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▲フランス遠征を経てそれぞれが感じた気持ちの変化とは(撮影:興梠真穂)
フランス遠征における生活面の過酷さを語った前回、では肝心の競馬ではどうだったのでしょうか。フランスでは凱旋門賞以上に人気があると言われるディアヌ賞に騎乗し5着など、活躍が目立っている印象でしたが、実は競馬でも心が折れそうになることばかりだったそう。
そのディアヌ賞5着も特に満足されることなく、次走では何事もなく乗り替わり。お世話になっていた厩舎からは「もういいよ」と見放されることも…。それでもメンタルは鍛えられたと前向きな大野騎手、日本ではできないことも多く経験したとのことで、そこから得た気持ちの変化について語ります。
(取材・構成=不破由妃子)
馬に乗っている時間より、馬を触っている時間のほうが多かった
佑介 フランスでは何鞍乗ったんだっけ?
大野 26です。よく乗せてもらいました。2つ勝たせてもらいましたし。
佑介 しかも、ディアヌ賞(仏オークス)に乗ったんだよね。ディアヌ賞といえば、ロンシャンの凱旋門賞、シャンティイのディアヌ賞と言われるくらい格式の高い華やかなレースで、実際、競馬場の盛り上がりはダービーより全然上だよね。
大野 確かにすごい観客数でしたね。
佑介 超羨ましいよ。フランスに行ったことのあるジョッキーは、みんな「ディアヌ賞乗ったの? すごいね」って言ってた。どういう経緯で依頼をもらったの?
大野 ディアヌ賞で乗ったフォールインラブは、ザビッグショート(大野騎手がフランスで初勝利を挙げた馬)とオーナーが一緒なんですよ。ザビッグショートで勝ったからということで、清水先生が僕を推してくれて。
──しかも、15番人気で5着。 “穴の大野”の片鱗を早々に見せつけたなと思いました。
大野 いやいやいや(苦笑)。実際、満足してもらえた感じではなくて、次は普通に乗り替わりで。一時期、清水厩舎自体、「もういいよ」みたいな感じになってしまったこともありました。
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▲“穴の大野”もフランスでは響かず…(撮影:興梠真穂)
佑介 そんなことあったんだ。
大野 ちょっと心が折れそうになりましたね。「俺、仕事ないじゃん」みたいな。
佑介 理由と合わせて直接言われたの?
大野 いえ、エージェントを通して。理由はやっぱり