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【佐藤哲三×小島友実】日本の馬場は世界一!? 今こそ高速馬場を考えよう(後編)

  • 2019年09月08日(日) 18時02分
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▲レコードが出ると、馬場造園課の方々は落ち込んでしまう!?(C)netkeiba.com


昨年のジャパンCでアーモンドアイがマークした2分20秒6の世界レコードや、本日開催された京成杯AHで1600mのJRAレコードが更新されるなど、速いタイムがでる度に話題となる“高速馬場”。ファンからは、「有力馬の故障の原因」、「海外の強豪馬の来日が遠のく」などの声が上がる中、「日本の馬場は世界一」と話すのが元JRAジョッキーの佐藤哲三さんだ。果たして、その真意は? そして騎手経験者が考える理想の馬場とは? 今回はJRAの馬場を15年以上取材している小島友実さんと共に、日本の馬場を徹底討論する。

(構成・文=小島友実)

騎手も馬を故障させないような騎乗技術を身につけるべき


小島 「騎手の馬の動かし方によって故障に繋がるケースもある」とはどういう事ですか?

佐藤 以前、あるレースであるジョッキーが直線で内に入ったんだけど、その進入するタイミングが早いんですよ。馬が態勢を整えられていないのに、入っている。その馬は結局、怪我をしてしまいました。もう少し待ってあげられたら良かったのにと思いましたね。

小島 競走馬の怪我には色々な要因があるという事ですね。

佐藤 競馬を行う以上、怪我をゼロにする事は不可能。馬の体調や体質も影響しますから。その中で僕は現役時代、馬が怪我してしまった際は自分の技術が足りなかったからだと反省して、怪我をさせない乗り方をもっと追求しようと考えましたね。騎手の乗り方によって故障する率や箇所は変化すると思います。

小島 なるほど。あと、調教師に話しを聞くと「速い馬場で走った後は筋肉に疲労が残りやすい」という意見があります。確かに最近は疲労を残さないために前哨戦を走らず、いきなり本番がGIというケースが増えました。

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▲取材で実際に「速い馬場で走った後は疲労が残りやすい」という声も聞いたという(C)netkeiba.com


佐藤 筋肉に疲れが残りやすいというのはあるでしょうね。でもそれがダメだとは一概に言えないと思う。と言うのは、速く走るために普段は使っていない、いわゆるレース筋肉みたいなものが鍛えられているかもしれない。だから、その疲れを早くとってあげるのも調教師や牧場の腕の見せ所なんじゃないでしょうか。その技術や状態の見極めが現代競馬の新たなテーマになってきていると思います。

理想の馬場とは?


小島 改めて、哲三さんが考える理想の馬場を教えて下さい。

佐藤 芝丈が短くて、時計がでて、デコボコがない均一な状態。こういう馬場が好きですね。

小島 それはなぜですか?

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