今週はクラシックにつながる大事な一戦、共同通信杯が行われます。今年の3歳牡馬はまだはっきりとした勢力図が見えないため、ここを好走した馬が一気に牡馬クラシック戦線の主役に躍り出る可能性があります。話題の素質馬たちを妙味度はどのように評価するのでしょうか。
(取材・文・構成=オーパーツ・パブリッシング編集K3)
驚異的な成績を上げる川田騎手と、ルメール騎手&デムーロ騎手の変化
編集K3(以下、K3) 今週は共同通信杯の予想をお願いします。ここ2週が残念な結果だったので、今週はなんとしても当てたいです。
卍 そうですね。
K3 予想オッズを見ると、東スポ杯で2着に好走したダノンザタイガー、野路菊Sを勝ってホープフルSで4着だったファントムシーフ、朝日杯FSで3着だったレイベリングが人気になりそうです。
卍 鞍上は川田騎手、ルメール騎手、M.デムーロ騎手ですか。予想4、5番人気も福永騎手、バシュロ騎手と、騎手に目が行きますね。
K3 オッズにも大きく影響しそうですよね。なんせ今年の川田騎手は現時点で複勝率74.2%、複勝回収率106%ですから。
卍 これだけの成績を上げて、妙味度も高いというのは驚きですよね。
K3 いつまで「おいしい川田騎手」でいてくれるかなと思いましたけど、余計な心配でしたね。というわけで、ここはダノンザタイガーでいいですよね。
卍 それはわかりませんよ(笑)。総合妙味度は種牡馬と厩舎も含めて算出しているので。
K3 でも、川田騎手は4回に3回来るんですよ。
卍 まぁ、予想1〜5番人気の総合妙味度を見てみましょう。
単勝予想オッズ=1〜5番人気馬の総合妙味度
1 ダノンザタイガー(2.2倍) 98.5
2 ファントムシーフ(3.5倍) 97.2
3 レイベリング(4.2倍) 101.4
4 タスティエーラ(5.5倍) 99.2
5 タッチウッド(12.1倍) 98.9
※想定騎手は上から川田、ルメール、M.デムーロ、福永、バシュロ。想定オッズは10日14時時点。
K3 あら? ダノンザタイガーの妙味度は全然低いですね。
卍 ハーツクライと国枝厩舎が過剰人気傾向だからです。
K3 で、「儲かる軸馬」はレイベリングということですね(※「儲かる軸馬」は予想1〜3番人気のなかで最も妙味度が高い馬)。
卍 レイベリングの高得点項目はこのようになっています。
M.デムーロ騎手の東京競馬場 107
M.デムーロ騎手の芝 105
M.デムーロ騎手の中距離 108
M.デムーロ騎手の左回り 107
M.デムーロ騎手のオープン(重賞含む) 105
Frankelの芝 104
Frankelの距離延長 105
K3 M.デムーロ騎手の妙味度は昨年版の時点で少し上向いていましたけど、V字回復したんですね。
卍 2020年が底で、2021年と2022年は単年妙味度がグンと上がっています。具体的に言うと、2021年は平均より約8ポイント、2022年は平均より約13ポイント高くなっています。まさしくV字です(画像は電子書籍『中央競馬 妙味度名鑑 2023』のM.デムーロ騎手のページ)。
K3 ほとんどが100を超えていますね。
卍 京都の妙味度95は、2020年の名残りです(笑)。
K3 一時は「ルメール騎手は買えて、M.デムーロ騎手は全く買えない」という状況でしたけど、いつの間にか逆転したんですね。
卍 2人の妙味度の変化はこんな感じですね。
2015年〜 2人とも高い
2019年 M.デムーロ騎手=平均を下回る
2020年 ルメール騎手=平均を下回る M.デムーロ騎手=さらに低下
2021年 ルメール騎手=さらに低下 M.デムーロ騎手=上向く
2022年 ルメール騎手=低いまま M.デムーロ騎手=さらに上昇
卍 多くの人は勝利数や好走率で評価するので、世間的には「ルメール>デムーロ」ですけど、妙味度だと「ルメール<デムーロ」になります。
K3 M.デムーロ騎手は2020年に拠点を関東に移したのが大成功でしたね。
卍 2023年も大きく環境が変わらなければ期待できそうです。
K3 ただ、今年は現時点で[4-11-9-50]と、勝ち切れていないですよ。
卍 妙味度は複勝回収率をベースにしていますから。勝利数が少ないのはまだまだ過小評価につながる材料になるかもしれません。
K3 レイベリングの陣営はここで賞金を加算したいでしょうから、M.デムーロ騎手にかかる期待は大きいでしょうね。
卍 重賞2着のダノンザタイガー、オープン勝ちのファントムシーフと比べると、勝負度合いは強いかもしれません。
K3 では、レイベリングの相手を教えてください。
卍 総合妙味度が100を超えているのは以下の7頭です。