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【スプリンターズS】人気馬からのヒモ荒れを狙い撃て!

  • 2019年09月22日(日) 18時00分

■スプリンターズS(G1・中山芝1200m)フルゲート16頭/登録19頭


★3行でわかる!スプリンターズS 攻略の糸口

1. 鞍上の乗り替わりは大マイナス。継続騎乗組を重視!
2. ヒモ荒れ傾向が強い。7〜9番人気は絶好の狙い目!
3.若さがプラスに働くレース。脚質は好位差しがベスト!

データ特注推奨馬
★ダノンスマッシュ


 秋のG1シリーズ開幕戦となる、中山でのスプリンターズS。その最大の特徴といえるのが、鞍上の「乗り替わり」が大マイナスとなる点だ。一昔前よりも鞍上のスイッチが積極的に行われるようになっている昨今だが、このレースで鞍上が乗り替わった馬は、トータル[0-1-5-46]で連対率1.9%、複勝率11.5%という信頼度の低さ。6番人気以内馬であっても[0-0-0-10]と全滅しており、「人気薄のほうがまだ買える」という結果である。

 対照的に継続騎乗組は高信頼度で、「連対馬=継続騎乗組」と考えてもいいほど。人気サイドでは高信頼度で上位に食い込んでおり、6番人気以内に限った場合の単勝適正回収値も104.6と優秀。7番人気以下でも7回の馬券絡みがあるように、こちらは人気でも穴でも買いやすい。鞍上が乗り替わる馬がまったく買えないワケではないが、どちらを重視すべきであるかは一目瞭然だろう。

 あとは、非常にヒモ荒れ傾向が強いレースであるのも、絶対に覚えておきたい特徴のひとつ。昨年もそうだったが、「上位人気馬が勝って2〜3着に人気薄が突っ込む」という決着パターンが非常に多い。3着馬に至っては人気薄しか来ないといっても過言ではないほどで、これを意識することで買い目はかなり絞り込めるはずだ。

 また、「歴戦の古豪」が意外に弱く、若くてフレッシュな馬が好成績を残しているのも、押さえておきたいポイント。成績のよさが目立っているのは、4歳馬やレースキャリア11〜15戦の馬だ。使い減りを避けるようなローテーションが組まれるようになった近年は、とくにこの傾向が強まっている。とくに1着馬に関しては、これらの条件を満たす馬から選んだほうがいいだろう。

【コース総論】中山芝1200m Cコース使用


★1番人気が高信頼度も相手は紛れる。人気薄では7〜9番人気の内容が優秀。
★「やや外」である馬番9〜12番が好成績。意外に内枠有利ではないので注意。
★スプリント戦らしく、完全に先行勢が優勢のコース。追い込むのは厳しい。





 外回りコースの、2コーナーから向こう正面に入ったところがスタート地点。そこから、ゴール前の急坂までは延々と下り坂だ。駆け下りることでスタート直後から加速できるので、自然と序盤〜中盤の流れは速くなる。そして、トップクラスのスプリンターは、そうそう簡単には止まらない。コース形態からも、先行勢優勢になって当然といえる。

 まずは人気別成績だが、1番人気は勝率36.8%、連対率50.9%、複勝率62.3%と高信頼度。回収値ベースの数値も優秀で、勝ちきっている点を高く評価できる。1番人気を積極的に買うべきコースといえるだろう。ただし、相手はけっこう紛れる印象で、こちらは7〜9番人気が絶好の狙い目。10〜12番人気も3着率はかなり高く、3連単や3連複のヒモで狙ってみるのもよさそうだ。

 中山芝なので内枠が有利と思ってしまいがちだが、馬番1〜4番の勝率がもっとも低いように、この認識はマチガイ。内容のよさが目立つのは「やや外」である馬番9〜12番で、単勝適正回収値が高くギャップ値の優秀だ。単純に内外を比較したデータでも「外>内」であり、外枠に入ったのを理由に評価を割り引く必要はない。

 最後に脚質だが、こちらはスプリント戦らしく明らかに「前」が優勢。中団からも差せるコースではあるが、逃げた馬が残る確率はかなり高く、逃げ〜先行勢を中心に馬券を組み立てたほうがいい。最速上がり馬よりも上がり2位の馬のほうが高信頼度というのも、前有利を裏づけるデータ。後方に置かれると厳しいのは、言うまでもないだろう。

【レース総論】スプリンターズS(G1) 中山過去10年(9回)

・レースの要所!

★3着馬はすべて7番人気以下。人気サイドからヒモ荒れを狙うのがオススメ。
★極端な差はないが、勝率や連対率は「外」、複勝率は「内」が高いレース。
★コースデータより差せるが逃げ残り多発。信頼度が高いのは外枠の差し馬。
★5歳以下馬やキャリアが浅めの馬が好成績。前走着差がゼロの馬も要注目。









 レースの平均配当は、単勝884円、馬連4658円、3連複2万7086円と標準的な水準。もっと荒れているイメージだったのだが、3番人気以内[7-5-0-15]と人気サイドがコンスタントに好走しているのもあって、平均配当はあまり高くならなかった。とはいえ、「ヒモ荒れ」の決着パターンが多いレースであるのは間違いなく、昨年も2着が11番人気のラブカンプーで、3着が13番人気のラインスピリットだった。

 面白いのが「3着馬がすべて7番人気以下」であること。これも、このレースのヒモ荒れ傾向を強めている要因だ。とくに目立っているのが7〜9番人気で、トータル[0-1-7-9]で複勝率は29.6%をマーク。コースデータで強かったゾーンでもあり、ここは今年も積極的に狙っていくべきだろう。そして、3回の連対例がある10〜12番人気も侮れない。

