15年ぶりの無敗の三冠馬となったコントレイル、史上初の無敗の牝馬三冠馬・デアリングタクト、そして2年前の牝馬三冠馬で芝GI最多勝の8勝を挙げたアーモンドアイが出走を表明しているジャパンC。近年稀にみる超豪華メンバーで、一般メディアでも取り上げられるなど、大きな注目を集めています。
そこで! netkeibaでは矢作芳人調教師(コントレイル・栗東)、杉山晴紀調教師(デアリングタクト・栗東)、国枝栄調教師(アーモンドアイ・美浦)にzoom越しにお集まりいただき、緊急対談を実施。この3頭の共通点の一つは、主戦騎手の存在。3夜連続掲載の最終日は、主戦騎手とのコンビの進化や厩舎の雰囲気について話題が広がります。そして最後には競馬会への提言も!?
(聞き手:大恵陽子)
※この取材は11月17日に実施しました。
※3日連続掲載の全3回。動画とテキストの両方で公開いたします。
ルメール騎手、福永騎手、松山騎手 各コンビの進化
――3頭とも主戦騎手がいますが、デアリングタクトは松山弘平騎手とデビューからコンビを組み続ける中でレースぶりにどんな進化を感じますか?
杉山調教師(以下、杉山師) 道中の折り合いや信頼関係はレースを重ねるごとに結ばれていっているような印象を受けます。
矢作調教師(以下、矢作師) コントレイルの場合は、僕が言うのはちょっとおこがましいかもしれないですけど、福永君は非常に優秀なジョッキーではありましたけど、コントレイルに乗ることでさらに一段上にいったのではないかと思います。コンビとしての信頼性は非常に高いと思っています。
国枝調教師(以下、国枝師) ルメール騎手は調教でも競馬の後でも、いつもすごくニコニコしています。おそらく、彼が乗ってきた馬の中でもトップクラスの1頭かなって感じますね。
アーモンドアイは必ずしもすべてスムーズな競馬ではないんだけど、ルメール騎手の手綱さばきやレースのもっていき方に余裕があると感じます。だから馬を慌てさせないし、我々が見ていてもスムーズに上手く乗ってくれています。あともう1走なんですけどね、素晴らしい騎乗をしてくれて本当にありがたく思っています。
▲アーモンドアイに騎乗する時のルメール騎手はいつもニコニコ (撮影:下野雄規)
――ルメール騎手は調教の後もニコニコされているんですね。その姿を見ている方もハッピーになりそうです。
国枝師 いい雰囲気であれば「これはいいんだな」って前向きに捉えられます。我々がいろいろと気を使ってやっている中で、それがいい方向で評価されるのは楽しいですからね。
ルメさんは本当に信頼の置けるジョッキーです。馬も含めて生き物同士で、まして馬は正直ですから、我々が嫌な雰囲気であれば馬もきっと嫌なんだろうって思います。そういう点で、厩舎のムードは非常に重要かな、と思います。