■エプソムC(GIII・東京芝1800m)フルゲート18頭
★3行でわかる! エプソムC 攻略の糸口1.例年は内枠&先行勢が圧倒的に強いが今年はフラット!2.4〜6番人気など中穴がオイシイ。ふたケタ人気は期待薄。3.前走6着以下からの巻き返し多発。4歳馬と関西騎手は◎。データ特注推奨馬 ★現時点ではなし 昨年は特大級の高配当が飛び出したエプソムCだが、本来は順当決着傾向が強いレース。その証拠に、ふたケタ人気はトータル[0-0-2-71]で複勝率2.7%と、冴えない結果に終わっている。また、東京芝1800mというコースも順当決着傾向にあることから、昨年の再現を期待するような買い方はナンセンス。このレースで狙ってオイシイのは、4〜6番人気などの中穴ゾーンだ。
また、今年の東京芝コースが「例年とは違ってかなりフラット」であるのも、念頭に置く必要がある。レースデータはかなり内枠有利かつ先行勢優勢なのだが、近年とは馬場バイアスが大きく異なる今年は、この傾向が当てはまらない可能性が非常に高い。データ母数が多いコースデータのほうを信頼して、枠番や脚質についてあまり気にしないスタンスで馬券を買ったほうがいいと思われる。
レースデータにおける「大ネタ」は3つ。まずは4歳馬の強さで、こちらは[7-6-3-17]で複勝率48.5%、複勝回収値206という素晴らしい内容。全体的に、若くて勢いのある馬のほうが強い傾向にある。そして、関西所属騎手の強さも特筆に値するレベル。外国人騎手とタメを張る信頼度の高さで、それでいて回収値も猛烈に高い。関西のジョッキーが騎乗しているだけで「買い」といえるほどだ。
そして最後に、前走6着以下からの巻き返しの多さを取りあげたい。前走での着順がいい馬のほうが人気になるし成績もいいものだが、このレースについては話が別。前走5着以内馬がトータル[5-6-6-70]で連対率12.6%、複勝率19.5%であるのに対して、前走6着以下馬は[5-4-4-63]で連対率11.8%、複勝率17.1%と、その差が驚くほど小さい。ならば、後者を狙ったほうがオイシイのは自明の理である。
【コース総論】東京芝1800m Cコース使用
・コースの要所!
★人気サイドが非常に強いコース。1番人気の連対率の高さは、異常なレベル。
★枠番はフラットで内外での成績差はかなり小さい。あえていうなら中枠が○。
★先行勢と中団待機組は互角に張り合っているが後方からの追い込みは期待薄。
毎日王冠などでも使用される東京の芝1800m。1〜2コーナーの中間にあるポケットからの発走で、バックストレッチに斜めに進入する形態だが、それによる枠番の有利・不利はほとんどない。広々とした大回りの東京芝コースらしく、展開が紛れるケースも少ないので、実績馬や人気馬が能力をキッチリ発揮しやすい舞台といえる。
それは、人気別成績にもハッキリ。目立っているのが人気サイドの強さで、1〜3番人気や4〜6番人気は、高信頼度かつ高回収率だ。特筆に値するのが1番人気の成績で、[18-16-1-17]で連対率65.4%という驚異的な信頼度の高さ。3着が非常に少なく、1〜2着が圧倒的に多いというのも、力を発揮しやすいコース形態からくるものだろう。高配当を狙っての大振りは、基本的には避けるべきコースである。
次に枠番だが、こちらは「フラット」が結論。外枠である馬番13〜18番の信頼度がやや低めではあるのだが、平均人気の違いもあるので、実際はそう大きな差はないはずだ。また、平均人気と平均着順の差が小さいのも、フラットなコースであることの証明。微差で中枠である馬番07〜12番の内容がもっとも優秀だが、1レース単位で気にするレベルではないので、馬場バイアスだけを把握しておけば問題ない。
脚質面は、先行勢と中団待機組が互角に張り合っているイメージ。最後の直線が長い東京芝コースらしく、勝ち馬は中団待機組から出ることが多いが、複勝回収値が高いのはやはり先行勢だ。想定すべきは「差し→先行」決着だろう。最速上がりをマークした馬は好成績だが、それでも後方からではそうそう届かない。ハイペース必至のメンバー構成でもないかぎり、評価は割り引いて考えるべきだ。
【レース総論】エプソムC(GIII) 東京過去10回
・レースの要所!
