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“小牧太騎手になんとか1勝を” 厩舎からのサポートに「僕もその気持ちに応えんと」

  • 2022年06月28日(火) 18時01分
太論

▲琵琶湖の周りをウォーキングしている小牧太騎手(提供:小牧太騎手)


先週は、花のみちSに出走したニホンピロランドが際どい4着! 2戦目でしっかり変わり身を見せてくれました。小牧騎手も「勝てる力はある」と能力を再認識した様子。使いつつのタイプですから、次走が楽しみです。このほか、ユーザーからの質問を2つほどピックアップ。競走馬の難しさ、そしてその難しさとの向き合い方について、現在のスタンスを明かしてくれました。

(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

力が足りないかなと思う馬でも、いいイメージを持ってひとつでも上に


──花のみちS(6月26日・阪神10R)のニホンピロランドはコンマ2秒差の4着。2戦目できっちり変わってきましたね。

小牧 前回も仕上がっていたけど、やっぱり2走目のほうが走ったね。なんか久しぶりに追ってしっかり伸びる感覚を味わったわ。もう必死やった。今までやったら、あの競馬で勝てるはずなんやけど、やっぱり3勝クラスは簡単じゃない。僕の前に北村友一くん(1着オーヴァーネクサス)がいたでしょう。僕の馬より手応えがよかったもん。あの馬、強いわ。

──レース後のコメントでも、勝ち馬の強さに言及されていました。

小牧 ホントに強いなと思ったから。北村友一くんも、復帰後初勝利でよかったよね。みんなで「おめでとう!」言うとったわ。「泣けよ」って言うたんやけど、泣かんかったな(笑)。まぁニホンピロランドもね、慣れてきたら勝てるんちゃうかなっていう感覚はつかめたけどね。勝てる力はあるわ。

──叩きつつのタイプですから、ここからが本領発揮かと。

小牧 これまで使ったことはないけど、今なら小倉の1700mもいいなと思ってるよ。競馬が上手になって、乗りやすくなっているから。服部厩舎の担当の子がね、僕のことをむっちゃ応援してくれていて。僕になんとか1勝させて、引退を阻止しようと頑張ってくれてるわ。うれしいよね。僕もその気持ちに応えんと。

──では、ユーザーからの質問です。「少し前からパドックなどでミストが出ていますが、どの程度効果を感じていますか? やはり体感温度が多少は下がるのでしょうか?」。

小牧 ああ、昔よりは下がっているような気がする。実際はあんまり気にしたことがないけどね。なんせ僕自身、気合いが入っているから、常に汗だくや。むしろ、僕の汗のほうがミストになっているかも(笑)。

──小牧さんの体から蒸発した汗がミストになっていると(笑)。

小牧 今度、よく見てみて。ミストみたいにモワーッと出てるかもしれんで(笑)。なんせよく汗をかいてるからねぇ。先週も暑いなか、2日くらい走ったわ。しかも、昼の2時くらいに。

── 一番暑い時間帯じゃないですか。

小牧 うん、わざとね。1日目はサウナスーツを着て走ったんやけど、さすがにぶっ倒れそうになった(苦笑)。やっとこさ家に帰ったわ。でもね、琵琶湖の周りを走っているから、風が気持ちいいんやわ。景色もいいしね。

──続いての質問です。「小牧騎手が感じる競走馬の一番の難しさってどういうところですか? 小牧騎手ほどのベテランでも、いまだに頭を抱えるような難しさがあれば教えてください」。

小牧 常に走ろう走ろうとする馬は難しいね、折り合いとか。走りたがらない馬を走らせるのも難しいけど、やっぱり抑えるほうが難しいし、それこそテクニックやん。どっちにしても、難しいことばっかりやで。素直で誘導しやすい馬が一番楽やけど、そんな優等生は少ないから。

──近年の走る馬は、以前にも増してパワーがあるといいますものね。そのパワーをコントロールするテクニックが今は重要だと。

小牧 折り合いをつけるのって難しいからね。たくさん勝っているジョッキーは、抑えるのが大変だと思う。もちろん、追い通しの馬もしんどいけど、それも宿命や。とにかく難しいよ、“馬に乗る”ということは。ただね、難しさばかりに意識を向けるのではなく、僕は「こうしたら走るやろう」とか、いいイメージしか持たんようにしてる。力が足りないかなと思う馬でも、いいイメージを持ってひとつでも上の着順を目指したいからね。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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