現代を象徴する良血馬、更なる飛躍なるか?
牡馬のクラシック路線は混戦がささやかれ、ドゥラエレーデなどランキング上位馬が別路線なので、まだ明確な勢力図が描けない。このスプリングSで遅れて台頭の魅力的な新星が出現して欲しい。
ウィステリアリヴァ(父ロゴタイプ)、ベラジオオペラ(父ロードカナロア)、ホウオウビスケッツ(父マインドユアビスケッツ)はまだキャリア2戦だが、過去10年、2015年キタサンブラック、2021年ヴィクティファルスが3戦目で勝っている。
中で新星の可能性十分と期待したいのはホウオウビスケッツ。死角は2勝ともに逃げ切り勝ちで、今回は同型が多いこと。だが、新馬1600m1分34秒9の逃げ切りは、前後半「47秒6-47秒3」。全体のタイムは標準でもバランス抜群だった。
2戦目の2000m1分59秒3は、前後半「61秒6-57秒7」。こちらはアンバランスに映るが、後半は5ハロン連続して11秒台。それで57秒7だった。
同開催にはサリエラの勝った古馬オープン白富士S(2000m)があり、1分58秒5のレースバランスは「59秒9-58秒6」。2戦目の3歳馬ホウオウビスケッツは、前半1000mを白富士Sより「1秒7」も遅いペースで行きながら、勝ちタイム差は「0秒8」だけ。平凡な逃げ馬の刻んだ内容ではない。
今回一転、差す形は無理かもしれないが、好位抜け出しなら可能。父はダート専門のスプリンターだったが、9FのGIII快勝と、GI2着がある。
現代を象徴するようにディープインパクトの血を持つ馬が6頭、キングカメハメハの血を持つ馬が5頭いて、うち2頭は両者の血を内包している。
ホウオウビスケッツの母は、その現代の2大種牡馬の血を合わせ持つ名門牝系出身。かつ、キングカメハメハの母マンファスの「3×2」。牝系に入ったキングカメハメハの血は強力で、昨年の皐月賞馬ジオグリフ(母の父キングカメハメハ)の父は、マインドユアビスケッツ以上にダート向き短距離馬とされたドレフォンだった。