【ローズS予想】変化しつつあるローズSと秋華賞の結びつき
僅か3戦も強烈な印象残すブレイディヴェーグ
つい最近まで「ローズSと秋華賞」の結びつきは、どのビッグレースのトライアルと本番より強力だった。ところが、現在ローズS組は秋華賞で7連敗中。オークスからの直行馬、評価の上がった紫苑S組が勝ち続けている。
しかし、これはローズSの評価が下がったのではなく、狙いのビッグレース制覇には、出走スケジュールの決まりや王道、挑戦のパターンがなくなり、どういう出走過程でも大丈夫。さらにはキャリアも問わないことを示している。牡馬ではソールオリエンスがなんと戦歴2戦で皐月賞を快勝してみせた。
まだ戦歴3戦だけ。重賞挑戦も、それどころか特別レースにも出走していないブレイディヴェーグ(父ロードカナロア)に期待したい。馬なりのまま6馬身差の未勝利勝ちの芝1800mも強烈だったが、衝撃的だったのは前走の東京2000mの内容。
今年、ここまでの東京3開催で行われた芝2000m戦は計21レース。最速タイムは現4歳牡馬オープン馬スパイダーゴールドがアメジストSで記録した1分57秒7。激戦を抜け出した同馬の上がりは34秒6だった。
ところが、未勝利を勝っただけの3歳牝馬ブレイディヴェーグは、6月最終日の東京2000mを1分57秒9で快勝。オープン級の古馬と0秒2差だった。驚くのは同馬の上がりは33秒6-11秒3。スタートもう一歩で控えて進みながら、ノーステッキでの楽勝。もちろん坂で気合は入れたが、最後は馬なりだった。
競馬は時計がすべてではないが、対戦するオークスに出走したソーダズリング(父ハーツクライ)のフローラS2着は1分59秒1。2000mの持ち時計2番目になる。
ブレイディヴェーグには血統背景の魅力も大きい。母インナーアージは2015年のオークス、秋華賞を制したミッキークイーンの2歳上の全姉。
また、同じロードカナロア産駒の代表馬アーモンドアイの母方は、ヌレイエフ産駒の祖母に、サンデーサイレンスを配したのが母だったが、ブレイディヴェーグの母方の配合形にはかなり似たところがある。
活躍牝馬は時代の先端となる配合になることが多いが、現在、父ロードカナロアは今年初のリーディングサイアーに、また母の父ディープインパクトは、今年初めてリーディングブルードメアサイアーを狙える位置にいる(ともに現在1位)。
もちろん、オークス組のラヴェル、ソーダズリングが強敵だが、今年はコンクシェル、アンリーロード、マラキナイアなど上がり馬の伏兵にも要注意だ。