■スプリングS(GII・中山芝1800m)フルゲート16頭
★3行でわかる! スプリングS 攻略の糸口1.1勝クラスを速い上がりで勝ってきた馬は絶対に買い!2.大敗から巻き返せない一戦。前走3着以内が好走条件。3.完全に「前」有利で、やや「内」有利。波乱傾向は弱め。データ特注推奨馬 ★現時点ではなし 皐月賞のステップレースとして、これまで数々の名馬を送り出してきたスプリングS。中山芝1800mというタフなコースで、総合的な能力の高さが問われることになる。今年はかなり少頭数になりそうな気配で、波乱決着となる確率はかなり低そう。多頭数であれば人気薄の激走もけっこうあるのだが、今年は順当に決まりそうだ。
当然ながら、朝日杯フューチュリティSやホープフルSといった2歳GIからのローテで出走する有力馬が多いわけだが、活躍が目立っているのはその組ではなく、1勝クラスを勝っての昇級戦となる組。とくに、「1勝クラスを3位以内の上がりで勝ってきた馬」は、信頼度だけでなく回収値の高さも優秀で、文句なしに「買い」といえる内容である。
脚質は完全に前有利。これはレースだけでなく、コースデータでも同様の傾向にある。芝の中距離戦とは思えないほど前が強く、4コーナーを5番手以内で回った馬でなければ、勝ち負けにならないといっても過言ではないほど。枠番は基本的にはフラットだが、レースデータでは「やや内有利」との結果が出ている。
あとは、前走大敗からの巻き返しがきかないレースで、好走馬のほとんどが前走でも3着以内であるのも、押さえておきたいポイント。前走人気は気にする必要ナシだが、前走着順はしっかり確認しておく必要がある。
【コース総論】中山芝1800m Aコース使用
・コースの要所!
★人気馬の信頼度はマズマズ。中穴に妙味アリで少しひねって買うのが面白い。
★枠番の内外による成績差が小さいコース。外枠でも評価を割り引く必要なし。
★ハッキリと「前」優勢で、勝つには4コーナーを5番手以内で回りたいところ。
ホームストレッチにある急坂の手前がスタート地点。スタート直後に急坂を上ってから、1コーナーに進入する。コーナー4つなので器用さも要求されやすく、序盤〜中盤のラップ次第では最後は底力勝負になることも。末脚のキレだけで勝負してきたようなタイプには、ハッキリと向かないコースといえるだろう。
人気別成績では、「やや人気薄」のゾーンが好内容。上位人気でも、1番人気よりも2番人気のほうが内容はいい。4〜6番人気は勝率や単勝適正回収値が高く、ここを1着で狙ってみるのも面白そう。逆に7〜9番人気は、1着や2着は少ないが3着は非常に多く、複穴で狙うのがオススメ。ふたケタ人気の超穴馬も、激走率は高めである。
次に枠番だが、簡潔にいえばフラット。その証明となるのが、外枠である馬番13〜16番の高い連対率である。ギャップ値から推測するに内枠が過剰に売れている印象で、しかし実際は外枠でも何の問題もなし。その結果として発生しているのが、「枠番が外にいけばいくほど複勝回収値が高い」という事象なのだ。
最後に脚質だが、これはハッキリと「前」が強い。1着馬のほとんどが4コーナーを5番手以内で回っているように、前のポジションを取らねば勝ち負けに持ち込めないといっても過言ではない。上がり最速〜2位馬の信頼度や回収値が低めであるのも、前有利の裏付けとなるデータ。芝の中距離戦とは思えないほど、前を意識すべきコースである。
【レース総論】スプリングS(GII) 過去10年(9回)
・レースの要所!
