▲今春引退を迎える師匠、作田調教師への思いを語ります (C)netkeiba.com
名手の引退、名伯楽の引退…この季節は競馬界の別れのシーズン。佑介騎手の師匠である作田誠二調教師も、3月3日付で引退されます。
2004年3月6日にデビューした佑介騎手。この年に35勝を挙げ、JRA賞最多勝利新人騎手を獲得。以降丸3年にわたり、作田厩舎で腕を磨きました。
いまや、騎手としての実力はもちろん、その人柄で幅広い競馬関係者から慕われている佑介騎手。その礎となった、師匠の教えに迫ります。
(取材・構成=不破由妃子)
「育てる」という覚悟を持って僕を取ってくださった
──師匠である作田誠二師が、今月いっぱいで引退を迎えます。作田厩舎にはデビューから3年間所属したわけですが、今現在、佑介さんにとって作田師とはどんな存在ですか?
佑介 フリーになってからだいぶ経ちますが、先生との関係性は所属していた頃と何も変わっていません。今も変わらず、見守ってくださっている感じです。
──フリーになってからも、師弟コンビでの出走が途切れることはなかったですものね。
佑介 はい。所属したとき、一番最初に先生に言われたんです。「俺の弟子としてここにきた以上、フリーになろうがどこに行こうが、どこまで行っても俺は師匠で、お前は俺の弟子だから」って。
だから、フリーになったときも、めちゃくちゃアッサリしていました(笑)。厩舎服を着なくなったくらいで、仕事の環境もそのままで。そもそも所属しているときから、厩舎の調教にはほとんど乗っていなくて。
──そうなんですね。デビュー間もない若手としては、珍しいケースですよね。