同じ中国の特別行政区にありながら対照的な雰囲気
いきなりですが、この原稿はマカオのホテルで書いています。とある会社が企画した香港&マカオツアーに競馬観戦会が組み込まれていて、私がそのガイド役を仰せつかって同行しているからです。
10日夜に香港・ハッピーヴァレーのナイター競馬を観戦、今は12日(金)夜のマカオ競馬を見に行く前の時間を過ごしています。もちろんツアーのお客様方は今夜もこちらに滞在しますが、私は13日(土)に福島競馬の中継があるので、マカオ競馬は2〜3レースくらいで切り上げ、つい最近開通したマカオと香港を結ぶ海上橋をバスで渡って香港国際空港へ移動。こちらの時間で深夜12時少し前の飛行機に乗って羽田に向かいます。
そして、13日朝5時過ぎに羽田に着いたら、浜松町、東京を経由して福島へ直行する予定。先月も英仏観戦旅行帰りで福島入りしましたが、今回はそれ以上にハードなスケジュールが設定されました(なにしろツアーコンダクターからお願いされちゃったもので)。さぁ、はたして今度も無事福島に到着できるでしょうか?
ところで、香港とマカオの競馬をご覧になった方ならおわかりとは思いますが、同じ中国の特別行政区にありながら、両者の競馬はとても対照的です。
香港の競馬は、JRAの競馬に比べてもヒケをとらないほど人気があり、馬券売り上げも相当なもの。競馬場は立派で場内は熱気があふれています。
一方、マカオの競馬は、ハッキリ言ってひと昔前に廃止になった日本の地方競馬場よりさらに黄昏れた感じ。マカオには、ご存じのとおり巨大なIR(大型カジノを併設した統合型リゾート施設)がいくつも立ち並んでいて、ギャンブルと言えばそちらが大人気ですからね。その陰で地味に行われている競馬には、独特の哀愁が漂っています。
実は、同じ香港の中でも、年末に国際競走が行われるシャティンと、水曜日のナイター開催がメインのハッピーヴァレーとでは、競馬の質がかなり違います。
簡単に言えば、シャティンは東京や中山の競馬で、ハッピーヴァレーは大井競馬のような感じ。ほとんどのグレードレースがシャティンで行われ、ハッピーヴァレーで実施される重賞は、(たしか)年に1つしかありません。
ということは、うまく旅行のスケジュールを組めば、香港とマカオで“表情”の違う競馬をいっぺんに3つ見られるというわけです。これはこれで、なかなかおもしろいと思いますよ。
とりあえず真夏をシーズンオフにする香港競馬は14日のシャティン競馬がオーラス。次のシーズンは8月末に始まる予定です。その間、マカオの競馬は毎週土、日曜に開催。暑い時期に人馬ともにタイヘンでしょうが、ひょっとするとこれは、香港の競馬好きを呼び込もうという作戦なのかもしれませんね。