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【中山金杯・京都金杯・シンザン記念・フェアリーS予想】年始の4重賞 各競走の有力馬の調教内容を徹底分析!

  • 2023年01月04日(水) 18時00分

オーバーワークという冷静な見方も忘れてはならない


 皆様、あけましておめでとうございます。2023年もどうぞよろしくお願い致します。

 先週の水曜日にホープフルSが終わったばかりなのに、1週間で東西金杯がスタート。競走馬はもちろん、それに携わる関係者の皆様には頭が下がる思い。私はというと、年末にお休みをいただいて北海道(馬産地ではない)へ飛び、リフレッシュして参りました。もし、ご興味があれば、Instagramをご覧いただければ(笑)

 年明けは2日から仕事始めでしたが、各レースに向けて、しっかりと調整されていますね。5日のレースとなると、年明け追い切りよりも年末の30日や31日にしっかりと時計を出してというパターンが今では主流になりつつあります。調教欄でどの追い切りに注目すればよいか、そういった部分はウマい馬券でしっかり解説したいと思いますが、ここではどのような追い切り過程を経ているのかということを中心に有力馬を見ていきたいと思います。

【中山金杯/マテンロウレオ】

 3歳時にきさらぎ賞で重賞勝利。その後のレースでは二桁着順が続いていましたが、秋になって古馬混合戦は1着、2着。ここで人気するのも当然でしょうし、年末を挟んだとはいえ、レース間隔も適度に思えます。

 ただ、追い切りは12月28日と1月3日のCWが2本だけ。そこが気になりますが、年明けは6F81.7秒としっかり時計も出しています。この動きはライブで確認しましたが、躍動感があって弾む走り。主観的には高く評価したいところですが、この翌日に中山へ輸送して、ということを考えると、オーバーワークという冷静な見方も忘れてはいけないのかも知れません。

調教Gメン研究所

躍動感ある動きを見せたマテンロウレオ(1月3日撮影)


【京都金杯/アルサトワ】

 前走富士Sが8キロの馬体減で11着。そこからレース間隔をあけて立て直したわけですから、馬体重としては今回は増えていると思います。全体的な調教量としては決して少なくありませんが、1本ずつの負荷が少し物足りない、そんな印象はあります。

 ちなみに同じ休み明けのポートアイランドSでは、CW6F82.1秒がありましたが、今回はなし。速くて84秒台です。追い切りの動きが悪いとは思いませんが、ちょっと中身を心配したくなるような仕上げだと思っています。

調教Gメン研究所

少し物足りない印象のアルサトワ(1月3日撮影)


【シンザン記念/ライトクオンタム】

 牝馬でもフェアリーSではなく、ここに登録してきたことでポテンシャルの高さを感じますし、1月4日時点でのnetkeiba.comの予想オッズで人気していることで期待の大きな馬ということも分かります。

 前走後は阪神JFに登録したこともあり、栗東で調整を続けています。本数は多くありませんが、週1本の追い切りをきっちりとこなしていて、中身が整っている印象。最終追い切りはデビュー戦と同じく併せ馬を消化していますし、調教内容に関しては何も言うことはありません。

調教Gメン研究所

少ない本数ながら中身は整っているライトクオンタム(1月3日撮影)


【シンザン記念/トーホウガレオン】

 未勝利を勝ったばかりではありますが、レース数という意味のキャリアは十分。その分なのか、前走の最終追い切りでは坂路2F24.5秒と後半の脚力がしっかりした動き。今回はレース間隔があいただけに、そのあたりがどんな動きを見せてくれるか、注目していました。

 1月4日の坂路での追い切りが最終だと思いますが、これが2F25.3秒。やや物足りなさはありますが、4F目が最速になるラップは踏めており、前走以上とは評価できないものの、決して悪くない仕上げという判断でよいでしょう。

【フェアリーS/アリスヴェリテ】

 1勝クラスの身ですから、抽選対象にはなりますが、netkeiba.comの予想オッズでも上位に支持されています。またアルテミスSで3着という成績を考えると、実績は上位という見方でよいと思います。

 前走が12月10日のレースですから、今回の追い切りが12月24日スタートなら順調ですし、その後が12月31日も順調ですね。過去4走で関東圏遠征はアルテミスSなので、これを参考にすると、最終追い切りは坂路で4F53.9秒。それ以外は最終追いが坂路4F52.3秒以下ですから、54秒よりも遅い時計はちょっと気になると思っていましたが、1月4日の最終追いは坂路4F53.6秒。これなら決して悪くありません。

◆次走要注意

・12/28 2歳1勝クラス【ユティタム】(1人/1着)

 12月22日のCW追い切りがラスト2F21.9秒という、とんでもない直線スピードでしたが、それを着順にも結び付けた形。着差を見ても、現3歳世代でトップクラスのスピードがあることは間違いありません。

[メモ登録用コメント] [ダート]最終追いが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中京芝1600m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 昨年の京都金杯は単勝13.9倍の7番人気が1着。その調教タイプが標準併用で、最終追い切りは美浦坂路で4F目14.6秒(4F61.0秒)の最速ラップでした。変則開催ですから、時計は遅くなるかも知れませんが、4F目最速は重要です。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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