★人気馬は相応に強いが多頭数ならば人気薄も侮れず。関東馬の強さも目立つ。
★脚質が前優勢であるのはコースデータと同じ。枠番は、内枠のほうがベター。
★前走4着以下馬は大幅割引。前走、1勝クラスで上がり上位だった馬は要警戒。
★馬格のある馬のほうが強い傾向。キャリア4〜5戦の馬もプラスに評価したい。
レースの平均配当は、単勝876円、馬連4170円、3連複7551円と、かなり低めの水準。順当に決まっているイメージではなかったのだが、1番人気で4着以下に終わったのは過去10年、2017年のサトノアレス(4着)だけだ。勝率はそれほど高くはないが、馬券に絡む確率の高さはかなりのもの。ここは、素直に信頼すべきだろう。
一発があるなら「多頭数の10〜12番人気」で、昨年も10番人気のエメラルファイトが1着に激走。ただし、今年の牡馬クラシック路線はどのレースも少頭数であり、スプリングSもそうなりそうな気配。出走頭数が12〜13頭以下となるならば、おそらく人気馬を「どう買うか」が問われるレースとなることだろう。
次に枠番だが、フラットだったコースデータとは違って、レースデータでは内枠有利の傾向にある。少頭数で開催された年も混じっているとはいえ、内枠である馬番1〜4番は高信頼度かつ高回収値と、文句なしの内容となっている。平均人気差を考慮しても、やや内枠有利という結論となりそうだ。
脚質別での傾向は、コースデータとまったく同じ。馬券に絡んだ馬の63.0%が4コーナーを5番手以内で回った先行勢で、それとは対照的に、4コーナー11番手以下だった馬は全滅。上がり最速〜2位馬の内容がイマイチであるのも、コースデータと同様だ。先行力や器用さ、持久力といった要素が、高いレベルで要求される一戦といえる。
有効に機能しそうなのが、前走着順からの絞り込みである。前走6着以下馬が馬券に絡んだ例は過去10年で一度もなく、ここで好走した馬のほとんどが、前走でも3着以内という結果を残していた。つまり、巻き返しがきかないレースということ。前走が朝日杯FSやホープフルSであっても、前走6着以下馬は「消し」がセオリーだ。
同様に注目したいのが、前走クラス別成績。フツーに強いのが前走GI組で、こちらは連対率33.3%、複勝率50.0%という優秀な結果を残している。そして「意外なほど強い」のが、前走で1勝クラスに出走していた組で、[5-4-3-30]で連対率21.4%、複勝率28.6%という優秀な内容。前走での上がり3F順位が3位以内だった馬に限れば、単勝適正回収値149.6、複勝回収値127と爆発力も素晴らしい。
あとは「大型馬が強い」のも傾向のひとつ。ここ4年ほどの勝ち馬は馬体重470キロ以下だが、大型馬であればあるほど複勝率が高く、回収値も高くなっているのがデータから見てとれる。また、レースキャリア別成績では、ここまでに4〜5戦を消化している馬の好内容が目立っている。該当馬は、評価をちょっとプラスしたい。
【血統総論】 血統面では、ディープインパクト、ハーツクライ、ヴィクトワールピサ、ロードカナロアの産駒をプラス評価の対象とした。ステイゴールド産駒やマンハッタンカフェ産駒も素晴らしい結果を残しているのだが、産駒がいないのでは致し方なし。連対率と複勝率トップのロードカナロア産駒は、過剰人気ではあるがコース適性の高さは文句なしで、産駒が今年も出走してくるならば要注目だろう。
★出走予定馬 総論×各論 クラシック路線を歩む素質馬の「使われ方」が変わってきているのを、重賞があるたびに実感する。特別登録前の段階で、出走の意向が把握できているのは、ヴェルトライゼンデ、サクセッションなど、わずか6頭である。さすがに特別登録馬はもっと増えるだろうが、それでもおそらく12〜13頭あたりか。オールドファンとしては、皐月賞への切符をかけてフルゲートでしのぎを削っていた時代が、少し懐かしい。
現段階でのトップ評価は、順当に
ヴェルトライゼンデ。中山芝2000mのホープフルSでコントレイルの2着に好走しており、ここまでの3戦ですべて最速上がりをマーク。ドリームジャーニー産駒らしい中山芝適性の高さは大きな魅力で、レースセンスのよさも光る。相手関係が楽なここで、不格好なレースはできないだろう。
二番手評価に
ファルコニア。「最速上がりで1勝クラスを勝利」しているのは大きなプラスで、キャリア4戦のディープインパクト産駒であること、好位からのレースもできることなど、買い材料はかなり豊富。人気がヴェルトライゼンデとサクセッションに集中するようならば、妙味もかなり出てくる。勢いに乗っての3連勝を期待したい。
三番手評価に
サクセッション。2走前のデイリー杯2歳Sは人気を裏切る結果となったが、年明けのジュニアCは余裕綽々で完勝と、その素質の高さを改めて見せつけた。ここは改めての試金石となる一戦で、それだけにルメール騎手が乗れなくなったのは痛いが、ポテンシャルは世代でもトップクラスのはず。人気になって当然の1頭だろう。
あまりにも出走予定馬が少ないので、名前を出すのは上位に評価したこの3頭だけにとどめさせていただく。ここから一気に登録頭数が増えたとしても、勝ち負けに持ち込めるのはこの3頭のはずで、さすがに逆転までは難しいと思われる。面白いレースをテレビやモニターの前のファンに届けるためにも、ガンガン登録してほしいものである。
■総論×各論・先々週の馬券回顧
……負けるならそのパターンよね(#^ω^)ビキビキ まったくもって素直に、大人気の04レシステンシアから馬連2点を買ったチューリップ賞。阪神ジュベナイルFの3着以内馬がそのまま上位を独占した……まではよかったんですが、その並び順が(悲鳴)。それにしてもキズナ産駒、条件を問わずによく走りますな。仕上がりも早いし、ヒトクチで狙ってみたくなります。
※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!