★昨年は大波乱も実際は堅め決着傾向。4〜6番人気など中穴狙いがオイシイ。
★内枠が圧倒的に強く脚質も先行勢が非常に強いが、今年どうかは疑わしい。
★4歳馬が図抜けて強いレース。回収値が高い距離延長組は人気薄で狙いたい。
★前走3番人気以内馬と前走6着以下馬に注目。関西所属騎手の活躍も目立つ。
レースの平均配当は、単勝707円、馬連2994円、3連複8万3526円と、3連複平均だけが飛び抜けて高くなっている。その要因となったのが昨年の「超」大波乱で、9番人気→5番人気→18番人気で決まって3連複73万馬券(3連単は421万馬券)となった。とはいえ、こんなドカ荒れが発生するのは非常に珍しく、極端に内&前有利な馬場バイアスも大きく影響した印象。Cコース替わりの影響が小さい今年は、フツーに決まりそうだ。
人気別成績をみても、ふたケタ人気はトータル[0-0-2-71]で複勝率2.7%と、冴えない結果に終わっている。極端な人気薄を狙うべきレースではなく、非常に優秀な結果を残している4〜6番人気や、それなりの好走率がある7〜9番人気あたり狙ったほうが、格段にオイシイ。上位人気馬も悪くない結果を残しているが、ベストは中穴狙いだろう。
次に枠番だが、こちらはもう「圧倒的」に、内枠である馬番01〜06番が強い。信頼度の高さはもちろんのこと、単勝適正回収値120.5、複勝回収値107、さらにギャップ値も大幅プラスである。この背景にあるのはもちろん、ダービー週からのCコース替わり。本来はかなりフラットなコースなのだが、馬場バイアスの影響をモロに受けて、このような結果になったと推測される。
同様に脚質についても、馬場バイアスの影響が大。最後の直線が長く、瞬発力の要求レベルが高い東京芝コースとは思えないほどに、先行勢がよく残っている。しかし、今年は例年ほど内や前が有利な馬場にはなっていないので、枠番や脚質についてのレースデータを盲信するのは、かなり危険。コースデータのほうを信用して、「枠番はフラット、脚質は先行勢と中団待機組が拮抗」という捉え方をしたほうがいいはずだ。
年齢別成績では、4歳馬が[7-6-3-17]で複勝率48.5%、複勝回収値206という素晴らしい結果を残している。次いで5歳馬、6歳馬という序列で、7歳以上になると成績は急降下。若くてフレッシュな馬のほうが期待できるレースといえる。そして前走距離別成績では、芝1400m〜1600mからの距離延長組に注目。信頼度、回収値のいずれも意外なほど高く、とくに人気薄については、かなりの警戒が必要となる。
あとは前走での人気と着順も、しっかり確認しておきたいファクター。まずは前走での人気だが、こちらは「3番人気以内」だった馬を高評価したい。トータル[6-6-4-28]で複勝率36.4%と信頼度が高く、回収値もなかなかのレベルにある。それとは対照的に、前走での着順は「6着以下」の馬が好内容。前走5着以内馬と前走6着以下馬を比較すると、信頼度にほとんど差がなく、回収値は後者が圧倒的に高いことが判明する。
最後に騎手関連データだが、継続騎乗と乗り替わりでの成績差は小さく、それほど気にする必要なし。それよりも、鞍上が関西所属騎手かどうかのほうが、はるかに重要だ。外国人騎手も高信頼度だが、それ以上の結果を残しているのが関西所属騎手。単勝適正回収値142.1、複勝回収値106と、人気薄での爆発力も文句なしで、コレだけで「買い」といっても過言ではないほど。今年も大いに注目したい。
