▲この春大活躍の吉田豊・隼人兄弟の対談後編!
兄・豊騎手がパンサラッサでドバイターフを勝ち、弟・隼人騎手はポタジェで大阪杯を制覇するなど、勢いのある吉田兄弟。1990年代にはメジロドーベルとのコンビで活躍した豊騎手は落馬による大怪我に見舞われながらも円熟味を増し、隼人騎手は栗東に拠点を移したことでさらなる飛躍を遂げています。
キャリアを重ね、変化を遂げるお互いのジョッキーとしての姿を吉田兄弟はどう見ているのでしょうか。それぞれにGI馬で臨む宝塚記念を前に、貴重な兄弟対談が実現!
後編ではパンサラッサとポタジェ、それぞれの騎乗馬について理想的な展開を語り合うのですが、どうやらポタジェ・隼人騎手にとっては稀代の逃げ馬・パンサラッサの存在はありがたいようです。
(取材・構成=大恵陽子)
理想の展開「スローに落とすよりは淡々としたペースに」
──豊騎手は17年の落馬で頚椎を骨折し、約1年3カ月に及ぶ療養を余儀なくされましたが、今年はパンサラッサとドバイに渡りG1制覇を果たしました。矢作芳人調教師とは以前から縁があったそうですね。
豊 デビューした年に北海道に行った時に当時調教助手だった矢作先生と出会って、それからずっと可愛がってもらっています。
──そんなつながりのある矢作厩舎での海外G1制覇だったんですね。
豊 ホント嬉しかったですね。中山記念も乗せてもらったのですが、関東圏に遠征してくる時に声をかけてもらうことが多かったので、まさかドバイでも声をかけてもらえると思っていませんでした。レース後は帰国準備に忙しくて、「よかった。また帰ってからゆっくり」くらいしか会話はできなかったですが、勝ててよかったです。
隼人 チャンスのある馬だと思っていたし、「勝てる、勝てる!」と思いながら応援していました。日本時間では深夜12時を回っていて、調整ルームの壁は薄いんですけど、声も出ていたと思います。接戦だったので、勝って本当によかったです。
▲ドバイターフを勝利し抱き合う吉田豊騎手と矢作芳人調教師(c)netkeiba.com
──豊騎手の活躍に負けじと弟・隼人騎手も今年だけですでにGI2勝と存在感を示しています。
豊 いろんな厩舎の人に可愛がられ、乗せてもらってナンボなので、栗東でチャレンジしようと思った隼人もすごいと思うし、たくさん乗せてもらって兄としてありがたいなと思います。
──宝塚記念では展開の鍵を握る1頭がパンサラッサ。現時点でレースプランはどう考えていますか