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【桜花賞】あの新種牡馬の産駒が大混戦を断つ!

  • 2020年04月05日(日) 18時00分

■桜花賞(GI・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録23頭


★3行でわかる! 桜花賞 攻略の糸口

1.近年は順当決着傾向。中穴は来るが大穴は来ない!
2.中枠が強い。内枠は低調な成績も過剰な割引は禁物。
3.差し・追い込み優勢。外国人騎手は最強クラスの強さ

データ特注推奨馬
 ★該当なし

 桜花賞というレースは、データ派にとってはなかなかの難物。なぜかといえば、「特徴がないのが特徴」だからである。強力な取捨選択材料となりうるレースデータは見当たらず、コースにもクセや偏りがない。チューリップ賞組や瞬発力タイプが強いというのも、誰もが知っているのでオッズに織り込まれてしまう。パドックや返し馬といったアナログな手法のほうが、いい馬券が獲れそうな気がしてくるほどだ。

 もちろん、データ的な傾向はある。近年の桜花賞は順当決着傾向が強いレースとなっており、ふたケタ人気馬の成績は壊滅的。ただし、7〜9番人気の好走率はかなり高く、積極的に狙っていく価値がある。また、人気サイドが強いが「1番人気よりも2〜3番人気のほうが好内容」というのも、押さえておきたいポイントといえる。

 枠番は、中枠である馬番7〜12番がメチャクチャ強い。対照的に低調な結果に終わっているのが、内枠である馬番1〜6番だ。とはいえ、人気のない馬が内枠に偏ったのがその大きな理由で、近年は内枠の人気馬がコンスタントに活躍。コース形態から考えても、内枠を大きく割り引く必要はないと思われる。本来は、外枠のほうが不利なコースだ。

 脚質については、かなり差し優勢。阪神ジュベナイルFやチューリップ賞もそうだが、末脚のキレが高いレベルで問われるレースとなることが多い。あとは、外国人騎手が素晴らしい結果を残しており、鞍上の乗り替わりがマイナスには働かないことも、覚えておいて損はないはず。「前走奇数馬番→今回偶数馬番」のパターンがやたらと強いという小ネタも、取捨選択に迷った際には役立ちそうである。

【コース総論】阪神芝1600m外 Bコース使用

・コースの要所!

★10〜12番人気の激走率が高めも基本的には人気相応に走る癖のないコース。
★外枠がやや不利だが、内枠有利ではない点に注意。極端に大きな差はない。
★中団からの差しも決まるがイメージほどではない。勝率が高いのは先行勢。





 バックストレッチのやや2コーナー寄り地点からスタート。緩やかな坂を上りながら3コーナーに進入するのもあって、序盤から速いラップが刻まれるケースは珍しい。しかし、勝負所からはペースが一気に加速。その区間は下り坂でもあるため、加速もつけやすい。かなり緩急のあるラップが刻まれやすいコース形態といえるだろう。

 まずは人気別成績だが、こちらは大きな特徴なし。1番人気の信頼度は「並」程度で、上位人気〜中位人気は、どのゾーンも人気相応に走っている印象だ。いちばん狙って面白そうなのは、大穴である10〜12番人気あたり。勝率2.8%、単勝適正回収値153.1という好内容で、波乱含みのレースならば思いきった穴狙いもできそうである。

 枠番データにも大きな偏りは見られないが、外枠である馬番13〜18番は信頼度がやや低く、回収値やギャップ値もイマイチ。コース形態からも外枠が有利になるとは思えず、こちらは少し割り引いて考えたほうがよさそうだ。だからといって、内枠が有利ではないので勘違いは禁物。内容的には、内枠よりも中枠のほうがいい。

 最後に脚質面について。外回りで最後の直線が長く、しかも急坂コースでもあるので「差し優勢」というイメージがあるが、実際はそうでもなさそう。勝率が高いのは圧倒的に先行勢で、中団待機組は2〜3着に取りこぼすケースが多いのである。「上がり最速馬よりも2位馬のほうが勝率が高い」のが、その裏付けだ。

【レース総論】桜花賞(GI) 過去10年

・レースの要所!

