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JBC開催で賞金アップ

  • 2022年02月22日(火) 18時00分

地方競馬が盛り上がるのは喜ばしいことだが…


 地方競馬では新年度(2022年度)の開催日程などが各主催者から順次発表されている。右肩上がりを続ける売上は、過去最高だった1991年度の約9862億円に迫る勢いもあり、それにともない賞金アップも目立っている。

 8年ぶり3度目の盛岡開催となるJBCでは、クラシックの1着賞金(以下、同)が昨年までの8000万円から1億円に、スプリントが6000万円から8000万円に、レディスクラシックが4100万円から6000万円に、それぞれ増額となった。

 クラシック、スプリントの賞金は、2001年の創設時にそれぞれ1億円、8000万円だったのが、レディスクラシックが加わった2011年にそれぞれ2000万円ずつ減額となり、そのぶんがレディスクラシックの賞金となったのだが、今回の増額で創設当初と同額に戻ったことになる。また引き続き門別競馬場での開催となるJBC2歳優駿も、昨年までの3000万円から3500万円に増額となっている。

 11月3日の盛岡・JBC開催では、同日に芝の地方全国交流重賞で2歳馬によるジュニアグランプリと、3歳以上によるOROカップが組まれている。ともに岩手グレードM1であることはこれまでと同様だが、ジュニアグランプリは昨年までの400万円から2000万円に、OROカップは一昨年の500万円から昨年1000万円にアップし、今回はさらなる増額で3000万円となった。JBCと同日開催になったからなのか、ともにグレード重賞と遜色のない高額賞金で争われる。

 近年のOROカップには、中央のオープンや準オープンクラスで頭打ちとなって地方に移籍した馬の出走が目立ってきていたが、この賞金ならさらにレベルの高いメンバーが集まりそうだ。またジュニアグランプリにはシーズン終盤のホッカイドウ競馬から有力馬の参戦が期待できそうだ。

 そのほか岩手競馬の主要重賞では、JpnIIIのマーキュリーCとクラスターCが2300万円から2800万円に、ダービーグランプリが2000万円から2500万円に増額されている。

 来年度の賞金については、まだ発表されていない主催者も少なくないが、たとえば兵庫では2020年から3歳馬の兵庫ダービーと楠賞が2000万円に、年末のグランプリレース・園田金盃も3000万円となっている。一方で、JpnIIIの兵庫ゴールドトロフィーも2020年の2500万円から2021年は3000万円となったが、これは2〜5着の賞金も含めて、園田金盃と同額。

 もちろん賞金が上がることは歓迎すべきことだが、たとえばもともと賞金が高い南関東では有力馬がダートグレードを避け、時期の近い南関東の重賞に出走するような状況が疑問視されることがある。

 レースの格からすれば、言うまでもなく地方重賞より中央と交流のダートグレードのほうが上であるべきで、そうした賞金バランスについてはあらためて見直していく必要があるのではないか。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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