「背負っている組のほうが強い」はこれからも有効か?
今週は土曜に愛知杯、日曜に日経新春杯と古馬のハンデ重賞が2つある。今年は基礎重量が+1キロされたという事情もあり、ハンデに敏感になっているファンの方も多いだろう。3日間開催だった影響で実際のハンデを見る前に原稿を書かねばならないのだが、この機会に私がよく言う「ハンデ戦は敢えて背負っている馬を買え」の再確認と、額面が1キロ増えることによる影響について考えたい。
まず、2013年以降に行われた芝2000m以上のハンデ重賞(年間14レースあるがうち2つは牝馬限定)について、牡馬セン馬のハンデ別成績を見てみたい。
このように、背負うハンデが重い馬のほうが勝率・複勝率が高いという傾向にある。ただ、これを単勝30倍未満の馬に限定し、本来その年齢・性別で背負うべき斤量(以下の表組では「基準」)との差額で見ると以下のようになる。
単勝30倍未満馬限定なので差は縮まるが、勝率・複勝率に関する傾向はおおむね同様。ただ、斤量の軽い側に回収率の高さが見える。好走馬の多くは前走条件戦組で、勝ち馬7頭はすべて4歳か5歳。軽ハンデを狙うならオープンでの評価が未確定な若い馬で、お客さんからもそこそこ評価されている馬でないといけない。ちなみに、基準〜-5と基準〜-4の2グループのうち単勝30倍以上だった馬は[0-2-6-180]で複勝率4.9%、複勝回収率80%。たまに出る大きい複穴で複回収率はそこそこあるが、的中頻度の無さを補うものではない。
逆に、基準〜+1と基準〜+2の2グループで単勝30倍以上だった馬は[0-0-0-21]。昔の実績で持ちハンデが上がったままの馬は来ていない。「背負っている組」がそこまで有利と思われていない背景には、こういう馬たちが混じっている影響がある。近況がそれなりの馬ならやはり「背負っている組」は軽視できない。一方で軽ハンデ組を狙うなら昇級から時間の経っていない若い馬がよい、というのがハンデ重賞の基本だ。これは牝馬限定戦においてもおおむね同様かと思う。
最後に斤量が1キロずつ増すことによる影響だが、牡馬セン馬について「ハンデ÷馬体重」のパーセンテージによるグループ分けをすると以下の通り。
馬体重を要素に入れても「背負っている組のほうが強い」という基本線は崩れない。そして1キロという斤量増は、500キロの馬だと馬体重比0.2%、400キロの馬でも0.25%である。総体としてはそこまでの影響は出ないのではないか。もちろん一定以上の斤量をこなせない個体はあるだろうが、大枠で言うと影響は限定的かと思う。