★人気サイドは強いが内容がいいのは2〜3番人気。穴なら7〜9番人気が狙い目。
★中枠が素晴らしい成績。内枠が低調な結果も実際はそこまで大差はないはず。
★コースデータよりも差し優勢で追い込みも決まる。前走芝1600m組を高評価。
★外国人騎手はかなりの強さ。継続騎乗と乗り替わりでの差がなくなってきた。









 レースの平均配当は、単勝940円、馬連3829円、3連複1万7123円。3連複平均だけはそれなりだが、馬連平均の低さはかなり目立つ。一昔前は、桜花賞といえば「波乱」がつきものだったが、近年はかなり順当決着傾向が強いレースと化している。ふたケタ人気馬が過去10年で2回しか馬券に絡めていないことからも、極端な穴狙いは避けたい。

 人気別では、人気サイドの好調さが目立つ。ただし、1番人気の信頼度は「並以下」であり、実際は2番人気や3番人気のほうが好内容だ。トータルで「上位人気が強いレース」ではあるのだが、1番人気の過信は禁物といえる。穴での狙い目は7〜9番人気で、なんと4〜6番人気よりも高信頼度。当然ながら、単勝適正回収値は194.3と非常に高い。逆に、信頼度が低いふたケタ人気馬に手を出すのは、かなりリスキーである。

 次に枠番について。近年の桜花賞で「内枠がメチャクチャ弱い」のは、よく知られるところだろう。実際、内枠である馬番1〜6番は、トータル[1-2-2-53]で連対率5.2%、複勝率8.6%というていたらく。ただし、平均人気の10.2という低さを考えると、ある程度は仕方のない結果ともいえる。弱いことは弱いが、大きく割り引く必要まではないのでは──というのが、個人的な印象だ。

 ひとケタ人気馬に限定した枠番データでも、中枠である馬番7〜12番が圧倒的な強さを見せている。しかし、単純に内外で比較したデータでは、かなり差が小さくなっているのが見てとれるだろう。それにここ数年は、一昨年のラッキーライラックに昨年のクロノジェネシスなど、内枠に入った人気馬が結果も出している。やはり枠番に関しては、「中枠の馬をややプラス評価」くらいの扱い方をしたほうがいいと思われる。

 コースデータとは大きく異なる結果が出ているのが、脚質面だ。勝率、連対率、複勝率のいずれも、4コーナーを13番手以下で回った後方待機組がトップ。単勝適正回収値82.9、複勝回収値83と、内容もけっして悪くない。また、上がり最速馬が[4-2-1-4]で勝率36.4%と優秀な結果を残しているのも、「差し&追い込み優勢」を後押しする。鋭い決め脚が大きな武器となるのは、間違いない。

 続いて、前走レースや距離について。チューリップ賞組の強さやフィリーズレビュー組の弱さは、もはや周知の事実なので、データは掲載しなかった。より厳密にいえば、桜花賞で強いのは「前走芝1600m戦組」で、トータル[9-9-7-74]と馬券に絡んだ馬のほとんどを占めている。もう、この組以外は基本的に消しといっても過言ではないレベルだ。

 騎手関連データでは、外国人騎手の強さが目立っている。数あるG1でもトップクラスの好成績で、日本人騎手が上位を独占したのは、近年だと2014年くらいのもの。今年も確実に上位へと食い込んでくることだろう。そして、鞍上の乗り替わりについては、とくに気にする必要なし。G1ではマイナスと捉える人も多いであろう乗り替わりだが、信頼度の差はほとんどなく、回収値は乗り替わり組のほうが高かったりする。

 最後に掲載したのは、アノマリー系のデータも含む小ネタ集。なぜこんなものを載せているかといえば、コレという「説得力のある偏り」を持ったデータが、今回サッパリ見当たらなかったからである。それだけクセのないコース&レースで、順当決着傾向が強いのも、ある意味納得。とはいえ、「そんなの知ってるよ!」という内容ばかりでは面白くないので、こちらを用意した次第だ。

