▲今週からは編集部が選んだ横山典弘騎手の神騎乗を紐解いていきます! (撮影:桂伸也)
横山典弘騎手をゲストにお迎えしての対談。“ポツン騎乗”について語った第1回は、大変大きな反響をいただきました。ありがとうございました。
今週からは、編集部が選んだ横山典弘騎手の神騎乗について、種明かしをしていただきます。今回取り上げるレースは「セイウンスカイで制した1998年の菊花賞」。スペシャルウィークやキングヘイローを抑えての、伝説の逃げ切り勝利。なんと、勝因はこのレースの中にはないと言います。はたして、その真相とは?
(取材・構成=不破由妃子)
武史騎手も菊花賞を勝利、そこには数々の共通点が
──では、さっそく横山典弘騎手の神騎乗を振り返ってまいりましょう! netkeiba編集部員が選ぶ神騎乗ベスト1は、セイウンスカイで制した1998年の菊花賞です。これは伝説といっていい逃げ切りでしたよね。
佑介 2枠4番だったんですね。京都3000mの内枠って、少しでも遅れたら行けないから、逃げるのが難しい印象があります。セイウンスカイって、スタート自体も速い馬だったんですか?
横山 いや、普通だね。飛び抜けて速いわけじゃなかった。でも、あんまりそういうのは気にしていなかったかも。扱いやすい馬だったから。
──前半1000m通過が59秒6。菊花賞にしては速いペースでしたが、これも横山さんの計算だったのかなと。そこが知りたいです。
横山 ん〜、“速いラップ”っていうのが俺にはわからないんだよ。1頭1頭に“自分のペース”があるなかで、ラップはただの数字に過ぎないわけで。セイウンスカイはね、どちらかといえばタメて切れる馬ではなく、全体的なスピードを維持しながら、とにかく気分を害さないというのが一番大事なタイプだった。それ以前にね、勝因はこのレースのなかにはないんだよ。