係してきますか?
小牧 ああ、それもある。自分が逃げる側の場合、外に入ったらちょっと嫌やなぁと思うんやけど、なぜかというと、外枠からだとみんなよりちょっと余分に促さなくちゃいけないから。促しながら内の馬たちを威嚇するというか、自分が行くんだっていう意志を見せなアカンから。そういう場合、相手がすぐに引いてくれたら楽にペースが落ちるけど、引いてくれない場合はペースが速くなるよね。だから、絶対に逃げたい馬が外枠に入った場合、そういう展開も見越してペースを考えたりするね。
──なるほど。あとは、逃げたい馬に誰が乗っているかも考慮しますか?
小牧 そうやね。減量のある子が逃げ馬に乗ってきた場合、調教師からの指示があるから、なかなか引きづらいやろうなとは思う。だから、そういう心情を踏まえてプランを立てたりするし。ただ、ペースを読むのはホンマに難しいよ。もちろん考えるには考えるけど、出てみないとわからんていうのが正直なところやね。
──続いての質問です。「スタートでは、奇数番枠の馬→偶数番枠の馬→大外枠の馬の順にゲートに入りますが、ゲート内で待たされないぶん、スタートに関しては大外枠が有利と考えていいのでしょうか?」。
小牧 いやぁ、大外枠は基本的に最後入れやからねぇ。最後入れって、躓いたりするケースが多いんですわ。なぜかっていうと、ゲートに入って馬がちゃんと踏ん張らないうちに開いてしまったりするから。
──なるほど。きちんと駐立させる間もなく開いてしまうケースがあると。
小牧 そうそう。ゲートは4本脚でしっかり駐立させた状態で出しなさいって教えられるんやけど、最後入れはなかなかそれがままならないケースもある。もちろん馬にもよるけど、僕はあんまり有利とは思わないかな。
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僕はあんまり有利とは思わんなぁ…