同一馬主の12頭出し、なんとも摩訶不思議なレース
先週の新潟競馬、同一馬主12頭出しのレースはご覧になりましたか?
当然ながら、競馬実況アナウンサー仲間の間ではかなりの注目を集めていました。一部の“同業者”からは「これは拷問だ!」という声も上がったほど。もちろん私も「自分がこのレースの担当じゃなくてよかった」と思ったものです。
でも、映像を見る限り、何が何だかわからない状況ではなかったような気がします。
ご存知のとおり、同枠に入った“同一馬主馬”の片方は、騎手が“染め分け帽”をかぶります。今回の場合、勝負服よりもそれに注目すればよかったわけで、白黒染め分けの4号馬と白青染め分けの8号馬が「ちょっとわかりにくかったかな」と思うくらい。「拷問」とまではいかなかったようです。
それにしても、16頭のうち12頭が同じ馬主で、あとの4頭のうち2頭も、もう1組の“同一馬主馬”。しかもそちらは同じ厩舎が3頭出していたうちの2頭でした。
もしどこかの国の競馬のように、“同一馬主馬”の単勝馬券は“カップリング”で1つにくくるというルールだったら、あのレースは馬券上では4頭立て。その単勝なら、12頭が1つにまとめられたほうではなく、2頭が1つにくくられたほうが的中していたわけです。
今回の馬連、馬単は、その2頭のいわゆる“親子どんぶり馬券”だったんですね。まぁなんとも摩訶不思議なレースでした。
ところで、あのレースをテレビで見ていて注文を付けたくなったのが、直線コースを併走している車から送られてきた映像です。道路にデコボコがあってカメラが揺れるため、映像が乱れていましたよね。集中してそれを見つめていると酔ってしまいそうでした。日曜日のアイビスサマーダッシュの映像もハッキリ言って“ガタガタ”。JRAサン、あれ、何とかなりませんか?
例えばカメラ搭載車が走る路面を整備するとか、コースに沿ってロープを張り、それに吊したカメラを併走させるとか、あるいはドローンを使うとか…。
ロープをつたう滑車の音やドローンの飛行音を馬が気にするからダメ、なのかもしれませんが、今の技術をもってすれば、何とかなるんじゃないかと思うんですけど…。
さてさて、先週の当コラムにも書きましたが、今月9日までは札幌、新潟の2場開催が続きます。過去の日程を調べてみたら、夏競馬の時期に2場開催となるのは、1969(昭和44)年8月第2〜3週に函館、新潟競馬が行われたとき以来51年ぶり。1959(昭和34)年以降、夏に3場で開催するパターンが定着してからは2度目のこと、のようです。
小倉競馬が開催されていないため、関西馬が新潟競馬に“大攻勢”を仕掛けています。先週は土日24レース中17レースで関西馬が勝利。今週、来週も、新潟競馬は関西馬優勢の傾向が続きそうですよ。