川田騎手・武豊騎手は残り3戦で勝つことができるか
今年の中央競馬はあと2週、その平地GIはあと3レースを残すだけとなりました。今回はこの1年のGIを騎手成績から振り返るとともに、残り3戦の見どころを書き留めておくことにします。
ご存知の方も多いと思いますが、一番の見どころは、ルメール騎手が年間最多勝記録を更新するかどうか、でしょう。
同騎手は今年ここまで8勝。すでに、2018年にみずからが作った最多勝記録に並ぶ勝ち星をマークしました。ただし、同年はふつうなら地方で行われるJBC競走が京都競馬場で開催され、同騎手はそのうちのスプリントを制覇。先の数字にはこの1勝も含まれています。
そういう但し書きを付けずにすむ年と比べれば、もう最多勝記録は更新されている、と言っていいんですけどね。でもそれなら、「大阪杯やホープフルSがGIに昇格する前」なんていう注釈も付けなきゃならなくなっちゃうでしょ?なので、ここでは単純に過去の成績と比較してみることにしました。
一方で、福永騎手、松山騎手があと1勝すれば年間4勝。日本人騎手が年間4勝というのは、2017年の武豊騎手以来3年ぶりのことになります。5勝以上となると、2012年に岩田康誠騎手が6勝を挙げて以来8年ぶり、JRAデビュー騎手としては2011年の池添謙一騎手(6勝)以来9年ぶり。いずれにしても、それが達成されれば“快挙”と言えるかもしれません。
先々週、チャンピオンズCを戸崎騎手が制して、2018年の横山典弘騎手(JBCレディスクラシック)以来久々の関東所属騎手による勝利が見られたと思ったら、先週の阪神ジュベナイルフィリーズも吉田隼人騎手が勝って、関東勢2週連続優勝となりました。
関東勢が年間に2勝したのは、その2018年、横山騎手のほか、内田博幸騎手(フェブラリーS)、戸崎騎手(皐月賞)が勝って以来のこと。あと1つ(もう1人)勝てば、勝利数(勝利騎手数)でそれに並びます。
さらに、今週の朝日杯FSでも関東勢が勝てば、2015年に天皇賞・春とNHKマイルCを横山典弘騎手、ヴィクトリアマイルを戸崎騎手が制して以来5年ぶりの3週連続優勝となります。
今年はルメール騎手が8勝、福永、松山騎手が牡牝の3冠を制して3勝ずつを挙げ、特定の騎手にGI勝利が集中しました。また、コロナの影響で海外勢の来日がなくなったこともあって、まだ9人の騎手(ルメール、デムーロ、福永、松山、松若、北村友一、池添、戸崎、吉田隼人)しかGI制覇を果たしていません。
2000年以降の成績を調べてみると、毎年11人以上の騎手が優勝を“分け合って”きました。残る3戦で“それ以外”の騎手が勝たなければ、極めて珍しい1年になるわけです。
去年まで6年連続で勝っていた川田騎手とデビュー以来33年中30年で優勝してきた武豊騎手が今年は未勝利。2人がともに勝てずに終わると、これも2011年以来9年ぶりの“珍事”になります。あと3戦の結果は要注目ですよ!