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【皐月賞予想】データ的には上位拮抗の混戦模様!

  • 2021年04月12日(月) 18時00分

■皐月賞(GI・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録18頭


★3行でわかる! 皐月賞 攻略の糸口

1.7〜9番人気は「すべて買い」が正解。ふたケタ人気は消し。
2.内枠から好走できるのは人気馬のみ。末脚のキレ超重要。
3.前走プラス体重の馬が好成績。前走1番人気も◎、栗毛×。

データ特注推奨馬
★現時点ではナシ


 一昔前とは違って、堅く決まるケースが増えてきている皐月賞。ふたケタ人気馬はトータル[0-0-2-83]と、全滅に近い惨状だ。では、人気薄がまったく期待できないかといえば、そんなことはない。7〜9番人気は驚異的な強さを見せており、なんと4〜6番人気よりも信頼度が高いのである。当然ながら回収値は素晴らしい高さで、ここは「すべて買う」のが正解。今年も大いに期待がもてる。

 また「内枠が非常に弱い」というのも、皐月賞の大きな特徴。「中山の芝」というだけで内を狙いたくなってしまうが、そもそも中山芝2000mは枠番の内外での成績差が小さいフラットなコースで、外枠が割引材料とはならない。さらにレースデータを確認すると、内枠である馬番01〜06番から好走しているのは、昨年の覇者コントレイルのような人気馬ばかり。つまり、能力上位でなければ勝ち負けできない──ということだ。

 あとは、上がり上位馬がおしなべて好成績で、先行勢であってもある程度は速い上がりを要求されること、前走1番人気馬が優秀な結果を残していること、栗毛の馬が不思議なほど弱いレースであることなども、攻略のポイントといえる。そして特注データには、前走での「馬体重増減」別での成績をとりあげた。ご覧のとおり、前走が「プラス体重」だった馬のほうが、圧倒的に優勢。信頼度はもちろん、回収値にも大差が出ている。

 データ特注推奨馬は、今回はナシ。プラス評価となった項目の多い馬はいるが、それが高いレベルで拮抗しており、甲乙つけがたい面があるからだ。確たる中心といえる存在の見当たらない、上位拮抗の一戦というのが、1週前の段階での見立てとなる。

【コース総論】中山芝2000m Bコース使用

・コースの要所!

★1番人気は強いが人気薄も侮れない。7〜12番人気の2〜3着狙いが面白そう。
★枠番の内外による成績差はほとんどない。イメージとのズレに注意したい。
★先行勢と中団待機組の成績が拮抗。中団からの差しもけっこう決まるコース。





 中山芝2000mは、4コーナーを回って直線に入ったところがスタート地点。最初のコーナー進入まで400m以上あることや、スタート直後に急坂が待ち構えていることなどから、序盤から速い流れになる場合は少ない。ただし、道中でラップが緩むポイントも少なく、どこで息を入れるかはけっこう難しい。スピードはもちろんのこと、勝つにはスタミナや底力も高いレベルで要求されるコースといえるだろう。

 1番人気を筆頭に人気サイドは優秀な結果を残しているが、7〜9番人気や10〜12番人気など、穴馬の信頼度や回収値もけっこう高い。さすがに13番人気以下になると期待薄だが、適度に穴狙いをしたほうが好結果を呼び込めそうだ。勝率の差を考えると、人気薄を2〜3着のヒモで狙うのがいいか。

 枠番は意外なほどにフラット。「内枠のほうが有利」というイメージが強い中山の芝コースだが、芝2000mにそれは当てはまらない。内枠である馬番01〜06番の信頼度がもっとも高いのだが、平均人気の差を考えれば、この程度の差は出て当然。単純に内外を比較したデータをみれば、その差が非常に小さいのが見てとれる。内枠有利とのイメージに引っ張られないように、くれぐれも注意すべきだ。

 脚質面は、先行勢と中団待機組の成績が拮抗。データ母数が少なく偏りが大きいのもあるとはいえ、中団から差した馬の勝率がもっとも高いというのは意外な結果だった。とくに目立っているのが最速上がり馬の好成績で、回収値の高さも文句なし。さすがに4コーナー13番手以下からでは厳しいが、中団から速い上がりを使えそうな馬は、高く評価してしかるべきだろう。想定すべきは「差し→先行」決着か。

【レース総論】皐月賞(GI) 中山過去10回

・レースの要所!

