テーオーケインズを素直に評価(c)netkeiba.com、撮影:高橋正和
今年のチャンピオンズCは、テーオーケインズが中心なのは、誰が見ても明らか。それをさらに後押しするのが、前哨戦の出走馬年齢。チャンピオンズCで好走する王道の路線は、JBCクラシックとマイルチャンピオンシップ南部杯(以下、南部杯)。この2レースに出走した中央馬の年齢を見てみると、
・JBCクラシック
3歳:3頭 4歳:1頭 5歳:2頭
・南部杯
3歳:0頭 4歳:1頭 5歳:1頭 6歳以上:5頭
この2レースに共通しているのが「4歳馬の出走の少なさ」。これは、日本テレビ盃にも出ている。
・日本テレビ盃
3歳:3頭 4歳:0頭 5歳:1頭
収得賞金の加算が少ない3歳馬が、日本テレビ盃、JBCクラシックの出走枠に3頭も入るのは「異例」。その原因となっているのが、4歳世代の手薄さ。チャンピオンズCに出走予定の4歳馬は4頭。この4頭が3歳の時期は、まだ条件馬か、12月に3勝クラスを勝ったばかり。つまり、現4歳世代が3歳の時にトップクラスだった馬(ジャパンダートダービー・ユニコーンS.レパードSなどで好走した馬)が、全て伸び悩んでいることを表している。
その恩恵で3歳馬が出走枠に入れていて、強い(例年より賞金加算が多い)から出走できたわけではない。実際に、日本テレビ盃は元中央OPの8歳馬フィールドセンスが勝利して、JBCクラシックもテーオーケインズが完勝。高いレベルのレースを経験できたという点では、例年の3歳馬よりプラスはあるが、出走できた理由を理解しておかないといけない。
タイトルに書いた「テーオーケインズの有利な状況」につながるのは、3歳馬が上の世代と互角に戦える時期。3歳馬はトップクラスでも、年末の東京大賞典や年明けしての川崎記念あたりから上の世代と互角に戦えるのが「ダート界の流れ」。過去10年で3歳馬が2勝しているが、クリソベリルとルヴァンスレーヴ。どちらも化け物級。2〜3着の2頭もノンコノユメとホッコータルマエ。このくらいのレベルでないと馬券圏内も難しい。化け物級がいないのに3歳馬が上位人気にいることは、現王者テーオーケインズが1着になる有利な状況ということ。圧倒的人気を嫌いたくなる気持ちは分かるが、素直にテーオーケインズを評価することが的中への近道となると考えている。
ウマい馬券では、展開や各馬の適性など全馬の評価を記載しています。買い方も含めて最終結論に注目して下さい。
(文=nige)
■プロフィール
nige(にげ)
SEの仕事を辞して、2014年より「ダート馬券師兼馬券ヘルパー」として活動中。地方競馬を含めてダート競馬全般を得意としており、的確な分析には定評がある。過去の実績から、コース形態・馬場・展開・力関係など総合的に判断して、レース条件に合う適正な馬を選択するシンプルなスタイル。元サラリーマンなだけに、無理な穴狙いはせず、現実的に買えるように点数が少なくなることを意識して買い目を提供。ブログ「スマートボーイのように逃げたい…」随時更新中。