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【天皇賞・春予想】確固たる主役不在で馬券的にも楽しめそう

  • 2021年04月30日(金) 18時00分

ディープボンドの課題は『ポジション取り』


 確固たる主役不在の天皇賞春。人気もある程度割れそうで、馬券的にも楽しめそうだ。

 1番人気はディープボンドかワールドプレミアだろう。

 ディープボンドは阪神大賞典を快勝。着差もつけてきたし、菊花賞4着もあってスタミナの裏付けは十分なので、人気になるのは当然だ。やや外の枠を引いたので、ポジション取りは課題。内寄りにいる先行タイプの出方次第だが、枠なりに後ろ・外の感じになってしまうとよくない。

 ワールドプレミアは逆に、脚質を考えるとここまで内枠でなくてもよかったかもしれない。スタミナはこちらも十分だし、昨年のジャパンカップや有馬記念でそれなりの着順にいるあたり、能力の絶対値も高い。自分で競馬を作れるタイプではないので、展開のほうからハマってきてくれるかは重要な要素。2周目内回りということを考えると早めに仕掛けたい。

 アリストテレスは阪神大賞典でまさかの大敗を喫してしまった。AJC杯を不良馬場で使った反動があったのかもしれないが、だとするとさらに重馬場で、しかも負ける競馬をしてきたことは気になる。ただ音無厩舎が使ってくる以上、一定のデキにはあるのだろう。菊花賞ではコントレイルを脅かした馬だし、ここでの復活を期待したい。

 日経賞1、2着の牝馬が出走してきた。ウインマリリンは、そもそもスクリーンヒーロー産駒の牝馬でここまで出世した馬はいないし、まして折り合いをつけて中長距離をこなすというのは特別な存在なので、データ的に解釈するのは難しい。ただ位置を取れるのは阪神コースであっても有利。日経賞と同じ形に持ち込みたい。

 カレンブーケドールは筆者が関わりのある馬なので論評しづらいが、距離は大丈夫だと考えている。キレない馬なので、全員が鋭い脚を使いづらくなる長距離戦は有利なはず。枠もよいところを引いたので、なるべく好位を取りたい。ただ初手の位置が悪くなるとそのままになってしまう可能性がある。

 オーソリティはダイヤモンドS2着、ディアスティマは同コースの松籟S1着から臨むが、天皇賞春は前走GIか別定GIIに出ていた馬が強いので、その傾向を覆せるか。どちらか片方取るとしたら、逃げるぶんだけディアスティマだ。

 ユーキャンスマイルは結果に恵まれない実力馬という印象で、今回は比較的メンバーが軽いぶんだけここで結果を出したいところ。ただ、プレップから本番の流れで少し着順を落としてくる馬でもある。阪神開催はプラスだと思うので、そこで相殺してさらにプラス分が残るかどうかだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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