■ヴィクトリアマイル(GI・東京芝1600m)フルゲート18頭/登録19頭
★3行でわかる! ヴィクトリアマイル 攻略の糸口1.1番人気をのぞき人気サイドは成績不振。穴狙い推奨!2.好位がベストポジション。最速上がりでも差し切れない。3.激走するのは前走上がり順位が「6位以下」の人気薄!データ特注推奨馬 ★現時点ではなし 過去には3連単2000万馬券も飛び出しているヴィクトリアマイル。波乱傾向の強さはかなりのもので、人気薄が毎年のように激走している。1番人気は半数が連対と結果を出しているが、それ以外の上位人気馬は総じてイマイチ。7〜9番人気や10〜12番人気などを積極的に狙って、高配当ゲットを狙っていきたい一戦である。
意識すべきはBコース替わり。この影響が大きいのか、ヴィクトリアマイルの最速上がり馬は過去10年でわずか1勝。中団待機組が好結果を残しているレースではあるのだが、後方に位置していた馬は大不振で、差し優勢とは一概にいえない側面がある。おそらくは、4〜5番手あたりの「好位」がベストポジション。そして人気薄の馬に関しては、前残りを狙ったほうが効率がいい。
特注データには、7番人気以下馬に限定した「前走上がり3F順位別」での成績を掲載している。人気薄で激走した馬のほとんどが、前走で速い上がりをマークしていなかったのが一目瞭然だ。牝馬限定のマイル戦ながら、ここで問われているのは末脚のキレではなく、持久力のほうだという印象。いわゆる「底力」がなければ、勝ち負けできないレースなのである。
【コース総論】東京芝1600m Bコース使用
・コースの要所!
★人気馬がしっかり結果を残しているコース。穴は2〜3着で狙うのがベター。
★枠番はフラットで内外での差はほとんどなし。狙ってオイシイのは外枠か。
★先行勢と中団待機組の成績が拮抗。後方に置かれる馬を割り引くのが正解。
今週からA→Bコース替わりとはなるが、掲載している東京芝1600mのデータ自体は、まったく変化なし。同じ内容を2週も繰り返すのはくどいので、今回はさらっと流させていただくとしよう。コースデータについての詳細解説をお知りになりたい方は、前回分をご参照いただければ幸いである。
最初のコーナー進入まで十分な距離があるので、枠番の内外による有利・不利がほとんどないのが大きな特徴。ファンのマークが甘くなる外枠を狙ったほうが、妙味があるといえるほどだ。基本的には人気サイドが強いが、2〜3着のヒモはけっこう紛れる傾向にあるので、「人気馬からのヒモ荒れ」を狙うのがオイシイ。
脚質については、先行勢と中団待機組が「ほぼ互角」という様相だが、このあたりは馬場バイアス次第でもある。Bコース替わりでインが有利になれば、当然ながら逃げ・先行勢のほうが優勢となるはずだ。イメージほど差し優勢ではなく、後方に置かれた馬が追い込んで上位に食い込むのはかなり難しいという点を、しっかり頭に入れておきたい。
【レース総論】ヴィクトリアマイル(GI) 過去10年
・レースの要所!
★人気サイドの弱さが目立つ。7番人気以下を積極的に買い好配当を狙うべき。
★内枠の複勝率の高さが目立つ程度で、枠番はフラット。外枠でも問題はない。
★好位が「勝ちポジション」で人気薄の前残りが多発。前を意識したいレース。
★4歳馬や距離短縮組が好成績。関東所属騎手の活躍が非常に目立つのも特徴。
レースの平均配当は、単勝1183円、馬連1万1560円、3連複31万6238円。超ド級の高配当となった2015年(3連単2070万馬券)の影響が大きいが、それ以外の年もコンスタントに荒れている。ノームコアがレコード勝ちした昨年も、3番人気以内馬が総コケで3連単は17万馬券。数あるGIのなかでも、波乱傾向の強さはトップクラスといえるだろう。
当然ながら、人気馬はあまりアテにならない。悪くない結果を残しているのは1番人気くらいのもので、2〜4番人気あたりは低調な結果。対照的に絶好調なのが人気薄で、7〜9番人気や10〜12番人気などは「すべて押さえる」のもアリ。さすがに13番人気以下となると期待薄だが、これほど穴馬が買いやすいレースも珍しい。
次に枠番だが、こちらは基本的にはフラット。単純に内外を比較したデータでは、外のほうが勝率や連対率は高くなっている。複勝率については内枠である馬番1〜6番がやや高めだが、平均人気の差を考えるとこれは当然の結果。もっと差がついてもいいほどで、それだけ中枠や外枠の馬が健闘しているといえる。