★ふたケタ人気は弱いが、7〜9番人気は驚異的な強さ。すべて買うのもアリか。
★内枠の成績不振が目立つ結果。上がり上位馬の好成績もかなり目立っている。
★トライアル「以外」からの組が強いレース。前走1番人気馬は高評価すべき。
★なぜか栗毛の馬が非常に弱いレース。関東所属騎手は1着で狙うのが面白い。










 レースの平均配当は、単勝950円、馬連3445円、3連複2万7154円と平均的な水準。一昔前はかなり荒れていたが、近年は順当決着傾向が強まっているようだ。実際に人気別成績をみても、ふたケタ人気はトータル[0-0-2-83]と成績不振。まったく来ないわけではないが、期待薄であるのは間違いない。超人気薄を1着で狙うような馬券で勝負するのは、避けたほうがいいレースである。

 では高配当が狙いづらいかといえば、さにあらず。注目すべきは7〜9番人気の驚異的な強さで、なんと4〜6番人気よりも信頼度が高い。昨年もガロアクリークが3着に好走しており、2018年には上位を独占して3連単37万馬券が出ている。複勝率が23.3%もあるのだから、ここを「ぜんぶ押さえる」のも大アリ。上位人気からここに流す馬連や馬単なども、かなりオススメだ。

 次に枠番だが、目立っているのが内枠である馬番01〜06番の成績不振。平均人気8.3と、もっとも人気を集めているにもかかわらず、信頼度と回収率の両方がハッキリと低いのである。ひとケタ人気に限定したデータでも同様の結果で、「皐月賞は内枠不利」と断言してもいいほど。内枠から勝ち負けに持ち込めるのは、昨年の覇者コントレイルのように、上位人気に推された場合だけだ。

 脚質面は、コースデータ以上に差し優勢の印象。速い上がりを繰り出した馬が総じて好成績であるのが、その証左となる。馬券に絡んでいる回数は先行勢のほうが圧倒的に多いのだが、こちらも相応に速い上がりが要求される。組み合わせによっては、完全に差し優勢となるケースも考えられそうだ。ただし、最後の直線が長くはないので、後方に置かれてしまうとほぼアウト。直線一気はさすがに望み薄だ。

 前走レース別では、弥生賞DI記念やスプリングSといったトライアル「以外」からの組が好成績。とくにアテにしづらいのが前走弥生賞組で、勝ったのは2010年のヴィクトワールピサが最後だったりする。同様に前走スプリングS組も信頼度はイマイチで、こちらも強くは推しづらい。ここ数年は、前走2歳GIからの「ぶっつけ本番」組が非常に強いことや、若葉S組が意外に侮れないというのも、押さえておきたいポイントだろう。

 前走での人気や着順別での集計では、前走で1番人気に推されてた馬がもっとも好内容。トータル[6-8-5-28]で連対率29.8%、複勝率40.4%と信頼度が非常に高く、回収値の高さもなかなかのものだ。順当決着傾向が強まっているのも影響しているのだろうが、昨年も一昨年も、前走1番人気馬によるワンツー決着。「前走が1番人気で今回も4番人気以内」という条件を満たす馬ならば、超高確率で馬券絡みが期待できる。

