18頭立てで行われる今年のアルゼンチン共和国杯は、予想オッズで見ると三強ムード。天皇賞春3着のテーオーロイヤル、ホープフルS勝ちの実績を持つ3歳馬キラーアビリティ、重賞で善戦を続けるヒートオンビート。いずれも前走敗退からの巻き返しを図ります。軸に相応しいのはどの馬なのか? 卍氏が独自に開発した評価手法「妙味度」で分析していきます。
(取材・文・構成=オーパーツ・パブリッシング編集K3)
パンサラッサを覚醒させた男
編集K3(以下、K3) 先週の天皇賞秋は残念でした。ヒモ抜けの心配ばかりしていたら、軸のジャックドールが来ませんでした……。
卍 完全にキレ負けしましたね。
K3 ジャックドールの乗り方については色々と言われているみたいですけど、藤岡佑介騎手を過小評価する人が増えたらますます妙味度が高くなりそうですよね。
卍 長い目で見ればおいしい騎手ですからね。
K3 それにしても、パンサラッサの大逃げは見事でした。1000m通過タイムが57秒4で、これは1998年のサイレンススズカと同じだったそうですよ。
卍 「あのとき故障していなければ……」ということですね。今みたいな高速馬場じゃないので実際はどうかわかりませんけど、「サイレンススズカなら」と思っちゃいますよね。
K3 こういうのがあるから、競馬は長くやればやるほど楽しいです。若い人たちにもずっと続けてほしいですね。
卍 本当にそう思います。
K3 さて、今週はアルゼンチン共和国杯です。予想1番人気はトップハンデのテーオーロイヤルのようなので、テーオーロイヤルに関する妙味度解説をお願いできないでしょうか?
卍 では、菱田騎手にしましょう。電子書籍『妙味度名鑑 2022』の菱田騎手のページを見てください。
K3 だいぶ過小評価されていますね。
卍 2年目に52勝、3年目に64勝を挙げて注目されていたんですけど、減量印が取れてから成績を落としたのが過小評価の理由でしょうね。その結果、近年は複勝回収率がかなり高くなっています。
K3 今年は現時点で44勝と、かなり盛り返していますね。
卍 利益度ランキングを見てもトップ10に入っている項目も多いので、今が買い時でしょう(「利益度」とは、1年間購入し続けた場合に、おおよそどれだけの「利益」を馬券購入者にもたらしえるかを示唆する指標。高ければ高いほど良い)。
<菱田騎手の利益度トップ10入り項目>
全体 10位
短距離 8位
右回り 7位
札幌 2位
新潟 6位
小倉 4位
芝道悪 10位
新馬 10位
未勝利 4位
オープン(重賞含む) 10位
K3 よく考えたら、パンサラッサの福島記念は菱田騎手でしたね(5番人気1着)。1000m通過57秒3ですから、天皇賞秋より速いペースですよ。
卍 じゃあ、菱田騎手がパンサラッサの潜在能力を引き出したとも言えますね。
K3 菱田騎手の妙味度がこれだけ高いなら、テーオーロイヤルが「儲かる軸馬」になる可能性は十分ありそうですね。
卍 そこは種牡馬と厩舎の妙味度とあわせて判断しましょう。以下が予想1〜5番人気の総合妙味度です。