2頭を最優秀馬に選ぶことはできないのか
先週の当コラムにマルシュロレーヌのことを書いたら、驚くほどの反響がありました。21日午前10時時点の注目数は120。これは当コラムにとっての“最多記録”です。
過去の記録は、2016年12月3日に、当時のテレビ東京・鷲見玲奈アナが『ウイニング競馬』を卒業する、という話を書いた時の116。100を超えたのはそれ以来2度目となりました。
今回の注目数の多さは、「同馬にはJRA賞特別賞を与えるべきだった」というご意見が多数あることを物語っていると思います。それこそが同馬に対する“特別賞”と言ってもいいでしょう。
さて、今週はNARグランプリの話。昨年末の当コラムにも書きましたが、不肖私、このたび同グランプリの優秀馬選定委員会委員に就任しました。
選定委員会が行われたのは先週13日。初出席した私としては、ここでその様子を詳しくご報告したいと思っていました。
でも、選定経緯はNAR・地方競馬全国協会のホームページに公表されているとおり。さらに18日更新の『斎藤修の喜怒哀楽』では、それをもとに斎藤さんが解説を加えています。あわせて読めば、だいたいのことはおわかりいただけるはずです。
18日更新の『斎藤修の喜怒哀楽』 そこでも明らかにされているとおり、年度代表馬選定に直結することになった4歳以上最優秀牡馬の選出は、ミューチャリーかカジノフォンテンかで意見が真っ二つにわかれました。
14人の委員の挙手によって採決した結果、8対6でミューチャリーに決したわけですが、言うまでもなく、8人のうちの1人がカジノフォンテンにしていたら7対7の同数だったのです(規定によると、その場合には委員長が決定)。採決の前には、「2頭を最優秀馬に選ぶことはできないのか」という話になったほど。2頭の甲乙付け難さは尋常ではなかったという証し。ここまで“ハイレベルなマッチレース”はNARグランプリ史上、前代未聞だったと思われます。
そして、ダートグレード競走特別賞馬選定の際にも、再度激論が交わされました。ここでもミューチャリーを推す声があり、同馬が受賞した場合、カジノフォンテンが“無冠”となるため、こちらには特別賞(今回はマルシュロレーヌが受賞)とは別に、今回限りの“特別賞”を与えてはどうか、という話まで出たのです。
ミューチャリーが最優秀4歳牡馬に選ばれたのは、地方馬初のJBCクラシック制覇が評価されたから。カジノフォンテンのダートグレード競走特別賞受賞は、JpnI2勝が決め手となったもの。これは斎藤さんの解説どおりです。バランスを取って意図的にそうしたのではなく、結果的にそうなったと思っています。
そして、マルシュロレーヌの特別賞。これはもう当然ですよね。でも、“世論”に流されて決めたわけではありませんよ!