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オータムセールが終了、過去最高の年間総売上を更新

  • 2021年10月20日(水) 18時00分

一方で「市場の調整」は来季への大きな課題


 10月18日(月)、19日(火)の二日間にわたり北海道市場を会場に開催された「オータムセール」が無事終了した。これをもって日高軽種馬農協の主催する2歳馬(トレーニングセール)及び1歳馬の各市場は全日程を終えたことになる。全体の総括は後述するとして、まずオータムセールから触れたい。

 初日は新規申し込み馬213頭(牡71頭、牝142頭)が上場され、162頭(牡55頭、牝107頭)が落札された。売り上げは税込み5億9147万円。1頭当たりの平均価格は牡430万4000円、牝331万5421円で、全体では365万1049円。中間価格は牡363万円、牝275万円、牡牝合わせると324万5000円となる。

 二日目は、セレクト、セレクション、八戸、九州、サマー、セプテンバーと今年の1歳馬市場に上場歴のある馬たち244頭(牡117頭、牝127頭)が上場され、186頭(牡94頭、牝92頭)が落札された。二日目の売り上げは6億7749万円。1頭当たりの平均価格は牡448万1915円、牝278万4674円、全体では364万2419円。また中間価格は牡346万5000円、牝236万5000円、牡牝合わせると280万5000円であった。

 二日間の合計では、457頭(牡188頭、牝269頭)が上場され、348頭(牡149頭、牝199頭)が落札、総額12億6896万円という結果である。1頭平均364万6437円。前年の数字と比較すると、上場頭数が9頭減、落札頭数も17頭減だが、総額では902万円の増となり、平均価格も19万4547円の上昇であった。売却率は76.15%とこちらは2.18%微減となった。

 最高価格馬は二日目に上場された372番ビヴァレッジクイーンの2020(牡黒鹿毛、父Good Samaritan、母の父Indygo Shiner)の2530万円(落札価格2300万円)。販売申込者・(株)白井牧場、落札者は藤原正一氏。

生産地便り

▲二日間を通しての最高価格馬ビヴァレッジクイーンの2020、▼その落札の様子


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 次点は398番ベラルーナの2020(牡鹿毛、父ドゥラメンテ、母の父ディープインパクト)の2310万円(落札価格2100万円)。生産・販売申込者は上村清志氏。飼養者はセールスプレップサービス。落札者は森中蕃氏。

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▲全体の2番目の価格で落札されたベラルーナの2020、▼その落札の様子


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 また牝馬では初日に上場された199番マイネウェリナの2020(芦毛、父シルバーステート、母の父キングカメハメハ)の1430万円(落札価格1300万円)が最高価格馬であった。生産・(有)静内白井牧場、販売申込者シグラップ・マネジメント(株)、落札者は松本好雄氏。

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▲牝馬の最高価格はシルバーステート産駒のマイネウェリナの2020


 今回のオータムセールで、5月の北海道トレーニングセールを皮切りに、7月セレクション、8月サマー、9月セプテンバーと続いた日高軽種馬農協主催の全市場が全て終わったことになる。改めて各市場の数字を簡単に振り返ってみると、北海道トレーニングセールが124頭中83頭の落札で6億5131万円、セレクションセールが234頭中202頭の落札で40億1577万円、サマーセールが1336頭中1004頭の落札で69億1240万円、セプテンバーセールが478頭中346頭の落札で16億9015万円、そしてオータムセールが457頭中348頭の落札で12億6896万円という結果となった。年間を通じての総売り上げは、145億3859万円と、過去最高の数字をたたき出した。

 市場を振り返って、日高軽種馬農協の木村貢組合長は「一年を通じての課題は、やはりサマーとセプテンバーとのバランスをどう取るか、が最大の課題だろうと思っています。サマー4日間、セプテンバー3日間の日程に何とか収めるための工夫が必要になってくるでしょうね。

 また今年はコロナ禍の影響もあってオンラインとの併用(ハイブリット形式)で開催しましたが、ようやく購買者の方々も慣れてきたように感じます。やはり今年の市場の成績は地方競馬の好調に支えられている部分が大きいと考えております。セプテンバーまでに予定頭数を買い切れなかった地方競馬の方々がオータムで買われていたという印象ですね」と総括した。

生産地便り

▲オータムセールを終えて、鑑定人とスタッフによる1枚


 今年の場合、サマーセールは申し込み頭数が1400頭超、セプテンバーセールも500頭を超え、この二つの市場だけで約2000頭に迫る上場申し込みであった。生産者はできるだけ早期の換金化を望むため、セプテンバーよりはサマーセールへの上場を希望するケースが多く、サマーで溢れた分をどうやってセプテンバーに振り向けるかが来年に向けての大きな宿題となる。

 仮に来年も両市場で2000頭の申し込みがあると考えると、前記の4日間と3日間という日程の枠内に収めるとすれば、だいたいサマーセールが1200頭、セプテンバーセールが800頭という配分になろうか。これをどうやって“調整”すべきか、組合の打ち出す方針に注目したい。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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