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歴史に残る全勝馬多数の皐月賞

  • 2020年04月14日(火) 12時00分

基本的には過剰人気な傾向か


 今年の皐月賞、話題といえばコントレイルとサリオスの無敗馬対決。忘れてはいけないがレクセランス、クリスタルブラック、登録馬としては1戦1勝のテンピンも無敗馬だ。

 桜花賞でそれまでのデアリングタクトが無敗を守り抜いたということもあり、今回は皐月賞における無敗馬を振り返ってみようと思う。

 対象を多く取るため、平成以降31回の皐月賞出走馬を対象とする。カク地・マル地の馬を除いて、その時点で勝率100%を維持していた馬は25頭。内訳は4勝馬5頭、3勝馬13頭、2勝馬7頭となっている。

 その25頭の皐月賞成績はというと、[5-1-6-13]。回収率は単31%・複87%。意外と奮っていない。1番人気に推された馬は[5-0-1-3]で、勝ったのはトウカイテイオー、ミホノブルボン、アグネスタキオン、ディープインパクト、サートゥルナーリアという錚々たる面々だ。逆に全勝なのに1番人気にならなかった馬は16頭中15頭が連対も外している。

 全勝馬が複数頭いたケースは7回。1993年は4着と16着。1996年は4着と15着。2005年は1着と13着、2015年は3着と6着。2016年は2着と3着。2017年は5着と7着。2019年は1着と3着。これには「全勝なのに人気薄」という馬も絡んでいるし、全勝馬が1、2番人気となったことはない。ただそれにしても、ワンツーはない。

 こうして振り返ると、今年無敗馬がおそらく4頭出走し、うち2頭が1、2番人気を分けるというのは歴史的な出来事だ。ただその一方で過去の結果を振り返ると皐月賞1番人気になった無敗馬も9頭中4頭は連を外しているわけで、基本的に過剰人気になっていることは想像できる。

 コントレイルとサリオスの両方が飛ぶような馬券は想像しづらいが、どちらか片方を軽視するか、あるいは2着に非全勝馬が挟まるような形を意識してもよいのではないだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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