GIII化以降、勝ち馬以外も秋華賞で連対
グレードが付くとこれほど違うのかと感心するのが、紫苑Sの地位向上だ。
オープン特別時代の紫苑Sから秋華賞に進んだ馬は、秋華賞で[1-0-2-60]。ショウナンパンドラの優勝例はあるものの、複勝率4.8%、回収率は単複とも10%台という恐ろしいことになっていた。アネモネS→桜花賞、スイートピーS→オークスが結び付きにくいのと同様に、本番に結び付きにくいレースだった。
ところが、紫苑SがGIIIになった以降だと、秋華賞での成績は[2-4-0-24]。16年で1頭のみだった連対馬が6年で6頭になった。
オークス掲示板組が紫苑Sに出走した数はオープン特別時代の16年で8頭。それがGIIIになってからは6年で同じ8頭になっている。他のレースも含めた前走オープン5着以内馬だとオープン特別時代が16年で17頭、GIIIになってからは6年で15頭で、いずれも1年あたりにしたら倍以上になっている。
紫苑Sの地位が向上したことはファンも感じているので、今年はスタニングローズがある程度人気になるだろう。ただ、穴を狙うという前提なら同馬でなく、当時2着のサウンドビバーチェか3着のライラックを狙うという選択肢もある。
というのも、GIII化以降の紫苑S組は、勝って秋華賞に臨んだ馬が[1-1-0-3]なのに対し、紫苑Sの2、3、4、5着馬からも本番で連対する馬が出ているからだ。秋華賞の施行コースが去年と今年は阪神なのでその影響がどうかは分からないが、惜敗組にもチャンスがあることはお分かりいただけるだろう。