スマートフォン版へ

【ユニコーンS・マーメイドS予想】今週末の重賞は難解な力関係 有力各馬の調教内容をチェック

  • 2023年06月14日(水) 18時00分

前走で◎を打ったビッグリボンは今回も状態上々


 今週はユニコーンSとマーメイドS。難しそうな重賞で少し憂鬱になりそうな気持ちを吹き飛ばしてくれるのが、宝塚記念の特別登録ゼッケン。美浦所属で、本来なら追い切りをライブで見ることができないはずのイクイノックスとジオグリフが栗東滞在。そして、6月11日にはスルーセブンシーズも栗東へ入厩しており、なんとも豪華絢爛です。

 朝一番なんて、イクイノックスのすぐ後ろでジオグリフが追い切り。その直後にディープボンドがいたと思ったら、そのすぐ内にはテーオーケインズがいて、そのまたすぐ後ろからの3頭併せでメイショウハリオ。帝王賞組も追い切っているんですよ。「忙しすぎるやん!」と思いながらも双眼鏡越しに満面の笑みを浮かべていたのは言うまでもありません。

【ユニコーンS/グレートサンドシー】

 ヒヤシンスSが今回と同じ東京ダート1600mという舞台でしたが、結果は4着。休み明けが影響したのか、新馬戦を勝った時の最終追い切りがCWだったので、それが坂路に替わったことが影響したのか。いくつかの要因が考えられますが、前走が中2週で勝ったことを参考にすれば、やっぱり距離は1400mベストなのかもしれません。

 そんな中、今回はレース間隔あいて、最終追い切りはCW。ヒヤシンスSとはちょっと違う仕上げになりましたし、今回の結果こそが1400mなのか1600mなのか、というところを示すことになりそう。ちなみに最終追い切りCWのラスト2Fは11.5秒、11.5秒と速いラップでしたが、道中は少し遅かったかなという印象です。

調教Gメン研究所

道中少し遅めの印象があったグレートサンドシー(6月6日撮影)


【ユニコーンS/ヘンリー】

 吉岡辰弥厩舎といえば、スマッシャーでユニコーンSを優勝。ということで、この馬が注目を集めるのは納得。しかも、この馬もダート1400mで勝ってきています。少しレース間隔のあいた今回ですが、追い切りでは併せ馬を数多くこなしており、調教の負荷は十分といった感じ。

 吉岡厩舎なので、1週前追い切りが6月10日の土曜日でしたが、ここで古馬OPとの併せ馬を追走先着。最終追い切りは軽くなりましたが、これはいつものこと。調教内容としては気になるところはありませんが、あとは最終追い切り前の様子を見ていると、少し気難しいところもありそうなので、初めての前日輸送を気にしなければ。

調教Gメン研究所

ヘンリーの課題は初めての前日輸送(6月14日撮影)


【マーメイドS/ビッグリボン】

 関門橋S3着、福島牝馬S2着。特に前走はウマい馬券で◎を打ったように、かなり状態は良かったんだろうと判断しています。それらの最終追い切りは坂路でしたが、前日輸送という状況があったんでしょう。3勝クラスを阪神で勝った時はCWでの最終追いでした。

 というわけで、今回はCWでの最終追い切り。しかも併せ馬を課してきて、追走して同入。3コーナーで少し息を入れるようなラップになりましたが、最後の直線は12.0秒から11.3秒。力では最上位は間違いないと思いますし、状態も上々。あとは55キロで他馬との斤量比較でしょうね。

【マーメイドS/ウインマイティー】

 昨年の勝ち馬。ではありますが、当時は五十嵐忠男厩舎で、現在は解散転厩により、西園正都厩舎の所属となっています。調教のパターンとしては、ポリトラックを多用していた以前とは違い、現在はウッドチップでの追い切り主体。ただ、動きとしては文句なしといった感じです。

 最終追い切りもCWで最後の直線は11.4秒から10.9秒。もともと追い切りでは動くタイプではありましたが、6歳になっても変わりなく動けているといったところでしょう。ただ、この厩舎らしく、休み明けで追い切り本数は少なめ。このあたりは昨年と違うだけに、ここらをどう評価するかでしょう。

調教Gメン研究所

ウインマイティーは昨年と異なる調教内容をどう評価するか(6月14日撮影)


【マーメイドS/ストーリア】

 中山牝馬S2着。ということを考えれば、他の重賞ウイナー、重賞実績馬ともヒケをとらない馬であることは間違いありません。それでいて、54キロなら、と斤量面から狙いたくなるところもあります。

 近3走は東京、中山、福島と前日輸送のある競馬だったので、3勝クラスで2着した時とはちょっとパターンを変えざるをえなかったのかもしれません。今回は1週前追い切りがCWで併せ馬を先着。これが2着した時と同じですし、最終追い切りは坂路で4F52.3秒。52秒台も2着時以来ですから、この調教内容なら、という感じはします。

調教Gメン研究所

斤量面からも狙い目のあるストーリア(6月13日撮影)


◆次走要注意

・6/11 エプソムC【マテンロウスカイ】(4人/3着)

 パドックを観た方なら、発汗がすごくて「大丈夫?」と不安視された方もいたはず。ただ、これに関しては「いつもこうなんですよね。だから『今日もいい汗かいてるな』って思ってましたよ」と松永幹夫調教師。今後は少しレース間隔があきそうですが、パドックの見方は要注意です。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]パドックでの発汗は全く心配なし

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝2000m>
◎最終追い切りがトラック馬場で4F52.0秒以下
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 過去のマーメイドS、近2年は最終追いがトラックで4F52秒以下が勝利しています。先行有利ならこの調教適性でしょうし、差しなら坂路系かなというところ。その中間だと併用の調教タイプが好走するのかもしれません。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング