思い切ってハナを切り、「イメージ通りに乗れた」というキーフラッシュでしたが、いつもの如く4コーナー手前でズブくなり、そこから盛り返して5着。「よう頑張っている」と馬を称えつつ、試行錯誤が続くキーフラッシュの走りについて、今回もじっくりと振り返ってくれました。そして、ユーザーからは岩田康誠騎手の騎乗停止について質問が…。はたして先輩は何を語る!?(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
いろいろ考えて、工夫して……そのすべてが無駄ではない
――先週はボムブラスト(4月24日・阪神5R・3歳未勝利)、キーフラッシュ(4月25日・阪神10R・灘S)ともに5着という結果に。
小牧 見せ場は作れたとは思うけど、もうひと押しが利かんかったねぇ。ボムブラストはいい位置に入れたんやけど、最初のコーナーで思ったよりハミ掛かりがよくてね。そこでちょっと掛かったのが終いで堪えたのかもしれん。まぁ勝とうと思ったら、あれくらい行っておかなね。ペースも遅かったし。
――そうですね。前走が初ダート。その前走と比べて走りの内容に進展はありましたか?
小牧 うん、行きっぷりがよくなってたよ。ただ、もうちょっと落ち着いて走ってくれたほうがいいね。
――体が10キロ減っていましたが、そのあたりは?
小牧 休み明けを叩いての結果やから、むしろいい傾向だなと思った。芝よりはダートのほうが全然いいし、どういう競馬をすれば勝ちに一番近づけるのか、もう一度考えてみますわ。次はまた上積みがあるやろうしね。
――灘Sのキーフラッシュは、いつになく強気に行きましたね。
小牧 ん〜、行く馬がいなかったし、ハナに行ったらまた変わるかなと期待したんやけど、一緒やったね。結論としては、行かんほうがいいですわ。
――ハナに行ってみようかなという気持ちがもともとあったんですね。
小牧 スタート次第やけど、ほとんど行くつもりでいた。だから、イメージした通りには乗れたんやけど、やっぱり4コーナーの手前で(競馬を)止めようとして。
――止めようとするのも、そこからまた直線で盛り返すのも、いつものパターンで。
小牧 そう、ホンマにいつものパターンやった。今回は内枠だったんでね、内に入りたくなかったのもあってハナを選択したんやけど、やっぱり2、3番手で進めたほうがいいですわ。外枠に入れば、もっと楽なんやけどね。でもまぁ、馬は頑張ってるよ。去年の前半あたりの成績を考えたら、よう頑張ってる。
――小牧さんが騎乗するようになってからは、掲示板は手堅いですものね。
小牧 うん。僕もいろいろ考えて、その都度工夫しながら乗っているからね。それは無駄ではないと思うし、この馬にはまだまだ頑張ってもらいたいです。
――そういえば、4コーナーの斜行で戒告を受けたとか?
小牧 砂を被って嫌がって下がったときに、外に膨らんでしまった。フワッとしたのが自分でもわかったし、少し邪魔してしまったよ。
――では、質問をふたつほど。「YouTubeでジョッキーたちが回転寿司で大食い大会をしている動画を見ました。なかには20皿以上食べているジョッキーもいて驚いたのですが、小牧騎手は何皿くらい食べられますか?」。
小牧 ほとんど回転寿司は行かんからねぇ。やっぱり米を食べたら太るでしょう。しかも、注文の仕方がようわからん(笑)。何度かは行ったことがあるけど、最近はどこもタッチパネルで頼むんやろ?
――そうですね。
小牧 そういえば、新潟で行ったのが最後かな。ここでも話したと思うけど、帰りしなに熊ちゃん(熊沢重文騎手)とふたりで「くら寿司」に行ってね。寿司も美味しかったけど、ハイボールがとにかく美味しくて、食べるより飲むほうに一生懸命やった(笑)。そのときにタッチパネルを使って注文したんですわ。難しかった…(苦笑)。
――続いての質問です。「岩田騎手が粗暴な行為で騎乗停止に。馬を使って幅寄せしたとのことで、ファンとしては非常に残念な気持ちになりました。園田の先輩として、率直にどう思いましたか?」。
小牧 やっぱりきたか(苦笑)。聞かれるやろうなと思ってたわ。でもね、新聞を見てその騒ぎを知ったくらいで、ようわからんねん。でもまぁ、新聞で知ったときは、なんかガックリきたね。ジョッキー全体にそういうイメージを持たれたら嫌やなぁと思うし。
――小牧さんは園田時代、師匠から「もっと怒れ!」って逆に怒られていたくらいですものね。
小牧 そうそう。僕は絶対にしないし、できない。今回の件は、言うたらすごく暴力的な行為やから、ガックリきたというのが率直な感想。とはいえ、後輩やからね。残念な出来事やったけど、また新たな気持ちで一緒に頑張っていけたらいいなと思ってるよ。