
▲中京記念は8着と健闘したレインボーフラッグ(写真は2017年の天神橋特別出走時・ユーザー提供:evangelionさん)
5年ぶりのタッグとなったレインボーフラッグで挑んだ中京記念は8着。とはいえ、勝ち馬とはコンマ5秒差で、ベテランコンビの意地を見た気がしました。そんな一戦を振り返り、「ものすごく頑張ってくれた」と馬を労う小牧騎手。52キロに備えた1週間の過ごし方など、中京記念の舞台裏を明かしてくれました。
(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
9歳だけど馬は元気、よう頑張ってくれた!
──中京記念のレインボーフラッグは8着。直線でミスニューヨーク(4着)と併せ馬になったときは力が入りました。
小牧 馬はものすごく頑張ってくれたよ。道中も手応えがよかったから、そのときにもっと動いて行けばよかったなと思ったりもするけど。そうしたら、もっと上が狙えたかもしれんね。
──向正面では、無理せず1番人気ファルコニアの直後に上がっていきました。
小牧 ペースが遅いなと思いながら乗っていたから。結局、逃げ切られてしまったね。まぁ、レインボーフラッグはよう頑張ったよ。
──本当にそう思います。なにしろ単勝185倍でしたから。
小牧 (100倍超えは)あの馬だけだったねぇ。その数字を見たとき、なんか悔しい気持ちになったわ。
──終わってみれば、勝ち馬とコンマ5秒差。しかも、賞金の出る8着までに入った。大健闘だと思います。
小牧 ムチの使用法で戒告をもらってしまったけどね。数えたら13発。連打じゃなければ大丈夫かと思ってたんやけど、一完歩ごとでもアカンねんな。僕、普段はあんまり叩かないからね。気を付けな。
──小牧さんも気持ちが入ってるなぁと思いながら観てましたよ。
小牧 当然気持ちも入っていたし、減量して軽くなった体で一生懸命に乗ったから、体が動いたんちゃうかな。その反動なのか、今日(月曜日)もまだ疲れが残ってるわ。サウナだけに頼らず、運動しながら52キロに備えたから。
──多少無理されたところもあったんですね。
小牧 多少はね。食べ物は1週間を通して控えていたし、あとはエアロバイク。小倉でもサウナの近くの廊下に置いてあるねん。それを2日間ずっと漕いでたわ。もうね、汗が出る出る(笑)。久々の重賞やったけど、それよりも頭のなかは52キロでいっぱいやった。落としながらも、万全の体調で臨みたかったからね。ギリギリやけどなんとかなったし、今回は楽しみながら減量できたよ。成功やね、今回の減量は。
──夏競馬のあいだに、また52キロの依頼があるかもしれませんね。
小牧 そうやね。頼まれたら、もちろん乗ります。
──それにしても、レインボーフラッグとのコンビは実に5年ぶりでした。久々に味わう背中はいかがでしたか?
小牧 9歳だけど、馬は元気ですよ。さすがに体のラインや張りとかは若い頃と同じとは言えんけど、気持ちは本当に元気。歩様もしっかりしているしね。厩舎の人には「まだやれるよ」と伝えました。
──厩舎の方も、結果には喜んでいたのでは?
小牧 うん、喜んでくれてたよ。真面目に走ってないって聞いていたんだけど、昨日は一生懸命走っていたような気がする。まだまだやれる手応えを感じたから、また乗せてもらえたらいいんやけどね。
──水曜日のウイングブラボーは3着(7月20日・名古屋10R・名古屋CCマスカット)。勝ったかと思いましたが…。
小牧 僕も勝ったと思ったよ。ホンマに勝ったと思った。勝った馬(サウンドキングダム)が4コーナーを回るときに外に行ったから、しめしめと思いながら余裕を持って追い出したんやけど、相手の馬は遊んでたわ。僕の馬は一生懸命に走っていたけど、相手の馬はまだ余裕があった。
──最後はクビ、ハナの決着でしたが、着差以上に力差を感じたと。
小牧 そうやね。それに、勝った馬はパドックでもすごく馬がよく見えた。僕も自信はあったけど、パドックで相手の馬を見た瞬間、「これは強敵やな」と思ったくらい。今週の水曜日も地方交流に行きますわ。今度は牧田厩舎のワンダーアリウープで園田に行きます。まだ一戦しかしていない馬だから(6月11日・中京2R・3歳未勝利15着)、どれだけやれるかわからないけど、チャンスをもらったからには精一杯頑張ってくるよ。
──さて、今週、来週は新潟、札幌の2場開催。小倉組には厳しい開催日程ですね。
小牧 新潟は入るかどうかわからんね。関西馬は入らへんから、夏休みになってしまうかもしれん。今週は、加矢太が初重賞やわ。
──土曜日の新潟8R・新潟ジャンプステークス、パートナーは初勝利を挙げたヴァーダイトですね。小牧さんも新潟で乗れたら最高なんですけど。
小牧 どうかなぁ。まぁお休みになってしまったら、テレビで応援しとくわ(笑)。今、同期の今村聖奈さんが重賞を勝って注目されているけど、加矢太にも彼女に負けんように頑張ってもらいたいね。
(文中敬称略)