先週は日曜日の中京で3頭に騎乗。「思った以上に頑張ってくれた」というエグゼクティブリリ、「慣れてくればオープンでも十分通用」というクリノドラゴンについて、レースを振り返ってくれました。とにかく「人間が絶好調!」という小牧騎手。現在の心境と、その充実ぶりを語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
やり甲斐を感じながら、楽しく集中して乗れてるわ
──先週は日曜日の中京で3鞍に騎乗。3頭ともテン乗りでしたが、どんな印象を受けましたか?
小牧 1Rのエグゼクティブリリ(3歳未勝利・ダ1200m・13番人気6着)は、出遅れてしまったのもあるけど、ひとつでも上の着順に…と思いながら、じっくり乗りました。
──スタート後、一気に内に進路を切り替えましたね。
小牧 うん。ひとつでも上に持ってくるには、できるだけ距離のロスがないほうがいいからね。なんせ、せこく乗ろうと(笑)。じっくり行ったぶん、直線は思ったより伸びてくれたわ。頑張ってくれたと思う。これまで中央のダートは1400mを使っていたけど、1200mがいいのかもしれんね。
──10Rのクリノドラゴン(鳳雛S・ダ1800m・8番人気6着)も、直線の脚は見どころがありました。
小牧 うん、いい脚やった。前走は楽勝やったけど(武豊騎手騎乗で3歳未勝利戦を6馬身差圧勝)、今回は速い馬が多かったし、時計的にオープンではどうかな、ちょっとしんどいかなと思いながら乗っていたけど、うまくタメられたぶん、直線はきましたわ。いい走りだったし、慣れてくれば十分通用するんちゃうかなと思った。なんせ今ね、人間の調子がいいわ。
──小牧さんご自身の調子ですか?
小牧 そうそう。1頭1頭、本当に集中して乗れているし、その馬にとっていい競馬ができているなと思う。
──エグゼクティブリリにしても、中央では10着、11着、13着からの6着ですものね。
小牧 もちろん、馬が頑張ってくれたのが一番やけどね。もっと数を乗りたい気持ちはあるけど、できるだけ長く乗るためには、今のペースも悪くないなと思ったり。とにかく1鞍1鞍、なんとか上の着順に持ってこようと必死やけど、やり甲斐を感じながら楽しく乗れてるよ。調教も、水・木・金としっかり乗ってるしね。そういえば、先週は土曜日も調教に乗ってたよ。
──そうでしたか。
小牧 うん。僕のほうから「調教に乗りたい」と笹田先生にお願いして、2頭乗ってきましたわ。やっぱり体を動かしておかなと思ってね。
──では、最後に質問をひとつ。「小牧騎手とキーフラッシュのコンビを応援しています。4コーナーの手前でいったん手応えが悪くなり、直線で盛り返すという競馬が続いていて、ひょっとしたら賢い馬なのかなと思ったりしていますが、調教や返し馬など、レース以外のときにはどんな性格の馬なのですか?」。
小牧 けっこう激しいタイプやねん、あの馬。昔から、レースのあとは厩務員さんにも触らせへんねんて。だからちょくちょく放牧に出して、リフレッシュさせてるらしいわ。
──なるほど。こまめなリフレッシュが有効なタイプ。
小牧 そうなんやろうね。僕が乗り始めた頃は、パドックでもすごくおとなしかったのに、最近はうるさくなってきた。
──うるさいくらいのときのほうが走るという馬もいますが、キーフラッシュにとってはいい傾向?
小牧 どうなんやろう…。まぁ落ち着いていたほうがいいんやけどね、ホントは。でも、落ち着いているときもうるさいときも、レースでは同じように頑張ってくれるから。
──調教のときのキーフラッシュは、どんなタイプですか?
小牧 突かれたりしても、それほど行かないタイプ。追わんかったら、なんせ動かん(笑)。ズルいというか、確かに賢いのかもしれんね。