▲和生騎手が競馬で大事にしていることとは (撮影:山中博喜)
キャリアハイをマークし、今まさに勢いに乗っている横山和生騎手をお迎えしての対談。
第3回目となる今回はブレイクまでの過程をさらに深堀りしていきます。葛藤もありながら「自分のなかで納得できる騎乗が増えてきた」という和生騎手…“乗り方”に焦点を当てつつ、競馬への思いに迫ります。
(取材・構成=不破由妃子)
父・典弘騎手によく言われたこと
──3回目となる今回は、和生さんのブレイクの過程にさらに迫っていきたいと思います。一年前の対談で、「2019年の夏あたりから、自分のやりたいことと気持ちが噛み合ってきた」とお話しされていましたが、そこに辿り着くまでには、どういった葛藤があったのですか?
和生 少し前までは、その馬に対して自分が乗って感じたことと、レース前に聞いた話や指示内容が噛み合わないことが多くて、乗り終わったあとに後悔することがけっこうあったんです。そういうときに、「馬はちゃんとお前に話をして、お前もそれを聞いてあげたのに、結果的にその馬の話を無視したな」って父によく言われました。
佑介 ノリさんらしい指摘だね。
和生 そうですね。でも、なかなかチャンスをもらえなかったこともあって、指示とは違う乗り方をしてクビになるのが怖かったところもありました。でも、いつからか馬のリズムと僕のイメージを大事に乗るようになって、そうしたらちょっと結果もついてくるようになって。
もちろん、全部が全部、自分の感覚が正解だったとは思いませんが、自分のなかで納得できる騎乗が増えてきたんですよね。そういう競馬を見て、依頼をくださる方が最近は増えてきたなという実感はあります。
──最近、四位調教師とお話しする機会があって、「今年の和生がなんで調子いいのかわかる?」って聞かれたんです。私が言い淀んでいたら、「昔の和生は考えすぎていたけど、今の和生は考える前に体が動いている。だからあれだけ勝つんだよ」とおっしゃっていて。