 個人的なイチオシは「前走奇数馬番→今回偶数馬番」のパターンで、ひとケタ人気ならばトータル[5-5-3-13]で連対率38.5%、複勝率50.0%と高信頼度。回収値の高さも文句なしで、昨年は該当馬3頭のうち、シゲルピンクダイヤとクロノジェネシスが馬券絡みを果たした。過去10年の連対馬10頭のうち半数が該当しているのだから、今年も狙ってみて損はない……はずだ。

【血統総論】


 血統面では、エピファネイア産駒とキズナ産駒をプラス評価の対象とした。現3歳世代が見せている活躍は素晴らしいもので、とくにエピファネイア産駒が見せているコース適性の高さは「破格」。特定馬の複数回好走によって出されたデータではなく、バラバラの馬がガンガン穴をあけているのだから、データ母数が少ないとはいえ説得力は十分にある。デアリングタクトもおそらく、かなり高いコース適性を秘めているはずだ。

★特別登録馬 総論×各論

 今年はトライアルの上位馬がトラブルもなく、順調に桜花賞へと駒を進めてきそう。2歳女王レシステンシア、そのレシステンシアにチューリップ賞で逆転したマルターズディオサとクラヴァシュドール。アーモンドアイを彷彿させるローテでここに挑んできたサンクテュエールなど、本当に粒ぞろいのメンバーである。

 この上位拮抗の大混戦を断つと期待するのが、2戦無敗のデアリングタクト。前走のエルフィンSはまさに「圧勝」で、ポテンシャルの高さは相当なモノだ。実績馬との対決は桜花賞が初となるだけに過信は禁物だが、プラス評価となった項目の多さはトップクラス。エピファネイア産駒というのも魅力大で、その勢いに賭けたい。

 二番手評価にマルターズディオサ。阪神ジュベナイルの2着馬で、なおかつチューリップ賞の勝ち馬でもあるのだから、同舞台の桜花賞でも勝ち負けになって当然。初年度産駒が絶好調のキズナ産駒と、こちらも血統的に勢いがある。近年の傾向にそぐわない部分もあるが、戴冠最右翼の能力馬であるのは間違いなしだ。

 三番手評価にサンクテュエール。ルメール騎手が継続騎乗するディープインパクト産駒で、牡馬を相手にシンザン記念を制した実績は高く評価できるものだ。阪神では今回が初出走だが、問題なくこなせると判断したからこそ、本番でもルメール騎手が乗るのだろう。ローテも含めて、今の桜花賞でいかにも来そうなプロフィールの持ち主である。

 四番手評価にクラヴァシュドール。1勝馬ながら、阪神ジュベナイルFやチューリップ賞でトップクラスと互角以上に張り合っている。「チューリップ賞で僅差負けの馬が強い」というのもレース傾向のひとつで、M.デムーロ騎手の継続騎乗も強い買い材料。クラシック本番での逆転が十分に期待できる1頭といえる。

 以下はリアアメリア、ミヤマザクラ、レシステンシア、ヤマカツマーメイド、マジックキャッスル、チェーンオブラブ、ウーマンズハートという序列だが、その差は本当にわずかなもの。それだけハイレベルな混戦模様ということで、レースも馬券も今から本当に楽しみだ。現時点では、デアリングタクトから流す馬連・馬単で勝負してみるつもりである。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



こ……これは厳しい結果だ(#^ω^)ビキビキ

 当欄の馬券がハズレまくっているのは今さら隠しようもない事実だが、ここまで「かすりもしないし見せ場もゼロ」な結果に終わったのは、さすがに珍しい。けっこう自信があったので予算5割増しで勝負するも、馬券を買った3頭がすべて9着以下とは(唖然)。コバヤシ家の財政赤字、本気と書いてマジでヤバイ。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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