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「あとに続く人材が現れるように」異例の新人・小牧加矢太騎手が請け負う使命と“別人になれた”半年を語る

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  • 2022年09月26日(月) 18時02分
加矢太論

▲加矢太論、最終回です(撮影:下野雄規)


8月から始まった小牧加矢太騎手の短期連載『加矢太論』は今回が最終回。この2カ月間、馬術チャンピオンから障害専門のJRAジョッキーへの転身という異例の新人騎手が、これまであまり知られていなかった障害馬の秘密や障害レースの魅力を加矢太騎手独自の視点から解説してきました。

騎手デビューから半年が経った今、想像以上だったという障害馬を作る苦労、競馬界で定着した新たな自分、半年で訪れた様々な気づきに「毎日が本当に楽しい」と充実した日々を振り返ります。そして最後に、“異例の新人”に課せられた使命「あとに続く人材を作る」ことについて、加矢太騎手からご報告。

(取材・構成=不破由妃子)

たった一年で僕の人生は劇的に変わりました


 先週の木曜日、セルリアンルネッタとダンツキタイが障害試験に挑みました。結果は、見事2頭とも合格! どちらも障害練習を初めて2週間足らずでしたが、自信を持って臨むことができました。

 ダンツキタイのタイムは104秒9。時計自体は速くはないですが、小器用で飛びのセンスもよく、難なくクリアしてくれました。3歳牝馬で、まだ力が付き切っていないところはありますが、本当にお利口で真面目な女の子。当初に感じた期待以上に可能性のある走りをしてくれたので、どこまでやってくれるのか楽しみです。

 セルリアンルネッタは、血統背景も含めて当初からおもしろさを感じていた馬で、大きな障害もきれいに飛べる飛越能力を持っています。ただ、ダンツキタイに比べると、スピードを上げたときの対応力に少々課題がありそうです。ただ、大きい障害を飛ぶ際の姿勢などは、「おっ!」と思わせるものがあり、本場の障害では武器になるのではないかと思います。

 2頭の今後の予定ですが、10月15日にセルリアンルネッタ、その翌週にダンツキタイがどちらも新潟でデビューする予定です。9月15日の障害試験をクリアしたタマモワカムシャも新潟でお披露目予定で、10月は9月に試験をクリアした馬たちがドドドッと初舞台を踏みます。新潟は障害の数が少ないぶん、平地力がメインになってくるのですが、3頭とも未勝利馬なので、そのあたりがどう出るかという懸念材料はありますが、飛越に関しては見どころのある3頭なので、その能力を引き出せるよう、しっかりエスコートしたいと思っています。

 さて、早いもので、デビューして約半年が経ちました。コラムは今回が最終回ということで、この半年で気づいたこと、僕自身の変化など、最後にまとめてみたいと思います。

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1996年12月24日、兵庫県生まれ。父・小牧太はJRAジョッキー。一度は競馬への道を志すも、身長が高く体重制限が難しい為馬術の道へ進む。馬術では2016年ヤングライダー障害飛越選手権、2020年全日本障害飛越選手権など複数の全日本大会で優勝。その後障害レース限定の騎手免許試験に合格、2022年にデビューした。馬術からJRA騎手への転身という前例のないルーキーとして注目を集めている。

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