 因果関係が説明できないアノマリー系データでは「栗毛の弱さ」に注目。昨年はサリオスが2着に好走したが、じつはかなりのレアケースなのだ。5番人気以内に推された馬であっても、栗毛だと[0-1-0-7]とサッパリの結果に。アドマイヤマーズ、スワーヴリチャードなど、後にトップクラスの活躍を見せた馬であっても、皐月賞では人気を裏切っている。ちなみに、今年の栗毛はラーゴムただ1頭。どういう結果が出るかが注目される。

 最後に騎手関連データ。外国人騎手の強さが目立つが、それ以外では関東所属騎手の「一発」の多さにも注目したい。過去10回で4勝をあげているが、1番人気での勝利は一度もなく、エポカドーロ(7番人気)やディーマジェスティ(8番人気)といった人気薄を1着に導いている。関西所属騎手よりも勝利数が多いというのはけっこう珍しいので、今年もぜひ奮起を期待したいところである。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、ロードカナロア産駒、エピファネイア産駒、バゴ産駒をプラス評価の対象とした。勝利数を見てもわかるように、当コースにおけるディープインパクト産駒の強さは圧倒的。これだけの出走数があって、連対率がトップというのは驚異的としか言いようがない。このところ新勢力の台頭が目立つとはいえ、来年のクラシックまでは、その牙城が崩れることはないと思われる。

★特別登録馬 総論×各論

 冒頭でも解説したように、「上位拮抗」という印象が強い今年の皐月賞。オーソクレースとボーデンの回避は残念で、フルゲート割れも確実ではあるが、それでも出走馬のレベルはかなり高い。勢力図に大きな変化はないが、ダノンザキッドが弥生賞で敗れたことで、混戦ムードが強まったのは間違いなし。馬券的にもかなり面白い一戦になりそうである。

 現時点でのトップ評価は、共同通信杯の勝ち馬であるエフフォーリア。共同通信杯で退けたヴィクティファルスがスプリングSを制したことで、その能力評価はさらに高まった。中山が初となることなど懸念材料はあるが、スッと好位が取れる競馬センスのよさ、いい位置から速い上がりを繰り出せる点などは、いかにも皐月賞向き。横山武騎手がどのようなレースを仕掛けてくるかも楽しみだ。

 二番手評価に、朝日杯FSの2着馬であるレッドベルオーブ。データ面からの買い材料の多さはエフフォーリアをしのぐほどだが、芝1600mまでしか経験していないというのが、大きな懸念材料となる。あっさりこなす可能性もあるが、それは現時点ではジャッジできない。ただし、勢力図に大きな変化がない印象なので、能力的には通用して当然。近年のトレンドである「ぶっつけ本番」も、プラスに働きそうだ。

 三番手評価にグラティアス。キャリア2戦で京成杯を制したポテンシャルの高さは、大きな魅力だ。さすがは姉にレシステンシアがいる血統で、父ハーツクライという血統から考えても、まだまだ成長が見込めそうだ。ただし、真の一線級との対戦は今回が初となることや、キャリアの浅さがマイナスに働く場合もあることなど、懸念材料も多い一戦。ここが試金石となりそうで、それだけに過信は禁物か。

 以下はダノンザキッド、アドマイヤハダル、ヴィクティファルス、ステラヴェローチェ、ヨーホーレイク、タイトルホルダーという評価の序列。ただし、枠番と人気という重要なファクター「抜き」での評価なので、最終的にはここからかなり上下すると思われる。混戦模様とみて、このレースで強い「7〜9番人気」から流すのも面白そう。個人的には、ある程度は配当がつくと踏んで、手広く勝負してみたいと考えている。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



こんな馬場になるとは(#^ω^)ビキビキ

 能力よりも「馬場適性」のほうが問われた印象で、08レイパパレを優勝に導いた川田騎手は、コース取りも素晴らしかった。良馬場だったら──というのはタラレバだけど、その場合にはどんな結果が出ていたんでしょうねえ(現実逃避)。さすがに「二強」がどちらも連を外すとは思わなかった。ああ、競馬ってホントに難しい。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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