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「僕のことをずっと気に掛けてくれてた」小牧騎手に競馬を教えてくれた恩人へ 改めて誓う1勝

  • 2022年08月02日(火) 18時01分
太論

▲小牧騎手とは2勝を挙げた住吉朝男師の管理馬ワキノハガクレ(ユーザー提供:kuroさん)


先週は“夏休み”になってしまった小牧騎手ですが、土日とも早朝3時に起床して調教に乗り、午後はスローランニングで体作りに励んでいたそう。さて、今週の『太論』では、ユーザー質問を2つほどピックアップ。古巣・兵庫の話題から、最近小牧騎手の身に起きたショックな出来事が明らかになり──。一から十まで教えてくれたという恩人への思いを語ってくれました。

(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

初めての重賞は3着、夫婦で正座して加矢太騎手を応援!


──重賞初騎乗となった加矢太さんは3着(新潟ジャンプS・ヴァーダイト)。いい競馬でしたね。

小牧 うん、いい競馬やった。ただ、重賞だけにまわりも強かったね。僕は先週、休みになってしまったから、夫婦で正座しながら自宅で応援していたよ(笑)。

──想像すると、とっても微笑ましい光景(笑)。

小牧 その前にしっかり仕事してね。土日とも朝3時に起きて、調教に乗ってたわ。休みとはいえ、体を動かしておかなアカンからね。今週も流動的やなぁ。

──フチサンメルチャンが驀進特別(8月7日・新潟9R)に登録していますね。

小牧 関西馬はなかなか入らんからねぇ。メルチャン以外にも何頭か登録はするやろうけど、今週末もまだわからんね。もちろん、1頭でも入れば新潟に行きますよ。

──では、ユーザーからの質問を。「この暑さのなか、ジョッキーのみなさんはしっかり熱中症対策をしていると思いますが、馬に対しても何か対策をしているのでしょうか。やはりレース後に様子がおかしくなる馬などいるのですか?」。

小牧 いるよ。新潟ジャンプSのあとも、倒れとった馬がいたでしょう。

──ああ、テイエムコンドルですね。

小牧 ゴール板を過ぎて、戻る途中に倒れたらしい。詳しくは知らんけど、暑さの影響もあったんちゃうかな。最近は、パドックでも輪乗りのところでもミストが出ているし、昔に比べれば対策は取れていると思うけど、それでも暑いもんは暑い。あと、小倉でいうと、検量室の横に上から水がバーッと出ているところがあって、レース後はそこを行ったり来たりしてるわ。昔はそういう設備はなかったけどね。

──小牧さんは以前、塩をなめているとおっしゃっていたような。それも熱中症対策ですか?

小牧 いやいや、あれは「事故が起きませんように。落馬しませんように」という清めの塩や。鞍置きに必ず用意しておいて、乗る前にほんの少しなめてる。

──てっきり熱中症対策かと思っていました。でも、小牧さんは暑さに強いですよね。

小牧 強いね。土曜日もね、昼の2時から1時間走ったわ。汗をかきながらゆっくり走るスローランニングやけど、むっちゃ気持ちいいで。

──続いての質問です。「函館、札幌で3連勝したブラッティーキッドは地方からの出戻りですが、明らかに強くなって戻ってきました。珍しいパターンかと思いますが、地方で走ることで強くなるというのは、どんなことが考えられますか? もしかして、兵庫の柏原調教師という方はスゴ腕なのですか?」。

太論

▲地方から合わせて8連勝中のブラッティーキッド(c)netkeiba.com


小牧 移籍した時期と成長期が重なって、馬がよくなる場合があるね。あとは地方の場合、短い距離しかないから、常に前に行くでしょう。そういう競馬を続けるうちに、行き脚がつくようになる馬もいる。もちろん、調教師の手腕もあると思うよ。治療法とか調教法とかも人それぞれやから、どの厩舎に入るかで違ってくる。たぶん調教師や厩務員の力も大きいんちゃうかな。

──柏原調教師はお知り合いですか?

小牧 知ってるよ。深い付き合いがあるわけではないけど、厩務員の頃から知ってるわ。園田にいる頃は、柏原さんが担当する馬に乗ったりしていたしね。調教師になってからはあまり知らんのやけど、すごく真面目な人という印象やね。そういえばこの前、園田の住吉(朝男)調教師が亡くなりはってね。曾和厩舎の一番弟子で、僕の兄弟子ですわ。

──そうでしたか…。まだお若いですよね。

小牧 65歳やった。住吉さんには、15歳のときからお世話になってね。馬に乗せてもらって、最初に曳き運動をしてくれたのが住吉さんやった。僕に一から十まで教えてくれた人です。

──最近まで交流があったのですか?

小牧 いや、最近は全然。少し前までは毎年お会いしていたんやけど、最近は体調が優れないということで、なかなか機会を作れなかった。お通夜に行ったんやけど、そこで昔の仲間たちと会ってね。彼らに聞いたところによると、住吉さん、「あいつが頑張っているから、俺も頑張るわ」言うて、僕のことをずっと気に掛けてくれていたみたい。改めて、頑張らなという気持ちになったよ。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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