【血統総論】 血統面からは、ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、マンハッタンカフェ産駒、ヴィクトワールピサ産駒をプラス評価の対象とした。なかでも注目したいのが、14勝をあげているヴィクトワールピサ産駒。複勝率が31.0%と高いだけでなく、単勝適正回収値133.8、複勝回収値150と爆発力も非常に強い。高いコース適性を有しているのは間違いないので、もし出走してくるようならば要注意だ。
★出走予定馬 総論×各論 本稿執筆段階で、出走の意向が把握できているのは19頭。これならば、フルゲートでの激戦が期待できそうだ。とはいえ、コレという存在を欠く、なんとも悩ましいメンバー構成。騎手想定があまり把握できていないので、現時点で正確にジャッジするのが難しいというのもあるが、それにしても難解だ。
現時点でのトップ評価は
ヴェロックス。前走の日経新春杯では2番人気に推されるも9着に大敗している。3歳時に見せていた輝きがなかなか取り戻せずにいるが、キッチリ仕上がって出走してくるならば、ここはかなり面白そう。前走での人気&着順は、このレースの好走パターンに見事に合致している。また、おそらく関西所属騎手が騎乗するというのも、非常に大きなプラス。人気を落としそうなのもオイシイ。
二番手評価に
アルジャンナ。こちらも誰が乗るかは把握できていないが、これまでの流れから考えて、関西所属騎手となる可能性が高そうだ。4歳馬というのは大きな強みで、前走のマイラーズCでは2着に好走。距離延長でここに臨むディープインパクト産駒というのは、なかなかポイントが高い。全弟の2歳馬コマンドラインが話題を集めているが、こちらも素質の高さはかなりのもの。重賞初制覇も十分にありうる。
三番手評価に
サトノフラッグ。こちらも4歳のディープインパクト産駒で、前走の金鯱賞は5番人気で7着という結果だった。2走前のアメリカJCCでも11着に敗れていることから、ここではけっこう人気を落とす可能性もありそうだ。とはいえ、3歳時には菊花賞でも好走している力の持ち主で、気ムラな部分はあるが素質は上位。こちらも、このレースでの「巻き返し」がいかにもありそうなパターンといえる。
以下はアドマイヤビルゴ、マイラプソディ、ファルコニア、セダブリランテスといった評価の序列だが、前述したように現時点では判断材料に乏しい。各馬の鞍上や馬場バイアスの変化などを把握してから、改めて最終的な結論を出すことになりそうだ。難解なメンバー構成でも、意外に大荒れはないのがこのレース。4〜6番人気の中穴を重視しつつ、適度にオイシイ配当を狙っていきたい。
■総論×各論・先々週の馬券回顧
スマッシュヒットー(*^ω^)♪今年のダービーで、前走が「1着または勝ち馬からの着差0秒5以内」で、なおかつレース当日「マイナス体重」という条件を満たしたのは、10シャフリヤールと11ステラヴェローチェの2頭だけ。その2頭が見事に1着と3着に入るという、珍しく満足のいく結果に終わりました。トップ評価だった01エフフォーリアも絡めて買っていれば……といった後悔もちょっぴりありますが、それは贅沢の言い過ぎか(余裕)。
あとは、Cコース替わりでも意外に内有利の馬場にならなかったというのも、来年へ向けて覚えておきたいポイント。Bコースの時点で「今年はちょっと変えてきてるな」という印象でしたが、結果的にかなりフラットな馬場に。やっぱりこういう馬場でのダービーのほうが、公平感があっていいですな。
※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2011年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気平均−着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!