▲引退を発表したデットーリ騎手とのエピソードを語る(c)netkeiba.com
先日、世界的名手、ランフランコ・デットーリ騎手が、来年いっぱいでの引退を発表。世界の競馬界に衝撃が走りました。そんな中、遡ること29年前、小牧騎手も“デットーリの衝撃”を受けたひとりで…。世界の広さを痛感し、挫折を味わったという出来事とともに、デットーリ騎手の思い出と引退を受けての心境を語ってくれました。
(取材・文:不破由妃子)
今でも忘れられない、29年前のデットーリの衝撃!
──今週の『太論』は、ユーザーからの質問から。「デットーリ騎手が、来年いっぱいでの引退を発表しました。デットーリ騎手とはほぼ同世代(小牧騎手のほうが3つ上)ですが、何か思い出があれば教えてください」。
小牧 前にも話したことがあるけど、若い頃、(武)豊くんの次にファンになったのがデットーリやったからね。
──ああ、ヤングジョッキーズワールドチャンピオンシップで競演をはたしたんですよね。
小牧 うん。1993年、僕が25歳のときやったかな。中央からは、豊くん、ノリくん(横山典弘騎手)、(田中)勝春くん、上村(洋行現調教師)くんが出場していて、僕は確か12人中4位やった。
──“園田の小牧太”の存在感を見せつけたわけですね。
小牧 いやいや、土日で対象4レースに乗って、そのポイントで競ったんやけど、そのうちデットーリが3つも勝ったんやで。もう勝ちまくりや。当時はね、「俺が世界で一番上手い」と思っていた頃やったから(笑)、あれは衝撃だったなぁ。世界にはなんぼでもすごいヤツがおるんやなと思って、ホンマに衝撃だった。もう30年近く前の出来事やけど、よう覚えてるよ。
──そのときに受けた衝撃が、向上心を刺激したところもあるのでは?
小牧 そうやね。とにかくデットーリの乗り方を見てたね。勉強してた。騎乗スタイルはそれぞれ自分なりやけど、馬込みの捌き方とか、すごく勉強になったよ。ああいう馬との間隔がタイトなレースって、それまでの日本にはなかったからね。
──話をしたりも?
小牧 してたよ。でも、真剣な話はしてないなぁ。当時のデットーリは、常にチャラけていたからね(笑)。少なくとも、僕と話しているときは、冗談しか言わんかった。
──今回、引退の報道を受けて、どんな気持ちになりましたか?
小牧 ショックというわけではないけど、みんなだんだん辞めていくんやなぁって、なんとも言えん気持ちになるね。
▲2019年に8年ぶりに来日した際のL.デットーリ騎手(撮影:下野雄規)
──さて、今週はワンダーブレットが鳥取特別(12月25日・阪神9R)に登録しています。先週の水曜、日曜と調教に乗ってらっしゃいましたね。
小牧 土曜日も日曜日も調教に出ていたよ。やっぱり体だけはキープしておかなアカンからね。ワンダーブレットともう1頭、カリーナベローチェに乗りました。
──ああ、12月11日の新馬戦で、2着にきた馬ですね(秋山真一郎騎手が騎乗)。
小牧 そうそう。前から乗っているけど、あの馬、走るよ。
──レースでも騎乗するチャンスがあるかも!
小牧 いやいや、笹田厩舎は、レースに乗る乗らない関係なく調教を手伝わせてもらっているからね。手伝わせてもらうからには、どの馬も一生懸命に乗っているだけや。でも、あの馬はね、走ってくると思うよ。ワンダーブレットも順調です。昇級やから、相手は強くなるけど、なんとか格好をつけたいなと思ってる。僕にとって、今年最後のレースになる可能性もあるから。まぁチャレンジャーの気持ちで頑張りますわ。
──あとは今週、いよいよ加矢太さんがGIデビュー(12月24日・中山10R・中山大障害)。騎乗馬はケンホファヴァルト。昨年の2着馬ですから、力が入りますね。自分のことより緊張するのでは?
小牧 かもね(苦笑)。でも、今は楽しみしかないよ。ホンマに楽しみや。あとはとにかく、ケガをせんようにと祈るだけ。僕の24日の予定はまだわからんけど、どこからでも精一杯応援しますわ。
(文中敬称略)