脚質面は、4コーナーを7〜12番手で通過した中団待機組が好成績。しかし、最速上がり馬は1勝しかしておらず、2〜3位のほうが内容は優秀だったりする。つまり、「差し優勢」とは一概に言い切れないのである。後方に置かれた馬が低調な成績に終わっているのも、その裏付け。おそらく「好位」が、このレースにおけるベストポジションだ。
年齢別では、もっとも若い4歳馬が高信頼度。出走数が多いとはいえ、馬券に絡んだ馬の過半数を占めているのだから立派なものだ。ただし、こちらは人気サイドでの好走例が多く、単勝適正回収値や複勝回収値は控え目な数値に。人気薄での激走率の高さは、5歳以上馬のほうが勝っている。人気の4歳馬と人気薄の5歳以上馬をプラスに評価したい。
前走距離別成績では、前走で芝1400m以下戦に出走していた距離延長組の不振が目立つ。逆に、前走で芝1800m以上戦に出走していた距離短縮組は高信頼度。有馬記念からという異例のローテとなるアーモンドアイも、問題なく買えそうな印象を受けた。今年は阪神牝馬Sからのローテで出走する馬が非常に多いというのもあって、前走距離というデータは軽視しても問題なさそうだ。
人気薄の取捨で役立ちそうなのが、前走からの斤量増減データ。7番人気以下に限ったデータを掲載しているが、好走馬のほとんどが前走からの増減が「ある」パターン。斤量の増減がなかった7番人気以下馬は、トータル[0-1-0-40]と大不振なのだ。その背景にあるものが見えないアノマリー系のデータだが、覚えておいて損はない。
最後に騎手関連データ。こちらは、関東所属騎手が素晴らしい成績をあげているのが特色だ。ここまでハッキリと「関東>関西」であるGIレースは珍しく、単勝適正回収値や複勝回収値の高さも十分。これだけの騎乗数がありながら、外国人騎手よりも複勝率が高いというのは、注目に値する。今年も、人気薄での一発を期待したい。
【血統総論】 血統面では、ディープインパクト、ハービンジャー、クロフネの産駒をプラス評価の対象とした。登録馬の半数近くを占めるなど、この路線における強さをまざまざと見せつけているディープインパクトの産駒。文句なしに優秀な内容で、単勝適正回収値や複勝回収値も意外に高い。また、爆発力のあるクロフネ産駒やハービンジャー産駒も侮れない。
★特別登録馬 総論×各論 有馬記念以来となるアーモンドアイの参戦、さらにエリザベス女王杯以来となるラヴズオンリーユーも出走を予定と、ハイレベルなメンバーが登録してきた今年のヴィクトリアマイル。昨年の覇者ノームコアや、重賞3連勝で勢いに乗るサウンドキアラなども侮れず、面白いレースになるのは確実だ。
人気薄での注目馬は3頭。まずは
ディメンシオンで、前走の阪神牝馬Sでは11番人気で3着に激走している。スパッとキレるような脚はないが、いい位置から最後までしっかり伸びられるのが持ち味。一気の相手強化となり、さすがにここでは荷が重い──と思うファンも多いとは思うが、そういう馬が来られるのがこのレースである。
2頭目が
セラピア。前走で3勝クラスを勝ってオープン入りと実績的には格下ながら、その素質の高さをかねてから評価されていた1頭だ。こちらも「好位」からしっかりと脚を使えるタイプで、オルフェーヴル産駒らしい底力を備えていそう。2〜3番手からの競馬で前に展開が向くような流れになれば、ここまでに見せてきたレース内容からも侮れない側面アリだ。
3頭目が
トロワゼトワル。中山芝1600mで1分30秒3というスーパーレコードをマークした快速馬が、超高速馬場で本領発揮の可能性アリと見ている。近2走が不甲斐ない結果だけに強調しかねる部分はあるが、こういうタイプは極端な成績になりがちなもの。関東所属である三浦騎手が騎乗予定であることなど、買い材料も多い。人気とデキ次第では、見直してみる価値は十分ある。
あとはいたってフツーに、アーモンドアイ、サウンドキアラ、ラヴズオンリーユー、ダノンファンタジーの4頭も上位に評価すべき存在。問題はこれらを「どう組み合わせるか」だが、そのあたりは当日の人気やオッズとの相談となる。レースの性格を考えると、アーモンドアイが負ける「まさか」のパターンも押さえておきたいところ。順当に決まることだけはないと踏んで、手広く勝負したい。
■総論×各論・先々週の馬券回顧
おかえり累積赤字!(*^ω^)04ダンビュライトと06スティッフェリオの2頭から流す馬連勝負が、珍しくいいカタチで決まってくれました! 06スティッフェリオが勝つと馬単で勝負しなかったのを悔やむハメになるので、直線では14フィエールマンをメチャクチャ応援していたのは秘密。これでようやく、当欄の回収率が75%くらいになった気がする……!
※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!