何らかの“特別措置”を講じる必要がある
なにはともあれ、今週の中央競馬が予定通り開催されそうなので何よりです(3日午後2時時点の話)。
ついにJRAの騎手からも新型コロナ感染者が発生してしまいました。というよりも、よくぞここまで誰も感染しなかったものだ、と思います。
先週も書きましたが、自分も含め、いまだに感染していない人は、奇跡的幸運に恵まれていると言ってもいいのではありませんか?
ただ、よく考えてみると、この夏の感染拡大の中で、JRAが騎手に対して目新しい予防対策を実施したことはなかったと思われます。
みなさんも覚えていらっしゃるとおり、昨年春のコロナ感染が始まった時には、土日に異なる競馬場で騎乗することを不可として、騎手の移動を最小限に留めようとしていました。
ところが、そういう措置がとられたのは一時的。この夏の東京オリンピック閉幕後、札幌、新潟、小倉でレースが開催されてきましたが、3場と東西トレセン間の移動は“ふつう”に行なわれていたわけです。
今回、保健所からは、調整ルームや検量室での濃厚接触はなかった、と認定されたとのこと。だからクラスター発生に至らなかったのかもしれませんが、今や濃厚接触の有無は“救い”にはならないでしょう。
昨年春に実施された騎手の移動制限で事足りるわけでは決してありません。しかしこの際、あの時に立ち戻って、何らかの“特別措置”を講じる必要があると思うのですが。
例えば、東西どちらかのトレセンでクラスターが発生した時にも、もう一方の競馬場では競馬を開催できるようにする方策です。
原則として、美浦の騎手は中山と東京、栗東の騎手は阪神と中京での騎乗に制限し、3場目となる競馬場の開催がある場合、騎手は東西から必要な人数を派遣した上、初日から最終日まで現地のホテルに滞在させる、というような。
こういう話は、昨年の春にも『週刊競馬ブック』の「一筆啓上」に書きました。今、それ以上のことが思いつかないのは、私の発想力のなさによるものでお恥ずかしい限りです。
でも、言い訳をさせてもらえれば、すべての“社会的な動き”を止めてジッとしている以外に、感染を食い止める方策がないと思ってしまうほど、コロナは厄介なもの、ですよね。
あとはワクチンよりも、根本的な治療薬が開発されるのを期待するばかり。その課題が解決されていない今は、“残念ながら”より一層感染予防に気をつけ、運を天に任せるしかないようです。
いや、逆に言えば、JRA騎手の中から2人くらい感染者が出た程度で大騒ぎしていては、いわゆる“ウイズコロナ”の社会にすることはできないのかも。とにもかくにも、2人の回復を心からお祈りしています。