▲福永祐一調教師が今年の牝馬クラシックを解説 (撮影:桂伸也)
馬から降りて、初めて“調教師”の立場からクラシックをご覧になっている福永祐一調教師に、3歳馬の勢力図を解説いただくこの企画。今週はオークスに向けて、牝馬戦線を分析していただきます。
一冠目の桜花賞は、「今日のリバティアイランドは、どういう勝ち方をするんだろう?」という点に注目していたと福永師。同馬の強さが際立つ結果となりましたが、スタート後の二の脚の鈍さなど、気になる要素はどう捉えているのでしょうか?
さらに、ジョッキー時代「オークス男」と称された福永師だからこそ感じる、桜花賞のレースぶりから舞台替わりが追い風になる馬も挙げていただきます。
(取材・構成=不破由妃子)
リバティのオークス前の調教で、前進気勢が強く出てきたならば…
圧倒的な人気を集めたリバティアイランドが、その強さを存分に見せつけた今年の桜花賞。完璧な競馬で勝ち切った阪神ジュベナイルフィリーズの内容からも、その牙城を崩すのは相当厳しいだろうと思っていたし、前哨戦からもリバティを脅かすような存在は登場しなかった。
▲桜花賞で1番人気に応え、快勝したリバティアイランド (C)netkeiba.com
「今日のリバティアイランドは、どういう勝ち方をするんだろう」。自分の興味も、その一点だったと言っていい。
(川田)将雅のコメントにもあったように、あの日のリバティアイランドは、思った以上に進んで行かなかった。間隔が空いていたこともそうだが、折り合いを考慮し、テンションを上げないような調整方法を取った可能性もあり、だとしたら、それがスタート後の二の脚の鈍さにつながったのかな…なんて思いながらレースを見ていた。
結局、前半はスイッチが入らなかったけれど、最後は地力で他馬を圧倒。リバティアイランドの強さが際立ったレースであることは間違いなく、次のオークスを思えば、むしろ前半でスイッチが入らなかったことが吉と出るのではないかとも思った。
ただ、ひとつ気になるのは