極めて小柄な親からたくましく育ったヴェルトライゼンデ
各馬ともにハンデは重いが、トップハンデのヴェルトライゼンデはジャパンC3着が評価されて、57→59キロ。58キロの経験もない。最後の詰めに影響する危険はある。
ただ、父ドリームジャーニーは430キロ前後の小型馬ながら、2009,2010年のオールカマー2200mを連続2着し、59キロで【0-2-2-0】。後年、種牡馬となって気性が激しすぎるとされた猛烈な闘争心で克服してみせた。
祖父ステイゴールドも420-430キロ台を理想体重とした小柄馬なのに、バネと無類の勝負根性を武器に2001年の日経新春杯をハンデ58.5キロで勝ち、定量58キロの春秋の天皇賞に7回挑戦し、3回も2着している。
母マンデラ(独)はもちろん非力ではなく、58キロの独オークスを3着。その父アカテナンゴ(独)も58キロの独ダービーを圧勝し、同じ2400mのバーデン大賞(独)を60キロで2連勝している。
きわめて小柄だった祖父ステイゴールド、父ドリームジャーニーに比べ、たくましくなったヴェルトライゼンデは500キロ近い馬体。力強い体型に非力感はない。重馬場の新馬を快勝。不良馬場の2021年AJCC2200mも力強く伸びて小差2着。父や祖父のように闘争心を表に出すタイプではないが、不屈の精神力は受け継いでいる。
ステイゴールド系は、凱旋門賞のナカヤマフェスタ、オルフェーヴルが示したように負担重量はこなす。障害戦ではあるが、11歳まで現役だったオジュウチョウサンも、今年11歳のマイネルレオーネも、背負う斤量は平気なステイゴールド産駒。ヴェルトライゼンデも59キロは大きな死角ではないかもしれない。評価は下げないでおきたい。
中山の「京成杯」は、前回、クビ差の接戦だった牝馬ヒップホップソウルがフェアリーSを1番人気で11着。そこで人気急落のシャンパンカラー(父ドゥラメンテ)だが、前回の最終1ハロン11秒3のゴール寸前、もう一回加速して着差以上の完勝だった。先行力を生かして上がりの速いスピード決着に持ち込むことが可能だ。