 枠番データは、なかなか判断が難しいところ。勝率や連対率が高いのは外枠である馬番13〜16番で、単勝適正回収値も129.7と非常に高い。対照的に、複勝率が高いのは内枠である馬番1〜4番で、こちらも複勝率22.2%、複勝回収値145と優秀な内容。ギャップ値がプラス1.1と非常に高いのもポイントだ。枠番によって極端に大きな差があるワケではないが、こういった傾向が出ていること自体は覚えておきたい。

 次に脚質面だが、こちらはコースデータよりも格段に差せている。とはいえ、逃げた馬の過半数が馬券絡みしているように、先行勢の強さもかなりのもの。勝率や連対率は中団待機組のほうが高いが、複勝率や複勝回収値は先行勢のほうが上と、その内容は拮抗している。最速上がり馬の不振や、後方待機組がトータル[0-0-2-43]と全滅に近い結果であることから、勝ち負けには中団よりも前のポジションが絶対に欲しいところだ。

 より深く分析するために、今回は枠番と脚質のクロス分析も行ってみた。逃げた馬は枠番を問わず好成績だが、大きく異なるのが中団から差した馬の成績。明らかに「外>内」であり、前を捌かずに済む外枠のほうがベターだとわかる。差し脚質の馬に関しては、外枠に入った馬のほうを重視したい。

 年齢別では、4〜5歳馬が好成績。6歳以上の高齢馬もけっこう馬券に絡んでいるが、トータルではやはり若い馬のほうが高信頼度だ。これはレースキャリア別成績からも明らかで、キャリアの浅い馬のほうが好成績であるのがハッキリと見てとれる。歴戦の猛者も侮れない面はあるが、若くてフレッシュな馬を重視したほうが好結果を呼び込めるレースであるのは、間違いない。

 最後に、前走での「着差」からの分析結果だ。スプリンターズSは前走「僅差で勝った馬&負けた馬」が非常に強く、回収値ベースの数値も超優秀。残念ながら今年の登録馬には「前走着差0秒0」の馬は見当たらないのだが、前走着差が小さい馬のほうが強いという傾向自体は活かせるはず。前走着差が0秒1だったダノンスマッシュ(勝ち)、リナーテ(負け)あたりは、高く評価したい。

【血統総論】


 血統面は、アドマイヤムーン産駒とハーツクライ産駒をプラス評価の対象とした。アドマイヤムーン産駒が見せているコース適性の高さは特筆に値するもので、昨年の勝ち馬ファインニードルもその産駒。このレースとは相性がイマイチのセイウンコウセイだが、ここで「三度目の正直」があっても驚けない。あとは、ディープインパクト産駒の信頼度が低いのも大きな特徴。出走数の多さもあって勝利数こそ2位だが、内容的にはかなり見劣るので注意が必要だ。

★出走予定馬 総論×各論

 有力候補の一角であるステルヴィオが回避。さらに、果敢に挑戦してきた桜花賞馬グランアレグリアも、ちょっと脚元がモヤッとしているようだ。こちらは執筆時点では出走する予定とのことだが、実際に出てくるかどうかハッキリするのは、来週になってから。ちょっと波乱の気配が漂ってきたような気配もある。

 こうなると、追い風が吹くのはダノンスマッシュ。キーンランドCからのローテは信頼度が低めではあるのだが、それを補ってあまりある買い材料の多さだ。川田騎手が継続騎乗予定であるのも、当然ながら大きなプラス材料。好位差しという安定感のある脚質や、キャリア13戦の4歳馬であることなど、臨戦過程をのぞくあらゆるファクターでプラス評価を獲得している。期待大の一戦となって当然だ。

 そして、二番手評価にタワーオブロンドン。セントウルSで見せた強さは驚異的なもので、前残りの流れを中団から一気の脚で差し切ってみせた。ただし、夏の函館開催から使われていることによる疲れがあっても不思議ではなく、鞍上が浜中騎手に乗り替わる予定であるのもマイナス。有力候補の一角であるのは間違いないが、ダノンスマッシュほどは信頼できない──というのが現時点での評価である。

 三番手評価に、人気薄のモズスーパーフレア。前走北九州記念組という好走例のないパターンではあるのだが、そこにだけ目を瞑れば、買い材料はかなり豊富。こちらもおそらくは松若騎手が継続騎乗のはずで、中山芝1200mのオーシャンSを逃げ切ったという実績からも侮れない。控えたほうがいいタイプではないので、道中のペースや組み合わせ次第ではあるが、狙ってみる価値が十分にある1頭といえるだろう。

 以下はミスターメロディ、グランアレグリア、ディアンドル、イベリス、ファンタジスト、リナーテ、レッツゴードンキという評価の序列。あとは、枠番と直前の人気次第である。7〜9番人気馬や「外枠の差し馬」などは評価をかなり上げる必要がありそうだが、それでもダノンスマッシュのトップ評価は揺るがないはず。ここから3連単でヒモ荒れを狙うというのが、現時点での青写真である。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



素直に買えば当たってたけどね(#^ω^)ビキビキ

 波乱傾向の強さを考えて、上位に評価していた馬から08ウィクトーリアと07アルティマリガーレの2頭を選んで流す→上位評価組だったダノンファンタジーが勝つという、キルトクール馬券が炸裂。まあ、3連単配当10700円なら獲ってもたいして儲かってないから、悔しくはない(負け惜しみ)。しっかしもう、複勝を買っても当たらないような気がするんですけどアタイ……。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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